ついにブラジル最後の都市ブラジリアへ。さすがすべてがデザインされた都市ブラジリアだけあって、空港のデザインも素晴らしい。ブラジリア全体に言えることなのですが、全体的に曲線を多用する傾向にあるらしく、空港の窓もこんな感じで丸いおしゃれ満載。ちょうど日の出前飛行機が着いたのが日の出前だったので、窓越しの朝焼けを日の丸に見立てて一枚。
さて空港の外に出てバスターミナルで市街地へ向かうローカルバスを待っていたのですが、バスはひっきりなしに出ていて、しかも行き先がバラバラでどれに乗っていいかさっぱりわからない。地球の歩き方でも持っていたら話は早いんですがね。隣にいた優しそうなおじさんに尋ねてみたら、なんとびっくり。日系の方でした、お名前はタチバナさん。
「兄ちゃん宿はどうせまだなんだろ?俺が紹介してやる。」と言って下さり、とりあえずブラジリアの中心地から地下鉄で数駅のご自宅へ案内していただく。駅前は高層ビルの建設ラッシュで、タチバナ家もマンションの上の階。そこから見えるビル群はBRICsの勢いそのものでした。
中国にはGDPで追いつかれても、国としての品位は負けないと思っているんですが(というかEUも日本に対して同じ様な感情を抱いているのかもしれませんね)、これだけ人が優しくて民意が高いブラジルという国には、いつか完敗する日が来るような気がします。
話はだいぶ逸れますが、この先、日本はどうなってしまうのだろう。アメリカもBRICsも、広大な大地と潤沢な資源を持った国です。結局のところはこの2つがないと国家としての繁栄と成長の持続は見込めない。と言うより、むしろ技術だけで世界2位の経済大国になった日本は奇跡です。少しは教育委員会のみなさまにも、奇跡の国を誇りに思う愛国心くらい学校で教えていただきたいものです。
そんな日系人のタチバナさん。「親にはちゃんと連絡をとりなさい」とパソコンを貸してくれ、そのまま車でブラジリア中心地まで走り、昼飯のポルキロをご馳走してくれ、知り合いの宿は生憎満室だったんですけど、そのままアクセスがよくて便利な宿を車で探しまわってくれました。人がいいにもほどがある。地球の裏側で古き良き日本人(なんてよく知りませんが)を垣間見た気がします。そんなタチバナさんともお別れ。
ブラジリアは世界でも珍しい、というかたぶん唯一の「過去を持たない首都」です。クビチェック大統領の「50年の進歩を5年で」というスローガンのもと、何もない標高1100mの砂漠にいきなり首都を建設したんだからスケールがでかい。京都や札幌といった日本の計画都市は、碁盤目状に区画されていますが、ブラジリアはなんと飛行機の形になるように街が区画されています。名づけて「パイロットプラン」。これはテレビ塔の上から見たブラジリア。地図で見るともっと飛行機に見えます。
ブラジリアという街全体が建築家ルシオ・コスタの作品なのです。街には彼の作品が散りばめられているのです。その造形美を堪能するためにブラジリアに来たのです。
まずはドン・ボスコ聖堂へ。ここはガイドブックでも数多く紹介されていますが、ぼくは個人的にブラジリア一美しい建築物だと思います。どうやらファイナルファンタジーの世界に紛れ込んだみたいだ、と揶揄されることが多いようですが、確かに。壁全体がブルーを貴重にしたステンドグラスになっていて、聖堂内全体が青い光に包まれるのです。中では新婚夫婦が結婚式の予行練習をやっていました。ここで結婚式挙げれたら、最高ですね。
地球の歩き方の情報通り、18時になるとシャンデリアが点灯し、今度は暖かい光が聖堂を包み込み、ミサが始まりました。実はミサに参加するのは初めてで、聖歌をちゃんと聞いたのも初めてだったんですが、無宗教家の日本人の僕が聞いても心に響く良い音色でした。
そして、夜。ブラジリアの建築は夜に映えます。というか、夜にまわるべきです。なぜなら、結構ブラジリアの街並ってきちんと補修されてないんですよね。実はテレビ塔は目も当てられないくらい汚いし、エレベーターも今にも止まりそう。こういった美しい建築物も、遠景で見ると美しいのだけど、近くによると「げ」と思うことの方が多い。だから、ブラジリアの建物を気持ちよーく見たいのならば、夜にまわるべきです。これはカテドラルメトロポリターナ。美しい。曲線がたまらん。これらはほとんどオスカーニーマイヤーの作品。
でもって、これは外務省。ガラス張りの建物に弓形の柱がアレンジされ、別名「弓の宮殿」とも呼ばれているそう。これもオスカーニーマイヤーの作品。
国会議事堂。右が上院、左が下院。両方合わせて地球をイメージしているそう。もちろんこれもオスカーニーマイヤー。もう襲われるのはこりごりだったので、タクシーを借りて、あれこれ回ってもらいました。結構ボられたけど、ま、こんだけ美しい建築物をお腹いっぱい見れたので満足でした。ブラジリア、来て良かったなぁ。
今晩のお宿はSHSにあるEconotelというR$90もするこの旅一番の豪華なホテル。夜景ツアーから帰って来たら、何やらホテルの前にひとだかりが。ついでに何やらうまそうな匂いがするぞ…と覗いてみたら。バーベキューの屋台が出ていて、そこに周りの人たちが集まってきていたのです。ブラジリアという高層ビル群の中で、こんな泥臭いことやってるのが凄い面白い。ずっと飲もう飲もうと思っていたピスカーニャにもありつけました。
ピスカーニャとは、グラスいっぱいに入れた氷の中に砂糖とライムをありったけ入れ、ライムをがしがし潰し、その後にピスコというブドウで作った蒸留酒を注ぎ込むという、いたってシンプルなカクテル。むっちゃアルコール度数高いんだけど、その甘さも手伝ってスカっと飲めてしまう危険なカクテル。ピスカーニャと例の如くキンキンに冷えたビールを流し込みながら、串焼きにされた牛肉を頬張る。何て幸せな夜なんだろう。
ちなみに南米の牛肉は本当に旨いです。日本で美味しいと言われる牛肉は脂がたっぷりのった肉ですが、あれは旨い肉じゃなくて、旨い脂なんですよ。南米では旨い肉が食えます。どういうことかというと、こっちの肉は赤身が旨いんです。ほとんど脂はのってないんだけど、柔らかくて、強烈に濃縮された肉の旨味が口の中ではじける。是非ご賞味下さい。







