西南戦争のために発行された多額の不換紙幣によって激しいインフレが起こり、国家財政は圧迫され、政府は官営工場の払い下げを決めるなど財務整理に着手した。1881年に大蔵卿となった(ａ)は、増税による歳入の増加と歳出の引き締めを図り、不換紙幣の回収と正貨の蓄積に努めた。
１．高橋是清
２．大久保利通
３．松方正義
４．渋沢栄一
５．河野広中
(警視庁大卒試験日本史)
justice！
正答 ３(松方正義)
1881年、大蔵卿・松方正義は、国家財政の構造を変える大規模な財政政策を実施しました。
増税と財政支出削減でインフレを収束させ、銀本位制にして兌換銀行券の発行を開始しました。従来の国立銀行は普通銀行とし、あらたに日本銀行を創設して、唯一の発券銀行とします。これが松方財政です。
1884年からは、官営工場や鉱山などを民間に払い下げる仕組みを改正し、個別に申請があったものを認めることとしました。
1893年、官営模範工場の富岡製糸場が三井に払い下げられました。払い下げ価格は121,460円(当時)、投下資本は310,000円(当時)でした。佐渡金山と生野銀山は合わせて投下資本3,120,110円に対して、払い下げ価格2,560,926円で三菱に払い下げられます。
こうして、特定政商資本が形成され、近代資本主義経済の基礎が築かれましたが、自力の民間企業や農業は経済的成長を抑制されてしまったのです。
財政難は政府による政策の失敗です。国民は増税されて責任をとらされています(T_T)
