若かりし頃は『自分の価値(強み)って何やねん』『そんなん、何にも無いわ』って思い悩む事もありました。
バンドとバイトばかりしていて大学も2年留年。

時代はバブル。
バイト先のオーナーが『ハワイに服を仕入れに行くけど、お前、一緒に行くか』『結構、利益出るから、1人分の旅費くらい、どうにでもなるから』って誘われて、『それもエエな』『気に入ってもらって、本業にしようかな』と思ったり。

あとは、大学内の『青年海外協力隊』掲示板を見て『南米へ渡って、期間終了後は、そのまま南米に居ったろうかな』『で、金でも掘り当てたら、日本に帰ってくるとか』考えたり。

社会人の皆さんは景気が良い。社会全体も。
でも、自分は学生で何も出来ず、何も持っていない。

今思うと懐かしいですね。あの宙ぶらりんな気持ち。
ボーっとしていると、胃がキューっとなって、背中がゾワゾワっとするカンジ。

54歳になった今の自分なら分かります。

『自分の価値』って、誰にも出来ない特別な事をやるのではなく、
『誰にでも出来るけど、誰よりも一所懸命に取り組める分野を持つ事』によって生まれる。

会社でも同じですよね。
『価値(強み)』って、例えば『アイサツ№1』とか『ご依頼いただいてから見積もり提出までは24時間以内』とか『現場仕事の翌日には「いかがですか?」とお客様に連絡。あわせて、気づいた異常や今後の改修必要箇所をお伝えする』とか。

どれも、特別な能力がなくても、誰にでも出来る事。
それを『誰にも出来ないくらい、一所懸命に取り組んで、続けていく事』

それが、お客様から見てのか『価値(強み)』になる。

『価値』って、今、出来ること、やっている事の中にある。
もう、備わっているんですよね。
それに気づいていないのは、自分だけ。

人との対話、お客様との対話を通じて、再発見。
人間は社会的な動物ですので、こういったコミュニケーションを通して、自分自身を知るんでしょうね。

私にとって、前回書いた『Win×Win』より、しっくりくるのは『お互い様』ですね。
何か、教えて欲しいこと、協力してほしいこと、そういう事があれば、お約束して会いに行きます。

で、コチラの用件が終わったら『何か、今困っている事ないですか?』と質問。
そこで聞いた内容に、その場でアドバイス。
そのお相手が全く、未経験だったり、言葉で聞いてもイメージがわかない(出来る気がしない)内容だった場合には『おそらく2~3時間あれば、出来ると思うので、一緒にやりましょうか』『普段、こういう事を仕事としてやっているんですが、この件は、わざわざ時間をとっていただいた事への私からの御礼なので、モチロン無料で』としています。

 

今、社外取締役や顧問として経営に関わっている会社のお客様へ営業として訪問する際にも、『今、〇〇に力を入れております』『端的に申し上げると〇〇の仕事くださいという事ですね』とコチラのお願いを、まずシンプルにお伝えします。

『じゃあ〇〇とかも出来る?』と聞かれた場合に『それなら、〇〇より△△した方が良いんじゃないですか』とお客様目線で役に立ちそうな情報提供すると、コチラがお願いに伺ったのに『ありがとう』と感謝されたり、翌日に別件で仕事の依頼がメールで入ったりしています。

まず『お願い』、その後『御礼(お返し)』パターンです。
『下心があって来ました』『けど、それだけでは帰りませんよ』『何ぞ、お役に立って帰りますんで』スタイル。

そうすると、お客様とアポイントもとりやすくなり、目的も冒頭でスグ、場合によっては電話で伝えてありますので、面談時間も短く済みます。

これが私の『お互い様』。

『お互いHappyになれるようWin×Winでいきましょう』


そう言われると、私には、こう聞こえます。


『私がトクだったらそれで良いんですけど、アナタが損してるように思わないよう、見た目の体裁は整えときますね』


『お互い儲けて良くなっていきましょう』


そう言われると、私には、こう聞こえます。


『私が儲かるように設計しましたので、アナタはそれを支えて下さいね』


元々『お互いに・・・』なんて思っている時点で、自分の損得優先ですね。

『Win×Winの姿勢でいつもやっているのに、損ばっかりや』という場合、それは自分が『自分の得』しか考えていないからそうなるんです。


『たとえ自分が損しても、相手(お客様)の為に、一丁、やったるか』と損得抜きで、全力投球しているうちに同じような思いで人に接する人と出会った時『Win×Win』になるんです。


世間では、こう言うと『その自己犠牲の精神は立派やけど、それでは商売にならんで。それはボランティアや』っていう人が多数派でしょう。


昔の近江商人は

『損して得とれ』とか

『先義後利』とか言い続けて、最終的に

『三方よし』として『売り手よし、買い手よし、世間よし』を創り上げてこられたんです。


私も共感しますね。

50歳を超えて、ようやく。


もし、相手(お客様)と上手く関係が築けず、悶々としているなら、一度、心から相手の為に!!でやってみてください。

意外に人の思いや心は伝わるものです。


自分から始まり、相手に伝わり、最後、また戻ってくる


これが『Win×Win』の本質でしょうね。