以前から「家系図」についての考え方を投稿してきたところですが、
ここで、少し諸外国との系図ないし系譜についての考え方の違いを
紹介したいと思います。
まず、人は何時(時代)・何処(地域)を問わず、系図・系譜の類を
残してきた事実があります。西洋でも、東洋でもそうです。ただし、
日本の「家系図」には、他国にはない特徴がいくつかあります。
例えば、中国人や韓国人は、中国の族譜・朝鮮半島のチョッポも
「日本の系図といっしょだ!」と言い張ります。しかし、決定的な
違いもあるのです。
確かに、日本の「家系図」にも一族の系統(血系)を記した面は
あります。中国の族譜や朝鮮半島のチョッポはほぼこの一族地系
をしるした物の事を系図であると認識しているので、この性質は
日本の「家系図」にも確かにあるのです。
しかし、日本の「家系図」の場合、血系のみならず「家」の系統と
しての系図でもあるのです。
そればかりでなく中国の科挙の制度を導入した朝鮮半島・ベトナム
等と異なり、日本は職業を原則世襲とした事もあり、「家系図」が
その系統を証明する有力な物件となった歴史的事実が存在します。
従って、性質的類似面はあるものの中国の族譜・朝鮮半島のチョッポ
と日本の「家系図」は「いっしょ」ではないのです。
例えば、顕著にその例示として現れるのが武家についてです。武家
仕官しようとする場合、藩へ提出された「家系図」が現在の歴史史料館
等のたくさん残っています(火災等で紛失した場合以外)。それは武家
仕官しようとした人物が「当家は代々武門の家系である。」という事を
証明する為に提出されたものです。他の家系(公家等)についても、
状況こそ異なれ、ほぼ同様の状況を見て取る事ができます。
以上、述べてきたとおりですが、私は何も、中国や朝鮮半島等を卑しく
見ているわけではありません。歴史的事実等に照らし合わせて、異なる
ものは異なる部分があるという事を主張したいだけなのです。