ジャーでも通用した王貞治さんの凄さ

1.米誌「ニューズウィーク」が先週21日、「野球史上最高の日本出身選手10人」を発表したというニュースを目にした。1位は〝いま最も旬〟なドジャースの大谷翔平である。〝SHOHEI効果〟を狙った企画!? 3位は日米通算4367安打のイチローさん。ナルホドの選出だが、堂々の2位に王貞治さん(現ソフトバンク球団会長)がランクイン。これって米国人も分かってる!? ス・ゴ・イ!!現役生活22年で13年連続を含む15度の本塁打王。通算868本塁打。まさに〝世界のキング〟である。日米のレベル格差や狭い日本の球場などで、その記録は揶揄されることもあったが、王さんのバットは親善野球で来日した大リーガーと遜色なかった。

 

2.1966年はドジャース相手に18試合で5本塁打、68年にはカージナルス相手に18試合で6本塁打、70年のジャイアンツ戦では1試合2ホーマー後に敬遠された。74年に来日したメッツには、後に755本塁打したブレーブスのハンク・アーロンさんがいて、王さんとの本塁打競争を10―9で制した後に「サダハル・オーはメジャーでも十分通用する」と絶賛。77年には米誌「スポーツイラストレーテッド」の表紙を日本の野球選手としては初めて飾った。

 

2.王さんは日米野球通算110試合で25本塁打を放っている。メジャーで定番の得点への貢献度を測る指数「OPS」(出塁率+長打率)は0・8で一流とされるが、王さんは驚異の0・937。〝超一流の証明〟なんです。

ちなみに、冒頭のベスト10のトップ3以下は5位ダルビッシュ有、6位野茂英雄さん、7位松井秀喜さん、9位松坂大輔さんと米国ファンにはなじみ深い名前が並ぶ中、4位に野村克也さん、8位に張本勲さん、10位に長嶋茂雄さんという日本球界レジェンドのランクインにはホッとした。

 

3.今年は巨人創設90周年になる。3日の「長嶋茂雄DAY」に続き、28日の巨人―ソフトバンク戦(東京ドーム)では「王貞治DAY」と銘打ったセレモニーがある。王さんも出席する。思えば巨人で現役22年、助監督で3年、監督で5年と合計30年。1995年にホークス監督に就任以来、球団会長も含め今年でホークス生活30年という節目である。先週20日に84歳を迎えた。元気である。改めて球界を創造してきた王さんを心からリスペクトしたい。