最近の傾向として、国際結婚というものも珍しくないようになりました。私も、国際結婚という

のは、選択肢を多様化するものであり、良い傾向ではないかと思っております。しかし、日本

の出入国管理及び難民認定法は、大変厳格なものであり、世界的にも厳しめの法律ではな

いかと考えています。問題は、法律上のものだけではありません。慣習的にかもしれませんが

入国管理局の対応も、かなり国別で異なっていたり、手続的にも区別されたりといった運用面

でも問題があるのです。これから先、日本の少子高齢化が進むなか、外国人の受け入れは

必要不可欠ではないでしょうか。まして、国際結婚については、文化的問題もないわけではあ

りませんが(言語・宗教・食習慣を始め様々な慣習)、決して、これから先の日本にとって害悪

ではなく、むしろ正しい方向であると考えています。ただし、国際結婚をすると、日本国外にい

わゆる身内(親族)ができるわけであり、外国法と国内法の関係など、若干、複雑な法律関係

にならざるをえないのは否めません。また、相続発生の場合、相続人が日本国外在住等で、

速やかな連絡ができない場合もあります。「遺言書」についても同様で、外国法と国内法との

関係で、日本で無効でも外国で有効とか、その逆とか。さまざまな事が発生しうるのです。この

ような事であっても、国際間での問題を解決しつつ、遺言者意思を尊重した「遺言書」の確実

な執行が望まれるところです。外国法と国内法の調和を図りつつ、遺言者意思の実現に向け

た取り組みが、国際社会、将来日本の発展を促進していく事だと思います。