先週、とても久しぶりに訪れた街で

夕方の早い時間に、そのあたりでは昔から有名な

お店に入りました。一人で。

 

 

大きな公園が見下ろせる窓際のカウンターに通されました。

 

 

隣の椅子には誰も座っていませんが

その隣には70歳くらいのおじさまが

一人でいらっしゃいました。

 

 

そのおじさまが何気なく私に話しかけてきました。

私の前にここに座っていたのも

一人で来店した女性だったらしく

そのお話をされました。

しかもその女性は初めて一人でそういうお店に

入ったと。

 

 

おじさん、まあまあ酔いはじめてる感じ〜。

 

 

私も一人だし

嫌な感じはしなかったので

そのおじさんの話を適当に

ふーんふーんと聞いていました。

 

 

今は大阪に30年住んでいるけれど

そもそもはこの辺りに住んでいて

実家もあり、実家で一人暮らしをしていた姉が

入院することになり、付き添いで2週間くらい

大阪からやってきてること。

 

 

姉が入院して面会はできないので、実家のことなどしながら毎晩近所のお店で飲んでること😁

 

 

姉は認知症とパーキンソン病を患っていること。

もう一人の弟と暮らしていたけれど弟は数年前に他界されたこと。

などなど。

 

 

ちょっと身につまされるお話でした。

80近い独身の一人暮らしのお姉さんのことは。

 

 

で、10年前まで大企業にお勤めだったことなども

お聞きして。

 

 

ふーんふーん。と

時々、ちゃんと聞かずに(おじさん酔ってるので)

適当に相槌打っていました。

酔っ払いが隣の人に話しかける気持ちもわかるので。

 

 

すると「ご馳走するから次何か飲んだら」と

おっしゃてくださって

次の飲み物と、食べ物を私が好きなものを頼んでくださいました。笑

 

酔っ払いあるある。

 

 

70歳だそうで

私があと12年経ったら

このおじさんの年齢になるんだなと思ったら

ちょっと「ぞっと」しました。

だってたった12年ですっかり老人になるのですから。

 

でもそのおじさん、清潔感があって、身なりもよくて

話も明るくて面白いしで、嫌な感じは全くなかったんですよね。

ただ、東京にいる間は一人なので話相手が欲しいな〜みたいな感じ。

だから「老人」というと失礼なのですが

「おにいさん」ではなかったんです。

おじさんだけど、おじいさんの始まり。くらい。

 

 

私はたったあと12年でおばあさんの始まりに立つんだな。

 

 

その時、あんなふうに

偶然隣の席に座った人に

話しかけて

最後ご馳走するかしら。

 

 

いや、お金に余裕があったら

絶対しそうだな笑

 

 

あのおじさんは私。

 

最後、ご馳走になり

当たり前ですが

連絡先も交換しないでお店を出ました。

そのおじさんはニックネームだけ伝えてくれて

お互いに

「またここで偶然会うかもね」

なんて言いながら。

 

 

桜が咲く1週間前のことでした。

 

 

おじさん、まだ東京にいるかしら

 

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