1.中国人が経営する専門学校(特に日本語学校)が増えているからだ。

日本には今、日本語学校などの教育実施機関が2764(文化庁、2022年11月1日現在)あるという。1990年度は821だったから、30年で3.4倍増である。

一方で、日本語学校のホームページを複数検索すると、「校長挨拶」もなく、「校長の名前」すらない、開示度が低い日本語学校が多々目に付く。中国資本や韓国資本による経営が少なくないこともわかる。日本語学校も、留学生の確保がなければ存続しえないビジネスモデルだが、それには共通言語でやりとりできる“留学生供給源”を国外に持つのが手っ取り早い。

「学生の人数が集まりさえすれば、日本語学校は相当な利益が出るビジネス」だとする声もある。

中国資本の買収進む日本語学校が「無法地帯」になる恐れ…留学生ビジネス過熱の裏の死角 日刊ゲンダイ 2024/04/11

2.中国資本の学校が増えている理由は、日本に移住する中国人が増えているからで、500万円以上の事業投資で『管理経営ビザ』の在留資格が取得できるためです。

自国の半分以下の学費が「中国脱出組」には魅力

東京を中心として、日本のインターナショナルスクール(以下、インター)に中国人が殺到している。

「先日アメリカンスクール・イン・ジャパン(東京都調布市)の説明会に行きましたが、参加していたのは8割がた中国人のようでした」。子どものインター進学を検討している保護者は語る。

インター受験生・在校生専門の学習塾EGCISの斎藤幸塾長によると、日本のインターに通う中国人が目立ってきたのは5年ほど前から。今では、EGCISには中国人保護者から週1回のペースで問い合わせが来ており、その中には中国大陸から直接というケースも多い。

「上海、北京、広州といった大都市に在住していて、親は英語や日本語も話せる裕福な家庭」という共通点があり、日本に来てすぐにレッスンが始められるよう希望する保護者もいるとのこと。EGCISでは在校生の約10%が中国系となっている。

このトレンドは、コロナ禍以降に顕在化した中国から脱出する「潤(ルン)」という動きと密接に関係している。「潤」とは、さまざまな理由からより良い暮らしを求めて中国を脱出する人々を指す。もともと「もうける」という意味だが、中国語のローマ字表記であるピンインではRunと書くことから、英語の「逃げる」とダブルミーニングになっている。

舛友 雄大

日本のインター校に中国から「教育移民」が殺到中 東洋経済 ONLINE 2023/12/28