3月、8月に開催し好評を博した『救急×緩和ケアセミナー』の第3回を今年11月23日、飯塚病院で開催します。
今回のテーマは「高齢者の救急を考える」です。
救急医、精神科医、総合内科医、看護師がそれぞれの立場から高齢者の急性期医療と緩和ケアについて講演します。
今回は高齢者救急搬送について
① なぜそれが起こってしまうのか
② 実際に運ばれた場合の倫理的な葛藤
の2点から考えていきたいと思います。
① について今回は特別ゲストスピーカーとして産業医科大学 救急医学教授 真弓俊彦先生をお招きし、高齢者救急搬送の実態と課題について、広い視野から語っていただきます。
② については実際に高齢者急性期医療に関わる多職種が、フロアを巻き込んで症例を通じ何が現場で問題となっているのか、どうしたらより良い治療、ケアができるのかを議論します。
これからの医療に必要な、高齢者医療を考える上で学びになるような企画を用意し
てますので、こぞってご参加下さい!
第3回救急×緩和ケアセミナー
■開催概要
(対象)
医学生・初期~後期研修医
6年目以上は空きがあれば参加可能です
定員:50名程度
(参加費)
医学生無料 医師1000円
(場所)
飯塚病院 エネルギー棟6階
(日時)
日時:2018年11月23日(祝)13時半開場 14時開始 18時10分終了予定
申し込み:https://goo.gl/forms/8o6RpfT4u4tIgEWx2
タイムテーブル:
14:00~14:05 挨拶 済生会福岡総合病院 総合診療部 友田義崇 先生
14:05~14:55 産業医科大学病院 救急医学教授 真弓俊彦 先生
高齢者救急の現状と今後について
14:55~15:05 休憩&部屋移動(選択制)
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A |
B |
15:05~15:35 |
小竹町立病院 山口健也 |
済生会福岡総合病院 友田義崇 リアル!COPD緩和ケア |
15:45~16:15 |
東京ベイ・浦安市川医療センタ― 救急集中治療科 石上雄一郎 心停止蘇生後へのCureとCare ~EvidenceとExperienceに基づいて~ |
飯塚病院 総合診療科 小杉俊介 治療中断をいつ決めるか? ~病棟総合内科医編~ |
16:25~16:55 |
九州医療センター 精神科 中澤太郎 精神疾患患者の終末期
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飯塚病院 緩和ケア科 大森崇史 今さら聞けない心不全 2018 ~急性期から緩和ケアまで~
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17:05~18:05
倫理だよ全員集合! 救急外来における緩和ケア
~急変時の家族対応を考える~
症例提示:飯塚病院 救急部 松元宗一郎
司会:飯塚病院 看護部 緩和ケア認定看護師 宮崎万友子
コメンテーター;飯塚病院 看護部 救急認定看護師 吉川英里
緩和ケア科 柏木秀行
総合診療科 吉野俊平
18:05~閉会挨拶
18:30~懇親会予定
内容紹介
① 産業医科大学病院 救急医学教授 真弓俊彦 先生
高齢者救急の現状と、未来について
未曾有の速度で進む高齢化社会において、当然救急搬送される患者は高齢化が進んでいる。その中には、本来侵襲的な処置を受けることを、本質的には望んでいなかった患者、家族も多いことを急性期に携わる医療者は実感しているであろう。
現在の救急の現場で何が起こっているのか、それは何が原因であり、どのような光景になるべきであるか、救急の最前線に居続けた真弓先生よりご教授頂く。
② 小竹町立病院 山口健也
認知症終末期/老衰の考え方
認知症や老衰で亡くなる、ということはどういうことであろうか?
また、その特有の難しさは何であろうか?
自治医大卒、地域医療と緩和ケアを学び、現在は地域で非がん患者の看取りに多く携わる医師より、認知症終末期/老衰の臨床的特徴やケアの考え方について伝える。
明日から使いたくなるワザを1つでも多く持ち帰ってもらいたい。
③ 済生会福岡総合病院 友田義崇
リアル!COPD緩和ケア
急性増悪を繰り返し、完治することのないまま死に至る疾患、COPDはまさに緩和ケアの適応疾患である。しかし、急性期治療こそが症状緩和であり、急性期治療と緩和ケアの境目が難しいことも事実である。
呼吸器内科出身の総合内科医より、COPDの最新の知見に加え、急性期から緩和ケアまで俯瞰した治療戦略をお伝えする。
④ 東京ベイ浦安市川医療センタ― 救急集中治療科 石上雄一郎
心停止蘇生後のCureとCare ~EvidenceとExperienceに基づいて~
近年、自己心拍再開後のケアについて新たな知見が続々と発表されている。
本セッションでは、医師が知っておくべき自己心拍再開後のケアに関する医学的知識をJRC/AHA/ERCのガイドラインから簡潔に解説する。また予後不良と判断された患者及び家族との対話をどのように行うべきかについても紹介する。
⑤ 飯塚病院 総合診療科 小杉俊介
治療中断はいつ決めるか?~病棟総合内科医編~
どのような時に「治療中止(差し控え)」を検討するだろうか。医療を行っている中で、治療の差し控えや治療中止という選択肢を選ぶのは容易ではなく、最も慎重な判断が必要となる場面である。
本セッションでは、総合内科(病院総合医)的視点から、どのようなケースでどのように「治療中止」や「治療の差し控え」などを検討し、どのように意思決定を支援していくかを共有したい。
⑥ 九州医療センター 精神科 中澤太郎
精神疾患患者の終末期
現在何らかの精神疾患を抱える患者は約400万人にものぼり、また65歳以上の患者数は平成11年の約55万人から平成26年には約150万人へと急速に増加している。精神疾患患者への終末期医療の需要も今後ますます増加することが予想されるが、その対応には精神科、身体科の相互理解が欠かせない。本セッションでは内科医が知っておくべき精神疾患患者の終末期像について議論を行う。
⑦ 飯塚病院 緩和ケア科 大森崇史
今さら聞けない心不全 2018~急性期から緩和ケアまで~
2030年に心不全患者は130 万人に達すると推計されており、それと同時に心不全の緩和医療・終末期医療のニーズも高まっている。今年になり診療報酬改定にて心不全への緩和ケアが適応となった。しかし、安易に慢性心不全に対し治療撤退を選択してはならず、常に治療による可逆性は議論されるべきである。
本セッションでは循環器医を経て緩和ケア医となった大森医師より、最低限知っておくべき心不全の治療、全体像を復習した上で、心不全緩和ケアの入り口までを解説する。
⑧ 倫理だよ全員集合! 救急外来における緩和ケア
~急変時の家族対応を考える~
症例提示:飯塚病院 救急部 松元宗一郎
司会:飯塚病院 看護部 緩和ケア認定看護師 宮崎万友子
コメンテーター;飯塚病院 看護部 救急認定看護師 吉川英里
緩和ケア科 柏木秀行
総合診療科 吉野俊平
救急外来でのコミュニケーションは難易度が高く、特にCPAでの搬送例は、医学的な状況の整理及び怒り、悲しみ、混乱などの感情の渦巻く家族とのコミュニケーションを同時並行に行わなければならない。
本セッションでは、そのような症例を提示し、・医学的な状況の整理、治療の効果 ・倫理的な問題 ・共感的パターナリズム などの要因に分解し、よりよい医療を参加者皆で考える場としたい。