「生きてるだけで丸儲け」の言葉を聞かれたことはあるでしょうか? 明石家さんまさんの座右の銘として有名で、娘の「いまる」はこの言葉から命名されました。

 

さんまさんは実母を3歳の時に亡くし、弟さんは19歳で亡くなり、1985年日本航空墜落事故機にさんまさんも乗る予定だったのをキャンセルし、一つ前の飛行機に搭乗し偶然にも命が助かったそうです。

 

私はこの言葉は、さんまさんにとっては様々は背景があると思うし、命があることの素晴らしさには共感します。

 

しかし、この言葉は高齢者、特に介護施設の利用者の多くには通用しない言葉です。

 

私が特養在職中に利用者と話した中では、特養の利用者の多くは「早く逝きたい」と思っていて、家から追い出された介護施設とはそういう気持ちになる所なのです。

 

利用者の約2/3はもうすでに死に時で「食事を食べたくない」と言っていても、「無理やりの食事介助」をされ、生かされているだけなのです。

 

「生きているだけ」と言いいますが「生きるだけのこと」に介護施設のどれだけの人が苦悩しているのか、ですから「生きているだけで丸儲け」だとは思えないのです。

 

高齢者は食べないから死ぬのでなく、死に時になったから食べなくなり、特養の2/3の利用者がそうで、外国では虐待となり罪に問われる無理な食事介助を、日本でも止めると1週間ぐらいに穏やかに亡くなられます、これは安楽死ではなく自然死です。

 

無理な食事介助を止め、特養の利用者を今の1/3にして、在宅介護支援の施設にすれば、施設は今以上の需要があり、在宅介護する人も増え、従業員の給料も上がり、本当に施設介護が必要な要介護者は待機期間がなく即特養に入所できます。

 

特養の利用者は「生きてるだけで丸儲け」などと思っている人は殆どいなく「死にたいけど、死なせてもらえない」と多くの利用者が思ってることは知って下さい。