陰陽は恋愛のごとく移り変わる。 | 飯塚病院 漢方診療科のブログ

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ある火曜の夕方、漢方診療科での勉強会の前、
皆が集合したけどまだ始まらないのんびりした時間


T原部長
「陰と陽についての講義でスライドを作るのだけど、上手く陽証~陰証への移り変わりを例える画像はないかな?」


陰と陽、これは漢方で非常に大事な概念で、
ごくごく簡単に言うと、


陽の病態(陽証):熱性、活動性、発揚性
陰の病態(陰証):寒性、非活動性、沈降性

という性質があります。

陽証はそれぞれ太陽病・少陽病・陽明病に、陰証は太陰病・少陰病・厥陰病に分けることができ、
つまり病気は陰陽で単純にわけると全部で6パターンあるのです。
(合病・併病という考えもありますがここではその話は置いておきます)



病気というものは発症してから徐々に病態が移り変わっていくもので、
最初は陽証の病態であっても、長く患ううちに陰証の病態へと移り変わっていきます。

 
とまあ、そのようなの移り変わりを視覚的に表現できる良い例えは無いかなあと、
皆で考えることになった訳です。



T原部長「つまり、始めは温かいから冷ましたほうが良いんだけど、時間が経つにつれて冷えてきて逆に温めなければいけなくなるものは、何だろう?」


まず挙がったのは「北風と太陽」という童話。
確かに、始めに北風が男性を寒がらせて、次に太陽が温めるという順序は合っている。

 



次に「おもち」
冷まして乾燥させて保存食にするけれど、食べるときには温めなければいけない。

 



「冷凍食品」
おもちと同じような理由。


「お風呂・温泉」
始めは熱くて少し冷まさなければ入れないが、そのうちぬるくなって加温が必要になる。


うーん、何となくは伝わるけれど、どれも今ひとつしっくり来ませんでした。




もうアイディアは出ないかと思われたとその時、
I上先生がおもむろに、

「恋愛・・・」

と言いました。

「始めは、アツアツだけれど、時間経過とともに冷めてきて、上手く継続するには温める必要が出てきますね。陰陽の移り変わりと同じですね」




深イイ・・・のか?



ここで議論は終了し、何だか心がザワザワしたまま、勉強会が始まりました
皆どこかうわの空のような、いつもより気だるい雰囲気の勉強会だったのは、気のせいではないでしょう。。



結局どの例えが採用されたのかは、わかりません