新紙幣について

日本銀行は7月3日、20年ぶりに新紙幣を発行する。「日本資本主義の父」と称される渋沢栄一を肖像とする1万円札のほか、5千円札、千円札の3種の紙幣のデザインが変更される。新紙幣の発行はなぜ行われ、現行紙幣は継続して使えるのかなど、知っておきたい10の疑問をまとめた。

1:なぜ今、新しい紙幣が発行される?

2:デザインはどう変わる?

3:新紙幣はどうすれば手に入る?

4:新紙幣の発行はどこが決めた?

5:偽造防止にはどんな技術が使われている?

6:新紙幣発行にかかる費用は?

7:新紙幣発行に伴う、日本社会の更新コストは?

8:新紙幣の発行量は?

9:キャッシュレス化が進んでいるが、紙幣は今後も利用される?

10:現行の紙幣はいつまで使える?

 

1:なぜ今、新しい紙幣が発行される?

新紙幣を発行するのは、偽造防止対策の強化と、誰にとっても使いやすくする「ユニバーサルデザイン」の向上のためだ。紙幣のデザインを変更する「改刷」は、偽造防止のために20年ほどの間隔で定期的に行われてきた。偽造防止技術では、 見る角度によって肖像の向きが変わる「3D(3次元)ホログラム」や模様をさらに細かくした「高精細すき入れ(すかし)」などの新技術を取り入れた。表面の額面表記も、「壱万円」から「10000」とアラビア数字に変更し、外国人も使いやすいデザインにした。

 

2:デザインはどう変わる?

1万円札は渋沢栄一、5千円札は津田梅子、千円札は北里柴三郎が、それぞれ新たな肖像となり、デザインが変更される。渋沢 は「日本資本主義の父」と称され、約500社の企業の設立や経営に関わった。津田は6歳の時に日本最初の女子留学生として岩倉使節団とともに渡米。女子英学塾(現津田塾大学)を創立した女子教育のパイオニアだ。北里は細菌学者として破傷風などの研究に従事、「近代日本医学の父」と呼ばれる。

デザインは専門家などの助言を得て財務省が決定した。財務省によると、肖像は、①明治以降の人物であること、②精密な写真が入手できる人物であること、③品格があり国民に広く知られている人物であることを条件に選んでいるという。

裏面は、1万円札が東京駅(丸の内駅舎)、5千円札は藤の花、千円札には冨嶽三十六景の「神奈川沖浪裏」がデザインされる。

紙幣を取り扱う機器の改修の負担を抑えるため、紙幣の大きさは変えない。

紙幣の色味については、紙幣の種類を識別する手掛かりになるため、主体色(1万円札:茶、5千円札:紫、千円札:青)については、現行紙幣を踏襲した。新紙幣ではさらに、視覚障害者がより 5千円札と千円札を識別しやすくするため、 千円札の中央部分には橙色のグラデーションを配置している。以下、

新紙幣、渋沢栄一以外は誰?いつから流通? 知りたい10の疑問

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