1.量子力学と相対性理論が統合できていない理由を、中学生レベルで教えていただけないでしょうか?

一言で言うと、両方正しいとすると矛盾が発生してしまうのです。どっちかが間違ってるとしか言いようがない。

という事で、どうすればいいかと物理学者達は悩んだ末に、この世界が3次元+時間の1次元だけでなく、もっと多い次元なら両方正しいと言えそうだ!!そして一番小さいものは粒じゃなくて紐って事にしたらいい。となったのが超弦理論です。

最近はさらにこう言った紐や膜でできた上位次元の影がこの3次元にホログラム、影の様に射影されてるような形で考えるともっと話しがピッタリくるな!と気づいた人がいました。ファン・マルダセナという人ですが1997年の事です。

 

2.この不思議な理論は、その後も発展して、現在かなりの人が量子論と相対論がまさに次元を超えて、相対論が上位次元側で、量子論が3次元の波面での理論であり、全体の理論と、その中の波面の理論だったんだ、とすると矛盾がない事が分かってきて、これこそ統合理論になるのでは、と沢山の物理学者が研究しています。これをAdS/CFT対応と言います。

これは下記のような中学生でもできる実験でそうかもね、と思えるようになります。

これは下の動画(英語ですが日本語でも見れます)シリコンオイルの粒とその下の液でできています。下からスピーカーを使って液に一定の振動を与えます。そこで針のようなもので液面をつつくと、シリコンの玉が液の上に出てきますが、それは下の波面とぶつかって振動することで、なんと粒は液面に吸収されずに上でいつまでもはね飛びます。

たったこれだけですが、これだけで量子力学の摩訶不思議な実験、ダブルスリット実験と呼ばれる実験ができてしまいます。それだけでなく、ありとあらゆる量子的現象と同じような事が起こせるのです。今後は中学でもこの実験を実際にやれるようになるといいなと思います。

 

3.これは2次元の波と3次元の粒でこの実験ができますが、3次元の波は4次元の粒があれば同じようなことが起きるかもと思えます。この世界が3次元の波面と4次元の粒のようなもので出来ていれば、とても不思議なダブルスリット実験のような事が起こるのでは?と類推できる事になります。これはまさにホログラムの世界として考えられる物理現象です。

物理現象はこのようにとても単純でも、もしも次元が高く、複雑な現象になると有り得ないようなことが次々と現れます。創発現象と言います。この宇宙はそうやって出来ているのだろう、と考えられるようになってきて、ついに長年に渡り、どちらも正しいということはありえない、と考えられてきた量子論と相対論は融合が出来そうになってきて、そして大統一理論が見えてきています。

まだ証明はされていないですが、かつてないほど無理無く様々な事が説明できるようになってきています。量子もつれという量子コンピュータに使うあまりに不思議な現象もこの理論で中心的に扱います。ブラックホールのことも色々説明できます。とても有望な理論でこれからが楽しみです。