「昭和幻燈館」 久世光彦 | お稲荷さん一個

お稲荷さん一個

と 言ったところで あれやこれや
思うにそんなこんなで、やっぱり きっと何となく。
だけれども、もしかしたら、あれかなって事でも無くて、それなりみたいでした。

かつて数々の話題のドラマの演出を手掛けた筆者。
もう亡くなって随分経ちますが、彼の幼少期からの美学とも言える様々を振り返るエッセイです。

戦前の軍人の家庭に生まれ育ち、厳格な暮らしを過ごしたのかな?と、思いきや そんなでも無く、趣味人で洒脱だった父上。
疎開先で小説の挿絵に胸ときめかした幼少期。
戦後の青年期は外国映画、宝塚歌劇、歌舞伎に歌曲に文学作品への 様々なこだわり。
政治や経済の話は全く無いし、実用的な知識や前向きの言葉もない、彼の夢物語りの数々でございます。


元の本は1987年刊行。すでにこの時代で、テレビドラマ等がコンプライアンスゆえに、制限され堅苦しさを憂いて居る筆者でした。