霊界からの訪問者(その5) | 光の世界からのギフト

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          (台風が近づいた空です。)

島に台風が来るとテレビが告げています。私の子供の頃は、年寄りが海と空の様子から台風が来ると教えてくれました。

家族は総出でその対策をします。家中の雨戸を閉めて、さらに雨戸を飛ばされないように雨戸の外側を長い板と釘で留める作業を男の人達はするのです。飛ばされないようにいろいろなものを家の中に取り込むのは女、子供の役目です。戦後の島の住居は木造の平屋で屋根はトタンです。島民は知恵を使い台風対策をしていました。そのために被害は畑だけだったと思います。

現在は、家は頑丈に建てられ、テレビで台風の進路が報道されると。島の人達はすぐに生活用品を買い求めて、冷蔵庫や冷凍庫に保存します。

そのことを知らない私は、台風が来る2日前にスーパーに行くと。あちこちの棚に品物が無いので、驚きました。台風がくると、船や飛行機が1週間ぐらい欠航になるそうです。

でも、今回は台風が直撃ではなかったので、停電もなく船も4日後に来て、私も食料が尽きることなく無事に過ごせたのです。

 

霊界からの訪問者は次々と訪れてきますが、血縁関係はなくても、生前に親しくしていた友人も来てくれます。Sさんです。

Sさんは私が島から東京の中学へ入学して、最初に声をかけてくれたのです。

静かな文学少女という感じの色白で、すらりと背の高い、澄んだ瞳の、都会の中学生という感じでした。隣の席と言うだけなのに、友達がいなくて心細そうにしている私に、声をかけてくれたのだと思います。それから生涯の友になりました。

高校も同じ高校でSさんとは大学は別ですが、結婚後も付き合いは続きました。仕事を続けながら子育てで忙しくて、電話や手紙だけでも、付き合いは続きました。

         (海岸の近くで出会った花達)

 

やっと子育てが一段落して、時々会ってお茶する余裕が出来た50代後半に彼女は脳梗塞で倒れたのです。

薬剤師の彼女は、原因を訪ねる私に「実は不眠症で、自分では気をつけて飲んでいた睡眠薬の飲みすぎで血管がダメになっていたの。」と告げました。その時は直ぐに回復して、また働いていました。

でも、60代でまた倒れて、今度は働くことはできなくて、自宅で介護の生活になりました。私が尋ねると喜んで、楽しそうにおしゃべりをするので、家族は驚いていました。そして、数年後に彼女が危篤という知らせがあり、「多分もうお話はできないと思います。」と家族が言うけれど、病室に会いにいきました。

体中に管が入れられた痩せた体でしたが、顔は色白のままで静かに目を閉じていました。長いまつげは中学生の時のままでした。枕元に彼女がお気に入りだという高校の修学旅行の時に写した私と彼女の写真が置かれていました。意識がないという彼女の手を取り、目をつぶって、心で語りかけました。

しばらくすると、手に少しエネルギーが伝わってきたのです。弱いけれどにぎり返してくれたのです。

彼女は少しだけ目を開けようと動かし、一筋の涙がこぼれましたが、笑顔のようでした。私には、最後に会えたことを喜んでいるように思えたのです。会いに行って良かったと思います。数日後にSさんは旅立ちます。

その半年後にアイイスのフェスティバルの際に、Sさんは会場に現れたのです。彼女は中学生の時から短かい髪形でした。ミディアムの方に「髪は短くて顎の横ぐらい」と言われてすぐにSさんだと思いました。

彼女はあちらの世界にいってから半年後には私に会いに来てくれたのです。Sさんとは前世からの深い縁を感じていた友でした。

 

 

        (荒々しい海も力をもらえるので好きです。)