Z世代はなぜこれほど学校や職場とのつながりを見出したり、目的意識を持つのが難しいのか

1.アメリカのZ世代の間では、就職も進学もしていない「切り離された若者」が増えている。 14~24歳は「決定的な10年」だ。 この10年がその後の経済的、社会的安定を左右するという。 アメリカでは職場や教室で孤独を感じる若者が増えていて、こうした「切り離された若者」は将来に向けて不利な立場に置かれる可能性がある。 ブルッキングス研究所の研究者たちは4月に公表したレポートの中で、14~24歳を「決定的な10年」としている。

 

2.この時期には卒業や引っ越し、就職、人間関係の構築といった人生の大きな節目がある。 しかし、レポートによると、最近の若者は上の世代よりもメンタルヘルスに苦しんだり、経済的な不安を感じている。進学する人は減り、入学後に退学する人も増えている。これはZ世代が"パンデミック"と"所得格差"の影響を強く受けて育ってきたからだ。 ブルッキングス研究所の非常勤シニアフェローでレポートの共同著者でもあるリチャード・リーブス(Richard Reeves)氏は先日のパネルディスカッションで、この「決定的な10年」が社会経済的な状況とあいまって、若いアメリカ人のその後の社会的、経済的安定を左右すると語った。

 

3.「14歳で乗って24歳で降りるベルトコンベアーというより、飛び石の連続のようなものと考えるべき時期です」とリーブス氏は話している。 「こうした飛び石をうまく渡っていけるかどうかが、人生の機会という観点からその後の人生にとって非常に重要です」 ダラス連邦準備銀行によれば、コロナ禍で思春期を迎えたZ世代は特に弱い立場にある。孤独と厳しい雇用市場によって、多くのZ世代は行き詰まり、孤立し、サポートが得られないと感じている。彼らは「切り離された若者」 ── 進学も就職もしていないZ世代 ── だ。 そして、進学したものの退学や休学をした人もいれば、学校を卒業したものの就職していない人もいる。調査会社Measure of Americaによると、2021年には470万人近くの若者が「切り離されて」いる。

 

4.{Z世代の語源・由来}アメリカから伝わってきた世代分類を指す言葉。広がったのはアメリカの「ジェネレーションZ」から来ていて、そこからZ世代という言葉で日本国内で広がった。読み方はそのまま「ゼット世代」。年齢は明確に定義されていないが「1990年半ばから2010年代生まれの世代」を指すことが一般的。実年齢としては、2024年現在で考えると28歳以下の若い世代を指すことが多い.

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