「人生に必要なのは、勇気と、想像力と、そして、少しばかりのお金だ」、これは喜劇王チャップリンが、映画の中で生きる希望を失った少女を励ます有名な台詞です。
私が利用者をお世話させて頂き、「幸せな人だ」と感じた人の殆どがお金に執着しない人生を歩んだ方で、残念ながらお金持ちは一人もいませんでした。
漫才師の西川きよし氏は昔「幸せはお金で買える」と言われました、お金がなくヘレンさんと喧嘩ばかりして、お金が出来たら喧嘩をしなくなったからだそうです。
私が父の在宅介護をしてる最中、西川ヘレンさんが実母、義父母の在宅介護をされた体験談『大家族・ささえ愛・見守り愛・励まし愛』の講演を拝聴させて頂きました。
ヘレンさんご自身も多重介護から、重症の更年期障害で倒れ、度重なる救急車出動、夫婦で話し合っても深刻な破綻に陥るばかりだったそうです。
西川氏ほどの方なら、3人とも高級有料老人ホームに入居させるのは十分可能であるのに、在宅介護を選択されたのは、「幸せはお金で買えない」との考えが根底にあったのでしょう。
ヘレンさんは介護に疲れ果て、自殺を決意して家出したこともあったそうです。
しかし、そこには、恩ある人に心尽くしのお世話を果たし、愛する人の最期を家族で看取ることの尊さに対する揺るぎない信念があり、素晴らしい講演でした。
今「幸せはお金で買えない」を一番実感されているのは西川氏ではないでしょうか。
お金持ちの多くは、お金に物を言わせて高級有料老人ホーム等に入居します。
ほぼ全員の方が後悔され、「自宅に帰りたい」と涙を流されます、お金があるがゆえに老人ホームに入所させられてしまうんです。
お金と幸せは正比例しません、高齢者に関しては時としてお金と幸せは半比例します。
介護に必要なのは、訪問介護と、訪問看護と、訪問医療と、少しばかりのお金で、99.8%の高齢者が自宅で暮らせ、自宅で安らかに人生を終えることができます。
