財政政策検討本部の提言

1.正式名称は「経済財政運営と改革の基本方針2024」に向けた提言」が首相に出された。提言の骨子は、
①2025年度のPB黒字化に固執することを断固反対する。
②建設国債の発行を躊躇すべきではない
③国債発行は孫子の借金ではない。孫子への貯蓄である。
④民間部門の貯蓄超過が日本経済の最大の課題である。
⑤政府と民間企業のネットの資金需要を新たな財政指標にすべき。
⑥国債発行に量的制限はないが、実物資源の供給力には限界がある。
PB反対は当然だが、新たな財政指標として政府・民間企業のネットの資金需要を提案。ネットの資金需要は日銀統計「資金循環統計」の資金過不足と内閣府の国民経済計算でグラフ化できる。

 

2.正確なネットの資金需要は、非金融法人企業(以下、一般企業)と一般政府の資金過不足を、過去4四半期分の数値について平均して、GDPと比較して出すが、簡易的に年度の実数で作成した。小泉政権期と第二次安部政権以降、ネットの資金需要がプラス化している。これは大変な事態で、何しろ、社会からその分、マネーストック(ほぼ銀行預金)が消えていったということを意味するからだ。もっとも、小泉政権期、安倍政権期のネットの資金需要プラス化の「理由」は異なる。小泉政権期は、一般企業が驚異的なペースで資金過剰を増やしたため(※借金返済を増やした)。そして、安倍政権期は緊縮財政だ。一般政府の資金不足(財政赤字)があまりにも不足していた。2020年度から2021年度にかけ、コロナ対策の財政赤字により、ネットの資金需要は拡大(マイナス方向が拡大)した。とはいえ、一般企業は相変わらず資金過剰。カネを借りず、預金を増やしていった。その後、政府が資金不足を縮小すると、当然ながらネットの資金需要は縮小(プラス方向)した。0%目掛けて一直線だ。この状況で、政府の資金不足縮小を強制する「PB黒字化」を推進しようとしているから頭がおかしい。

 

3.民間部門の貯蓄超過(図の一般企業の資金過剰)が最大の問題で、その通りだ。是非とも、ネットの資金需要を新たな財政指標にして欲しい。但し、「PB黒字化」を残してしまうと、全く無意味になる。自民党の積極財政派は、全く正しい提言をしているわけだから、妥協や玉虫色を拒否し、徹底的に戦い、抗って欲しい。日本国と日本国民のことを真剣に思っているならばだ。

、「【日本のネットの資金需要 トの資金需要(右軸)と非金融法人企業・- トの資金需要 (右軸) と非金融法人企業 一般 【日本のネッ 政府の資金過不足 政府の資金過不足(左軸)】 (左軸)】 60 40 20 2.0% 0.0% 20 -2.0% -4.0% -40 -6.0% -60 -8.0% -10.0% 非金融法人企業 (兆円) 般政府 (兆円) ーネットの真金需要(対GDP比) ーネットの資金需要 (対GDP比) http://mtdata.jp/data91.ht //mtdata. 91.html#SNA #SNA」というテキストの画像のようです