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IIMA公式ブログ

一般財団法人IMS国際医療支援機構

IIMAは、ミャンマーにおいて、日本語人材を育成しその就職を斡旋することで、ミャンマーの雇用機会を拡大し、将来IIMAがミャンマーで行う医療支援プロジェクトにも関わっていただければと考え、日本語人材養成・紹介プロジェクト実施しています。

当プロジェクトは、国書日本語学校ミャンマー校であるKQ外国語教育センター(ネイミョウゾー校長)に日本語教育の委託を行っています。今後はミャンマーに所在する日本企業に卒業生の人材紹介を行っていく予定です。

K&Q外国語センターの既存の学生と明確に区別するために、当プロジェクトの授業を行うための教室を新たに契約し、専属のスタッフを配置し準備を整え、平成274月下旬に学生候補者の面接を行いました。9名の学生を採用し、平成275月から授業を開始しました。

平成289月には卒業生2名が日系企業に就職することが初めて内定することができました。今後も更に日本語人材を育成し、日本とミャンマーの医療にかかわる仕事に就いていただければと考えています。







X病院の処置室 マンダレー王宮の濠 X病院のCT

IIMAでは、以前日本に来たミャンマーの方達からお誘いを頂いたこともあり、去る7月30日から8月2日にかけて現地状況の調査のためミャンマー視察へ行って参りました。
最初に訪れたのはマンダレーという都市で、ここは昔ミャンマー最後の王朝の都だったところであり、現在でも王宮の大きな濠が残っています。ミャンマー北部の中心となる町なのですが、ヤンゴンに比べ医療施設は圧倒的に少ないそうです。我々は、この町で最も良い部類に属する私立X病院を見学しました。当病院は2004年に開業し、120床のベッド、CT、MRI、ESWL、救急車等を備えて、外国人の方も結構利用しているとのことです。1年半前にミャンマーを訪れた時は、廊下にまで人が溢れている国立病院しか見学していなかったため、それがミャンマーの病院というものだという理解でしたが、私立病院はそれよりもはるかに環境がいいことがよく分かりました。
また、この病院で分かったことですが、ミャンマーでは患者一人に対し何人か付添が来るということです。病院からは付いてくるなとも言えないので、家族何人かで個室に泊まることはよくあるとの話でした。特に亡くなる前の10分間が大切で、そこでお祈りができなければ来世が変わってしまうと信じられているそうです。CTの部屋にも神棚のようなものを祭ってあるのを見てもそうですが、仏教大国の片鱗を垣間見たような気がいたしました。
 次に、数年前まで首都であったミャンマー最大の都市のヤンゴンに移動し、もう一つの私立病院であるY病院を見学しました。こちらも100床程度を有し、最新の医療機器を備え、外国人専用のクリニックも併設していました。当日は病室が満室で内部の詳細を見ることができませんでしたが、揃いの服を着たスタッフがいたり、レストランが併設されていたり、患者満足度を高めようと努力していることは窺がえました。しかし、手術の内容を尋ねると整形と出産は自力でやっているのですが、その他として、時々マレーシアから耳鼻科のドクターが来てその時に集中して手術をしてもらうということで、技術レベルはどの程度なのかよく分かりませんでした。ただ、経営的には順調なようで、近いうちに増床もしようという計画もあるとのことでした。ミャンマーの中で最先端を行き、患者に溢れているこの病院の見学は大いに参考になりました。
 今回の視察を通じて、ミャンマーの私立病院が想像以上に設備を整えていることが分かりましたし、ミャンマー独自の習慣なども知ることができました。今後もこうした現地調査を重ねて情報を収集し、得られた知識を活かしてIIMAの支援プロジェクトを展開していきたいと思います。

9月9日から11日までの三日間、エチオピアの病院経営者ティベブ氏の一行が来日し、IMSアカデミー短期研修コースに参加されました。これは、病院の運営で困難に直面している途上国の医療関係者に、日本で運営手法の教育をする「IMSアカデミー」を初めて試行的に行うものでした。


研修はイムス三芳総合病院の訪問からスタートし、研修の狙いと病院概要の説明を受けてから、総合受付、手術室、検査室、リハビリ室、病室等を順に見て回りました。受付の方法に色々質問されたり、施設内の清潔さに感心しているようでした。


昼食後場所を移してから、第一回目のディスカッションを行いました。ここでは、IMSグループがどのように多数の施設を統括しているか渡辺IIMA代表理事からの説明の後、ティベブ氏が運営してきた病院の実態についてヒアリングを行い、基本的な情報の共有を図りました。


