Gです。
いつの間にかもう10月です。
学生さんや研修医の先生などが短期間で元気よく学んで帰るのを見ると、
若い力に見とれてしまいます。
私は飯塚病院の漢方診療科に来て半年になるのですが、
どれだけ漢方のことが分かったのか分かりません。
理解や実践は別として、「漢方」に何だかとても馴染んだ実感はあります。
実は9月になって新聞記事(西日本新聞筑豊版)を担当しました。
記事を書くのは初めてで、反省点もありましたが良い勉強になりました。
また、外来担当も始まって、初診患者さん相手に悪戦苦闘しています。
外来中に悩むことは必至なので、紹介状や他科の記録を穴があくほど眺めて診察にあたります。それでも主訴しかわからないこともあり、予習が困難なこともあります。
今、予習に使っているのは以下のような本です。
通読するのはちょっと気力と体力が要りますが、必要に迫られてみるとかなり分かりやすく、必要なことがコンパクトに書いてあります。
外来には入院中外来と一般外来があって、入院中外来の初診では他科入院中の治療経過が思わしくない患者さんが紹介されます。
これが結構強敵で、漢方治療開始後に病状が好転する方もいて、これがまた面白いですね。入院患者さんの治療にあたれるのは当科の特徴ですね。
一般外来では、他院や他科での治療がうまくいかず、経過が長くて大変困っている患者さんが多い印象です。初診の予約をとる際に、うまく振り分けてあるのか、話しやすい患者さんの担当が多いようで助かります。
患者さんの話をよくよく聞くと、漢方的なキーワードが散りばめられていて面白いです。あとは的確な診断と方剤の選択をして、スッキリ治療できるのが理想ですが、そこまではもっと修練が必要ですね。
この季節にありがちなことだと思うのですが、台風接近で体調を崩すかたがちらほらいらっしゃるようです。
臨時受診の患者さんも多く、水毒で困っておられます。
味覚の秋となっていますが、水毒患者さんには果物は控えて欲しいものです。
私は芸術は苦手ですが、改変するのは好きなので二つほどつくってみました。
もう原典が何だかわからないほど変わっていますが。
<宮沢賢治風>
・雨に負ける
・風にも負ける
・雪にも夏の暑さにも調子を崩す
・体調は良かったり悪かったりといい
・それでも食欲はあり
・家族に対して怒る者もあり
・いつも静かに耐えしのぶ者もある
・一日に白米数合と
アイスクリームと和菓子とケーキを食べ
・あらゆることを
あれこれ勘定に入れながら
・よく分かったような分からないような
・そして忘れることもあり
・川やため池の近くの
風通しのよい少し寒い家にいて
・東に病気の孫あれば
迎えに行って看病してやり
・西に疲れた母あれば
行って食事の世話をし
・南に気分不良の人あれば
I病院に連れて行ってやり
・北に喧嘩や訴訟があれば
T部長の笑い話を聞かせて落ち着かせ
・日照りの時でも寒いといい
・台風前はおろおろ歩き
・みんなに「気持ちの問題だ」と言われ
・心配されもせず
・何かをいつも苦にしている
そういう人たちに
わたしは良く出会う気がする
<石川啄木風>
薬をもらえど
薬をもらえど猶わが体調楽にならざり
ぢっと手を見る
「どんなに病院に通っても、体調が良くならない。病院に通うだけではなく、養生しつつ、薬は忘れずきちんと飲みましょう」の意
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