先日、神保町ブックカフェ「チェッコリ」さんのセミナーに参加しました。
当校字幕翻訳クラス講師の朴澤蓉子先生が昨年、翻訳コンクールで最優秀賞
を受賞されたのですが、 そのコンクールの振り返り的な勉強会で、審査員の
先生や 多数の応募された方が参加されていました。
 

審査員の先生の話やアドバイス、朴澤先生の体験談、受講生からの質問などは
普段、外国語に触れている私からするとためになることばかりでした。
悩むポイント、難しいと思うことは同じなんだな、と、これから自信を持って翻訳
をしたり、そして 翻訳をする人へのアドバイスをしていこうと思った次第です。
 

先生方のお話しの中で印象的だったのは「誤訳」に対する話。先生方でも、
あとで振り返ると「ありえない」としか思えない誤訳をすることがあるのだそう。

その中で「いったん’そうだ’と思うと、目に入ってこなくなるので、最初が肝心」
というお話しがあり、ハッ、と思いました。

翻訳をするとき、「いったんサーッと訳して見直そう」と進めたりしていましたが、
これは危険なのかもしれません。あとで見つけられなくなるリスクを考え、
時間を多少かけても最初から丁寧に読んでいくのが良いのでしょう。
 

それで思い出したのが楽器の話。できないところをやみくもに練習してしまい
がちですが、何度も間違えていたとき、先生から「間違える練習をしている
だけですよ」と言われたことがありました。

人間の脳はこの「間違った」状態が定着すると、抜け出せなくなる、と言って
いた音楽仲間もいました。

最初に正しいものを出しておくことが肝心、というのは、翻訳も楽器も同じだな
と思いました。