二日目は、患者の視点からフローを見てもらうため、ティベブ氏に人間ドック(池袋ロイヤルクリニック)を受診してもらいまし。番号でお客様が次から次へ流れるように検査室に入っていく様をみて、「Good!」と称賛していました。この後、人間ドックについての説明、受診結果の説明を聞いてから、脳ドック・リラクゼーションルーム等の見学を行いました。そして、病院のシステムの説明の後、エチオピアにおける医療の実情を確認しながら、ディスカッションを進めました。


最終日三日目の午前中は板橋中央総合病院の見学を行いました。院長とエチオピア一行との挨拶の交換、病院側の概要説明の後、ティベブ氏に昨日の健診の結果に基づいて診察を受けてもらいました。単なる見学ではなく、患者になって病院を見てもらえたので、病院の流れについてよく理解して頂けたと思います。診察が一通り済んでから、病院のシステムの様子、すなわち、電子カルテが院内で共有されている様子や、アンプルピッカー等自動化・効率化されている様子を見学しました。


午後は、中村IMSグループ理事長、渡辺IIMA代表理事とエチオピアの一行とで「友好の証」の調印を行いました。これは、お互いの交流を深めることができた記念と、将来の協力関係を願ってのものです。調印後の懇談の中で、ティベブ氏は、「今回こうした素晴らしい機会を頂いたことに心から感謝申し上げたい」と発言されました。


そして、三日間の研修を踏まえた上で、エチオピアで建設中の病院をどのように運営していくか具体的な議論を行いました。エチオピア一行から、建設予定の病院の具体的な数値計画について説明が行われ、そのプランの検証などを行いました。この日のディスカッションはこの短期研修の内容を総括するものでしたが、これまで全くイメージのつかなかったエチオピアでの病院運営について基本的認識を共有することができました。
 

こうして三日間の短期研修を無事終えて、エチオピアの状況がよく理解できたうえ、何よりも共にやっていけそうだと実感できた意義は大きいものでした。ただ、この研修はあくまで本格的なIMSアカデミーの出発点であり、これからその中味を作っていかなければなりません。大変難しいプロジェクトだとは思いますが、エチオピアの医療のために、このプロジェクトが成功できるよう、引き続き努力していきたいと思います。


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7月28日間から5日間にわたり、ミャンマー国ヤンゴン看護大学の副校長以下4名が来日し、IMSグループの板橋中央看護専門学校・イムス横浜国際看護専門学校との交流を行い、板橋中央総合病院、横浜旭中央総合病院、イムス板橋リハビリテーション病院、イムス板橋健診クリニックそれぞれの視察を行いました。


板橋・横浜の看護専門学校では、看護教育全般や緩和ケアについての説明を聞いたり、学生たちの国際交流事業の発表会を聞いたり、家庭生活を再現した部屋や赤ちゃんのモデル、病室をイメージした実習室を見学しました。

一行は、脈や呼吸を測れるロボットや、衛生的な赤ちゃんの沐浴設備等を興味深げに触れたり眺めたりしていました。意見交換も行われ、看護大からは、「研究科目はあるのか」、「留学生はいるのか」、「学生何人に一人指導者がつくのか」など、様々な質問がなされました。


板橋中央総合病院横浜旭中央総合病院では、日本の総合病院がどのようなものか分かるよう全般的な施設の見学を行いました。ナースステーション、ER 、ICU、放射線治療施設、産婦人科等を見て回りました。意見交換のところでは、「病院が大きくきれいで、視察は勉強になった」、「日本の技術が優れ、皆さんが忙しいのがよく分かった」という感想が述べられ、大まかなイメージは掴めてもらえたようでした。


総合病院の他の形態の病院も見て頂くために、イムス板橋リハビリテーション病院イムス板橋健診クリニックという病院も視察しました。リハビリテーション病院では、偶然入院しているミャンマー人の患者さんを見舞いましたが、この時奇跡的なことが起きました。この患者さんはこれまでずっと寝てばかりだったのに、看護大一行と話をして号泣した後、自分で起き上がって座る姿勢をとったことです。これには日頃から看護しているスタッフの方達は一様に驚いていました。健診クリニックでは、ミャンマーに予防医学という考えがあまりないため初めはできなかったものの、健診車等を視察していく間に理解が深まっていく感じでした。


この交流事業の間、ヤンゴン看護大と板橋中央看護専門学校・イムス横浜国際看護専門学校との間で「友好の証」への署名も行われました。これは、日本とミャンマーの両看護学校がこのようにして交流を深めることができたことを記念し、将来のさらなる発展のため友好・協力関係を深めることを目指すためのものです。


今回の事業を通じて、日本・ミャンマー両国の看護施設同士が友好関係を築き、お互いの共通点・相違点を認識し学び合うことができたのは、大変有意義なものでした。また、ヤンゴン看護大学の皆さん、日本で体験したことを活かして、ミャンマーの医療環境の改善で活躍して頂けるのであれば嬉しい限りです。



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