さて古都サンルイスは今日もいい天気。早起きして散歩がてらにサンルイスの街並をカメラにおさめて来ました。スーリー姉さんからははサンルイスも治安が悪いから(バスジャックになんか遭っちゃうあんたは)気をつけて歩いてね、と言われていたので、人通りの少ない(むしろ危ないか?)朝を狙ってみました。悪い事する奴は夜行性だと思うという僕の持論のもと、ね。しかしまぁ気持ちいいですこと。途中、人だかりと辺りに漂ういい匂いを見つけて、気づけば吸い寄せられるようにホットドッグを食べていました。散歩はいいもんです。
しかしながら、サンルイスという街。古都なのですが、世界遺産なのですが、どうなんでしょう。全体的に綺麗じゃないんですよ。綺麗ってのはなんというか、壁が汚れてたりして全体的に街がくすんでるんですよね。同じカラフルな街でもチリのバルパライソは綺麗ですごい感動したんですが。もしくは同じ古都でもクスコはなんだかちょっと汚くても許せたというか…。どうしてそういう風に感じるのかはよくわからんのですが、誰か行った人教えてください。
サンルイスでは特にすることがないので、ずっと散歩するか、海辺でボーっとするか、そこら辺に腰掛けて本を読んだりしてました。もちろん有名(そうな)美術館らしきものがあったりしたので、そういうものが好きな人はいいんでしょうけど、ぼくはあまり近代の芸術は好きじゃないのです。例外はあって現代建築とかアートとかは好きなんですが。ニューヨークにあるMoMAには死ぬほど行ってみたい。
iPodも盗まれてしまったので、ぼくの心の支えはバックパックにしまっていた小説だけでした。今回の旅にセレクトした小説は山崎豊子のご存知「白い巨塔」。なぜ今?それも海外に?という感じですが、やっぱり傑作ですね。1967年の作品なんですが、40年前と比べても医療界って変わってるようで本質的にはまったく変わってないんだな、と感じました。元ジャーナリストとは言え、ここまで医学界のことをリアルに描写できるものかと。
個人的には、昔の医者って身体診察とかでここまで物事を考えてたんだ、とかそう言えば胃潰瘍って手術する病気だったんだなぁとか、そんなことばっかり考えてました。今度の旅には、不毛地帯とか華麗なる一族とかも手を出してみようと思います。旅のときしかゆっくり本なんて読めないもんね。
そうこうしているうちに陽も落ち、街は月夜に照らされます。すると街の表情は一変するのです。この街の街灯はすべて白熱灯になっていて、優しい黄金色の光が街を包むようになるのです。宵闇が壁の汚れを消し去り、白熱灯が街から彩りを奪い去ると、古都の香りが漂ってくるよう。ぼくのサンルイス株は一転し急上昇しました。クスコもそうでしたが、古都は夜に限ります。
夜のサンルイスも散歩しているうちに、昨日と同じ屋台の料理の匂いに引き込まれ、すぐ隣のメルカドからの人と酒の匂いに引き込まれ、気づいたら昨日とまったく同じことをしていました。ほろ酔い気分で街を歩くと、白熱灯に照らされた世界がぽんわりと浮かび上がり、ふわふわとした心地よい光に包まれて幸せな気分で宿へ帰りました。
そんな余韻を残したままサンルイスともお別れ。深夜2時の便で次の街、未来都市ブラジリアへと向かいます。旅も終盤戦に突入です。



