こんにちは。卒業生Tです。

 

さて、最近の近況ですが、今度の7月に血液専門医試験があるので、それに向けてぼちぼち勉強せんとなあ、と血液っぽい本を読み始めました。

 

入院診療を中心にやっていると、良性疾患はあんまりみないので、まずはその辺から強化かなあ、と思ってます。

 

というわけで、良性疾患の勉強してるときに見つけた話です。皆さん、「ピロリ菌が鉄欠乏性貧血の原因になるかもしれない!?」て言われてる話ってご存知でした?

 

なんか鉄補充してもいまいち改善しない、もしくは鉄補充やめるとまた悪くなる鉄欠乏性貧血の中には、ピロリが関係するものがあるらしいです(胃潰瘍で出血してるとかそんなのではなく)。

 

私知らなくてですね・・・いろんな説は出ているものの、まだ原因はよくわかってないそうです。

 

まだエビデンスレベルの高い大規模な検討はされてないようですが、メタアナリシスでは「やっぱピロリが鉄欠乏性貧血に関係するって正しいみたい・・・」てなってるようなので、教科書に載る日も近いかもしれません。

 

というわけで論文紹介です。

メタアナリシスってあんまり面白くないので、読んでて楽しいケースレポートをご紹介しましょう。

 

Severe anemia and Helycobacter Pylori infection in schoole age children; a case reports. 

Gheibi Sh. et al. Iran J ped hematol oncol. 2016;6(1):64-9.

 

4人の子供(男女二人ずつ、平均年齢13.6歳)が、平均Hb 6.2g/dLと結構ひどい貧血でやってきたよ、という報告です。

 

鉄欠乏性貧血だったので、鉄剤を投与したけれどもあまり改善がなく、胃カメラでピロリ菌による慢性胃炎があったので除菌をしたら貧血良くなったよー!ついでに体重も増えたよー!

 

とまあ、そんな感じの報告です (アバウト)。子供なので、体重も増えるようになったのは良かった!て感じでしたね。

 

以前K先生が書いてくださったように、治療抵抗性の鉄欠乏性貧血って、なんだかんだいろんな原因があります(一番大事なのは出血源が残ってないか!です)。

 

とはいえ、「出血もないし、鉄剤も飲めてるし、サラセミアでもないのになんでこんな鉄欠乏性貧血なんかなあ・・・」て困った場合に、ピロリかもしれない・・・萎縮性胃炎は特に気にしてなかったけど、ちょっと治療してみようかしら・・・?とか考えてみるのはありかもしれませんね。

 

以上、今日の論文紹介でした!