大河ドラマ「光る君へ」第23回「雪の舞うころ」6月9日

1.第22回「越前の出会い」をもって、物語の舞台は越前へ。越前国守として赴任した父・為時(岸谷五朗)と娘・まひろ(吉高)が新たな地で遭遇した宋人の文化や価値観などが丁寧に描かれ、越前編がいよいよ幕を開けた。宋人が滞在する敦賀の松原客館を訪れたまひろ親子は朱らから歓待を受ける。初めて目にする羊肉にも果敢に食らいつくなど、まひろの旺盛な好奇心も相変わらずで、浜辺でたそがれる周明にも屈託なく話しかける。

 

2.砂浜に名前を書くシーンは、幼少期のまひろ、三郎(道長=柄本佑)の出会いの場面がダブる。周明は慣れない国守業務で体調を崩した為時のもとに医師(くすし)として参上。鍼(はり)治療をほどこしただけでなく、通事・三国若麻呂(安井順平)の急死をめぐってのラストシーンで「話があって来た。朱様は通事を殺していない」といきなり日本語をしゃべり出す謎っぷりで度肝を抜く。実資(秋山竜次)ではないが「不可解、不可解」と言いたくなるサスペンス展開。

 

3.まひろが「かきくもり夕たつ浪のあらければ 浮きたる船ぞしづ心なき」の和歌を書き付ける越前和紙の見事さ。越前だけではなく内裏でも事件が続発。定子(高畑充希)の懐妊を知った道長と一条天皇(塩野瑛久)の混乱からの対立は、この先も尾を引く。殺ばつとした展開のなかで「俺って優しいからな」と照れ隠しのように自称する検非違使(けびいし)別当・公任(町田啓太)が、母の死に目に駆けつけた伊周(三浦翔平)に情けをかけるマジな優しさが染み渡った。

 

4.日本語で朱の無実を主張した周明の必死な訴えが功を奏し、朱は解放される。朱は為時だけに越前に来た本当の狙いを語り、その一方で周明もまひろに自分の過去を明かす。周明との交流が深まっていくなか、宣孝(佐々木蔵之介)は為時とまひろに会いに、越前を訪れる―という展開が描かれる。周明の抱える謎の一端が明らかになる。周明の創作部分はすべてが初見で、ただのドラマファンとして新鮮に、ここに来て新しい大河の楽しみ方を提示してもらっている気がする。

【関連記事】

  • 【写真】「光る君へ」上地雄輔、“公卿さま集合”の黒装束ショット

  • 【光る君へ】「周明」松下洸平、ラストシーンでの衝撃の言葉に「最愛コンビでのサスペンス展開、来た―!」

  • 【写真】朝倉あき、「光る君へ」出演決定「2年越しの夢が叶いました」

  • 【写真】ファーストサマーウイカ、「光る君へ」で披露した書道シーンに「美文字すぎます!」

  • 【写真】「光る君へ」一世を風靡したアイドルが別人のような姿