財政政策検討

1.自民党の積極財政派が主導する財政政策検討本部がまとめた提言素案。政府が6月ごろ策定する経済財政運営の指針「骨太方針」への反映を目指し、基礎的財政収支(プライマリーバランス)を2025年度に黒字化する政府目標に「断固反対する」と強調。公共事業などに充てる建設国債を財政目標から外すことなども盛り込み、歳出拡大の推進を前面に打ち出した。政府は骨太の方針で経済や安全保障など幅広い重要施策の骨格を固め、年末の予算編成などに反映させる。自民党内では財政規律派が主導する本部も別途、財政論議を進めており、6月の骨太方針策定を前に両本部での対立が激化していく。

 

2.積極財政議連の提言のポイントは、「①PB目標を廃止する
②公共事業等の建設国債(要は投資)については財政目標から外す」だ。この二つを「財政政策検討本部」で提言としてまとめる必要があり、積極財政議連と財政政策検討本部は連携しているが、是非とも「このまま」提言として挙げて欲しい。その上で、緊縮財政本部(財政健全化推進本部)が出す提言とガチで激突することになる。今回の骨太議論で、PBを破棄し、社会保障費用以外の支出に対するキャップを外し、投資系の支出は「単年度の収支」と無関係にするという「改革」ができなければ、未来は暗澹たるものになる。財務省は省力の全てをふるい、PB廃止と投資除外の積極財政派の提言を潰そうとする。それに対抗するには、「数」で戦うしかない。自民党の議員数は470名ほどで300名が積極財政を支持すれば、PBは廃止されることになる。問題は、自民党議員の殆どは「よくわかっていない」連中で、彼らは空気を読み「どっちが、自分の政治力を高め、次の選挙に有利か」しか考えず、積極財政派と緊縮財政派の間をフラフラする。残念なことに、事実上の決定権はこの「フラフラ連中」にある。今は積極財政が必要だから、PBは日本を壊したという論調を高め、フラフラ連中を引き寄せるしかない。そのためには、24年1-3月期マイナス成長、実質賃金24カ月連続マイナスという「苛政の結果」が有効なツールになってしまう。今回の骨太議論を契機に、自民党の緊縮財政派の政治力を叩き潰すことだ。

 

3.自民党の「責任ある積極財政を推進する議員連盟(以下、積極財政議連)」は、若手議員だけで構成されており、100名を超えている。

https://sekkyokuzaisei.jp/caller_list/

この種の議員連盟は、「とりあえず入っておくか」という議員も少なくないため、実質の人数は「不明」だが、とりあえず表向きは100名を超えている。
『25年度財政健全化に「反対」 自民積極財政本部の提言案

自民党の積極財政派が主導する財政政策検討本部がまとめた提言素案が16日判明した。政府が6月ごろ策定する経済財政運営の指針「骨太方針」への反映を目指し、基礎的財政収支(プライマリーバランス)を2025年度に黒字化する政府目標に「断固反対する」と強調。公共事業などに充てる建設国債を財政目標から外すことなども盛り込み、歳出拡大の推進を前面に打ち出した。政府は骨太の方針で経済や安全保障など幅広い重要施策の骨格を固め、年末の予算編成などに反映させる。自民党内では財政規律派が主導する本部も別途、財政論議を進めており、6月の骨太方針策定を前に両本部での対立が激化していきそうだ。』以上、参考:三橋貴明ブログ