「百年の孤独」 (Obra de Garc´ia M´arquez)

1.作者紹介 – ガルシア・マルケス。1927年に人口2000人ほどの村で生まれたガルシア・マルケスは、両親が離別したため、祖父母と3人の叔母と暮らすことになる。この幼少期に聞いた村の伝承が作風や物語に影響を与えたとされており、特に退役軍人であった祖父は、マコンドを描いた作品に何度か登場する「大佐」や「アウレリャノ・ブエンティア大佐」のモデルとなったと言われている。高校在学中から執筆活動をしており、卒業後1947年にコロンビア大学法学部に入学した。1948年の保守党派対自由党派の政治紛争(ボゴタ暴動)により学校が閉鎖されたマルケスは、別の大学に編入するも生活難により退学する。その後、政治的事情で各地を転々としながら記者として働く一方、執筆活動を続け、1967年に『百年の孤独』を発表。「ソーセージのように売れ」、ベストセラーとなり、1982年にこの功績を評価されてノーベル文学賞を受賞した。

 

2.池澤夏樹『現代世界十大小説」。要約が無意味になるほどの無数の挿話からなり、そしてそれらが全体でフラクタルを成している。と評しているわけですが、「あらすじが知りたいんだよ」って声が多い。ネタバレありで「各部」毎にあらすじを解説。池澤夏樹の言う通り、ネタバレの意味がない小説であるが、せめて読んだ気になれるようにしたい。各部の分け方は完全に主観なので、もっと良い分け方があったら教えてください。注意事項は、同じ名前の登場人物が「第◯世代」として複数人出てくること。

 

3.池澤夏樹『現代世界十大小説』要約が無意味になるほどの無数の挿話からなり、そしてそれらが全体でフラクタルを成している。あらすじ「第1部」いとこ同士であった、ホセ・アルカディオとウルスラ・イグアランは近親相姦によって「豚のしっぽを持った子生まれる」という周囲の反対を押し切り結婚する。ある日、軍鶏に負けたプルデンシオ・アギラルに夫婦生活を侮辱され、ホセ・アルカディオは彼を殺してしまう。死んだプルデンシオの亡霊から逃げるため、ホセ・アルカディオは山越えを決意する。リオアチャから遥か西の山奥に「マコンド」という村を創設する。ここで、ホセ・アルカディオ・ブエンティアはジプシーのメルキアデスに出会う。メルキアデスは磁石やレンズ、天文学といった文明をマコンドにもたらし、それに感化されたホセ・アルカディオは村と外部を繋ぐ道を模索する。その道中、なぜか野原の奥深くにある巨大なスペインの帆船を見つける。そして、一行はついに魔の土地を抜けるが、抜けた先は海であり、半島だと思われていたマコンドがそうでなかったことに気づく。一方、妻のウルスラはアウレリャノ・ブエンディア(少年時代)が予知能力を持っていることに気づく。村に新しいジプシーが来て、メルキアデスの死を知らせる。ホセ・アルカディオは見世物小屋に子供達を連れて行き、アウレリャノ・ブエンディアはそこで初めて氷に触れる。成長したホセ・アルカディオは占い師のピラル・テルネラと関係を持つようになり、ウルスラはアラマンタを出産する。ピラル・テルネラはホセ・アルカディオの子供を身籠もるが、ホセ・アルカディオは村にやってきた新しいジプシーと一緒に消え去ってしまう。ウルスラはホセ・アルカディオを捜索するために5ヶ月もの間行方不明になる。帰ってきたウルスラは、かつてホセ・アルカディオ・ブエンディアが見つけることのできなかった、マコンドと「文明」をつなぐ道を偶然発見して帰ってくる。注意事項は、同じ名前の登場人物が「第◯世代」として複数人出てくること。以下、下記に続く、

https://www.sportlight.jp/.../%E3%81%82%E3%82%89%E3%81.../

 

4.「解説」:蜃気楼の村マコンドを開墾しながら、愛なき世界を生きる孤独な一族、その百年の物語。錬金術に魅了される家長。いとこでもある妻とその子供たち。そしてどこからか到来する文明の印……。目も眩むような不思議な出来事が延々と続くが、予言者が羊皮紙に書き残した謎が解読された時、一族の波乱に満ちた歴史は劇的な最後を迎えるのだった。世界的ベストセラーとなった20世紀文学屈指の傑作。現代文学における最高傑作として名高い本作を積読して何年か経つが、先日、とある書店で「待望の文庫化」とのポップを見て、文庫化前に読まなければ!と思いついに読む。 とある小さな村のマコンドを開拓したブエンディア家を中心とした物語。〈マジックリアリズム〉とは言い得て妙で、神秘な話とリアルな人間模様。ブエンディア家は時空が進む磯野家(サザエさん)の様。 国と文明の成り立ちと政治と神話の誕生。「歴史とは何か」と問われれば、この一冊をまず読むことを薦める。 「煮えくり返ってるよ、これ!」(名言)と言ってた頃が幸福か。

 南米の開拓村マコンドを創設したブエンディア家100年の興亡を描いた物語。ありがちな開拓史かと思ったら、ブエンディア一家の面々がトラブルを起こしたり、現実離れした奇怪な現象に巻き込まれたりと忙しない物語がとんでもない密度で続く。同じような名前で世代交代するアルカディオやアウレリャノはともかく、100年以上生きたウルスラとピラル・テルネラの懊悩は如何ばかりか。この場で感想を書くのがナンセンスに思えるほど圧倒的な物語の怒濤の奔流だった。創世記であり黙示録。ノーベル文学賞作品は伊達じゃない。

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