Hです。
コロナ禍ではありますが、感染対策を行ったうえでの学生実習が再開しています。新年度第1号の方が実習を終えられ、感想を寄せてくださいました。大変熱心に質問されていて当科にもよく馴染んでおられました(笑)。いつかまた門を叩いて頂けたらと思います。
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私は漢方については全くの無知でしたが、「いつかきちんと学びたい」「薬と同様に気軽に処方できれば」という思いは常に持っており、気になる存在ではありました。そのような中、訪れた2週間の実習機会。県外でホテル暮らしでしたが、迷わず選択しました。思い立ったらすぐに行動に移すことを、コロナ禍で学んだためです。
初日は海外留学に行ったかのような目紛しさでした。朝、漢方診療科に行くなりすぐに、『傷寒論』の抄読会が始まり、「太陽病」「桂麻3兄弟」などの未知の言葉が飛び交う中、いくら調べても話について行けず、焦りと不安を感じたのを憶えています。その後の外来でも同じような状況が続きましたが、独特の診察に不思議な感じがしていました。
2週間、外来やレクチャーを通じて総論を学び、雰囲気は掴めたかな、という感じです。想像以上に奥深く、追求しがいのある学問だと思いました。実際に何種類かの漢方のエキス剤を飲ませて頂き、その効能を身をもって知ることができました。電気温鍼まで体験させて頂き、自分は内臓が強く冷えているのだと知ることができました。予想通りではありましたが、今後は意識して生活しようと思います。自分の体で考えると忘れないので、より親近感を持つことができました。また、予定にはなかった和漢食を頂けたのは幸運でした。思ったよりもしっかり味がついていて、量の割にお腹にもたまり、大変満足できる食事でした。私は4年前に2日間、地元の病院に入院したことがあるのですが、その時の食事よりも低カロリーで美味しかったです。
実習を終えるとまた西洋医学に戻り、来年には国家試験です。漢方を真面目に勉強するのは、最短でも専門医を取得した後になるので、6年以上は先のことになります。そう考えると寂しいものですが、いつか必ず、自分は勉強するのだろうと思っています。その時に今回の実習のことを思い出せるよう、プリント類は思い出と一緒にファイリングしておこうと思います。
短い期間でしたが、貴重な体験をさせて頂き、また何より温かく接して頂き、本当にありがとうございました。