「生きてるだけで丸儲け」は明石家さんま氏の座右の銘で実母を3歳の時に亡くし、弟を19歳で亡くし、そこを乗り越え彼が至った境地がこの言葉に凝縮されてます。
とても素晴らしい言葉だと思いますが、私は介護の世界で様々な利用者を介護し、「生きてるだけで丸儲け」とはとても思えませんでした。
デイサービスに脳梗塞の後遺症で全介助の男性利用者が来られてましたが、私がその男性を介護してると、仲の良かった施設長が私の所に来て私の耳元で「自分だったら殺してほしい」と言われました、とても正直な言葉だと思いました。
認知症で訳が分からなくなって徘徊してる利用者を見て、生きてるだけで丸儲けではないか、とはとてもじゃないけど思えませんでした。
特養あたりの利用者の約半分は拷問である無理な食事介助をされ生かされてますが、高齢者は食べないから死ぬのではなく、死に時になったから食べないのであり、無理な食事介助を止めて、一刻も早く自然死させてあげるべきだと思ってました。
無理な食事介助で「完食」させるよう看護師が指示する訳ですが、看護学校は病院はどんな教育を看護師にして来たのか疑問に思いましたが、「患者は生きてるだけで丸儲け」だと教育されて来たのなら合点がいきます。
「延命治療は結構で尊厳死を望みます」と言う方は多い訳ですが、その前に実は延命介護がある訳で、無理な食事介助ほど人間の尊厳を無視してるものはない訳です。
食べたくなければ食べなければ、穏やかに自然死できますので、「延命介護、延命治療は望みません」と言われるのが正解です。
無理な食事介助を特養でしないのなら利用者は半分になり、待機なしで施設介護が必要な人に入居して頂けるのです。
介護の世界にいると「生きてるだけで丸儲け」だと思えない事案に多々遭遇する訳で、「知りすぎたのね」という歌がありましたが、知りすぎるのも老後が怖くなるものです。