振り出し | 飯塚病院 漢方診療科のブログ

飯塚病院 漢方診療科のブログ

漢方診療科へようこそ♪


漢方診療科ではたまに、

朝の勉強会のあとに、漢方薬の試飲会をやっています

 


1番と2番、それぞれどんな漢方薬でしょう??

と、飲んでみて当てるんですが・・・

実はこの2つ、三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)という同じ漢方薬なんです



でも、1番と2番、見た目がまったく違うじゃないかって?

色の秘密は、煎じ方の違いなのです



以前、煎じ薬の飲み方というタイトルで書いたとおり、

通常の漢方煎じ薬は、40分間グツグツ煮て作ります。


そうやって作ったのが1番。

色の薄い2番は、「振り出し」という作り方をしています。


「振り出し」とは、まるでお茶のように、

茶こしかガーゼで包んで、熱湯につけて3分くらい揺するだけです。

そうすると、こんな風にきれいな黄色になります



三黄瀉心湯は、黄連、黄ごん、大黄の3つの生薬から成り、

のぼせが強くて便秘傾向の病態に対して使う薬です。

高血圧、頭痛、鼻血などに応用されますが、

熱性症状、出血症状が強かったり、症状が急性だったりする場合には、

振り出しで作り、冷やしてから飲んでもらいます。



こんな、変わった飲み方をする漢方薬もあるんです


体が熱を持っている、いわゆる陽証の方でも、

暑い夏の日でも、

これなら飲みやすいですね