謎と不思議・・「灼熱の日」のあとがきから | 素人短編小説

謎と不思議・・「灼熱の日」のあとがきから

 私、連載小説を完結させた際に、僭越ながらあとがき(テーマは「ひとこと」です)を書いているわけですが、45作目あたりからその前文としてショートショートを載せております。

 先日、そのショートショートを遡って読んでみましたら、私的にそこそこ興味深いモノもありましたので、切り抜いて再掲載してみようと思い立ちました。週1回か、月1回か未定ですが、よろしければどうぞ。

 

++++++++++++++++++++++++++++++++

 

 世の中に「不思議」ってあると思うんですよね。

 対して「謎」ってよくよく考えると活字で見るほどの深さを感じないっていうのが最近の僕の捉え方なんですがね。


 最近、自宅から数百メートル離れたところに建っている村の博物館で“謎の宇宙展”っていうテーマで展示が行われていたんで入ってみました。


 宇宙とか、心霊現象とか、巨大遺跡なんかに興味津々…っていうか、テレビなどで放映すればすぐ見入ってしまうし、古本屋の印刷物なら手にとって、安価であれば即購入するほどなのでありまして。大袈裟に解説すればするほど娯楽性が上がっていきます。


 以前、このブログの“ひとこと”の中に超短編としてかなり皮肉っぽく書いた地球人の入れ替えやピラミッドその他をテーマに物語を載せたことがありましたっけねえ…。


 さて、ここで先ほどの村営博物館の話に戻します。

 

 そこには主に日本が打ち上げた宇宙ロケットについてのパネルや模型が多く展示されていました。これにはちょっと興味ないなあ…といった気持ちから、大雑把な…本であれば斜め読みといった感じで展示物を見学していたとき、一枚のパネルに目が行きました。

 

 そのパネルの題名は、“太陽系の謎を探り、生命誕生の謎に挑む”


 …驚きました。

 

 その驚きの程度を言葉で表すと、少なくても「少し」ではありませんでした。どちらかといえば「大いに」…そう、大いに驚いたという感じでしょうか。ただ、「驚愕」とか「驚嘆」といったほどではなかったことも白状しておきましょう。


 で、次にそのパネルの文章の終わり部分です。

 こう記述してありました・・・実文のままです。


「私たち人類は、

今、全地球を管理する時代を迎えています。そして、それほど遠くない未来、人類は全太陽系を管理する時代を迎えることでしょう。」


 JAXAか、あるいはそこを管轄、関係する機関がこのパネルを作り、文章を書き上げたのでしょうか。で、あれば、それを少なくとも日本全域で閲覧させているものと推察されます。


 …愚かですね。


 彼ら流に“人類”という名称を使えば、今の人類は、人類を、そして地球を、太陽系の惑星や衛星の一つひとつを、太陽系全体を…いや、ブラックホールを除く一銀河の大部分を管理し、運営している存在が、もしかしたら他にいるのかもしれないという思考を露ほども持ち合わせていないのですね。


 私の立場上、これ以上のことは申し上げられませんが、この拙文の締めとして私見を申し上げれば…

 

 人類にとって、不思議に思うことは数えられないほどおありでしょう。

 十分に理解できます。


 しかしですね、“謎”は言い過ぎであり、甚だしい勘違いでしょう (笑)

 

 目を覚ましてください。人類と名乗る皆々さま方は、それほどまでに “上から目線” を許されるほどの存在ではないのです。


 ここで、現在の人類について、全くの思いつきで私の脳裡に浮かんだイメージを文字にしてみましょうか。


―― サファリパークのライオンやキリン、サイ、シマウマ…

 

                                    -了-