私も野良猫みたいなところがある。
私も実家にいる時に早く家を出たかった。
一人暮らしができるとは思えなかったので、さっと結婚して出たかった。
だから、結婚できるとなった時はうれしくて仕方がなかった。
それくらい、家が嫌だったのだ。
厳しい母。
きちんとしていて几帳面で怖い。
私は理想的な家庭を作りたいと思っていた。
池内淳子みたいな京塚昌子みたいな優しい優しいお母さんがいいな。
そう思っていた。
帰宅して、二階の自分の部屋に上がる時に足音がうるさいと注意される。
洗面所に髪の毛を落としたままにすると毎回叱られる。
ガムテープを持ってこられる。
今、私が、眠る時の音にうるさいし、静かでないと眠れない。
髪の毛を乾かした後は必ず床をチェックする。
洗面所にはガムテープを置いている。
あの時、口うるさく厳しかった母は私なのだ。
私の一部だったのだ。
おかげで私は一人暮らしでもそれなりに家を片付けていられるし
整理整頓もまあ得意。きちんとしている。
自由になりたかった。
厳しい親にうるさいこと言われたくなかった。
それは今叶っている。
お嫁に行ってから母は全く私に口出ししない。
私は家出もしていないし、行方も明らかだけれど
きっと母はいつも心配していたに違いない。野良猫みたいな私だから。
そんな私も、よよこの下記の話を聞いて
息子さんが気になるし心配になった。他人なのに。
大きなお世話なのに。
母親であるよよこならその心配はどれだけのものだったろう。
コットンクラブでさらっと
「うちの三男は絶賛行方不明中なの」
その言葉を言えるってどれだけの葛藤があっただろう。
子供を信じてあげるってそんなに大きな親の愛があるだろうか。
私も信じてもらってるなー。
それを聞いた後の
誰の人生も素晴らしい。
大人になるってせつなくて甘酸っぱい。
悲しくてうれしい。
思い通りにいかないこともある。
それが人生だ。
いつか何事もなかったかのように「ただいま」と帰ってきたらいいなあ。大きなお世話だけど。
私、野良猫だから君のこと少しわかるよ。いつか会いたいなあ。
そして君のお母さんはカッコいいよ。