N先生研修日記 | 飯塚病院 漢方診療科のブログ

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Hです。

6月21日から25日まで研修にいらしていたN先生(先月のN先生とはまた別の先生です)に研修の感想をお寄せ頂きました。

 

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はじめまして。Nと申します。
普段は東京のとある漢方診療科に所属して専門医を目指している者ですが、両者の連携のシステムを利用して飯塚病院で1週間の研修を受けさせていただくことができました。
大変勉強になり、これからの診療に役立てていこうと思えることがたくさんありましたので、感謝の気持ちとともに研修の感想を述べさせていただきます。

研修は、朝のzoomを利用した抄読会から始まり、午前は外来の陪席、午後は病棟回診やカンファレンス、レクチャーがあり、夕方にも週2回は勉強会があり、盛りだくさんでまさに漢方漬けの毎日でした。
これまでも煎じ薬を用いた漢方治療を行ってはいたのですが、土地が違えば気候も違い、人も違い、薬の出し方が変わってきます。このような話は、ちょうど飯塚に来る数日前にあったWeb勉強会でのY先生のご講演でも「海の漢方、山の漢方」という話題があり、聞いてはいたのですが、実際の飯塚病院の診療場面を見させていただくことでより理解が深まったと思います。具体的には、飯塚の冬寒く夏暑く、そして川が近い、といった土地柄が処方に反映されており、さらに、ちょうど梅雨の時期でこれから夏に向かうという季節柄から、身体を温める生薬(附子や烏頭、乾姜)を減らし、余分な水をさばく生薬(沢潟、茯苓、朮など)を増やすなどの調整が行われていました。このように生薬を調整できるというのは煎じ薬ならではですし、画一的ではない漢方の奥深いところです。
また、大きな特徴として、飯塚病院では漢方診療科で入院治療も行っているという点があり、その様子を見学するのは初めての経験でした。入院治療を行う利点として、漢方治療だけでなく、食事や運動療法など生活指導を含めた複合的な治療をしっかり行うことができ、また、毎日の様子がわかるので漢方の効果もわかりやすく、日々の症状によって処方を変えることもできます。1週間の研修では病棟回診やカンファレンスでしかその様子を垣間見ることができなかったのが少し残念で、もう少し長くいることができれば、入院漢方治療の経験がもっとできたのではないかと思いました。

研修を通して、漢方治療に対する見方がさらに広がった気がしています。漢方にご興味がある先生方、ぜひ一度見学にいらっしゃることをおススメします!

最後になりましたが、短い期間でしたが、お忙しい中で熱心にご指導してくださった先生方、また、スタッフの皆様、本当にありがとうございました。