鉄鋼大手3社の2024年3月期連結決算 

1.原材料価格上昇分の鋼材価格への転嫁が浸透し、JFEホールディングス(HD)、神戸製鋼所の2社が増益だった。一方、鉄鉱石や原料炭などの高騰が一服し、在庫資源に評価損が生じた日本製鉄は減益だった。  日鉄の純利益は前期比20.8%減の5493億円。ただ、国内の鋼材出荷数量増加や販売価格の改善により、売上収益は11.2%増の8兆8680億円と過去最高だった。  

 

2.在庫評価損を除いた実力ベースの事業利益も過去最高で、今井正社長は「国内製鉄事業の販売価格改善や固定費削減、海外事業の成長などが結実した」と総括した。  JFEHDも鋼材の値上げを進めたほか、東日本製鉄所京浜地区の高炉休止による固定費の削減が貢献した。神鋼は鉄鋼、アルミとも値上げが浸透したほか、神戸発電所4号機の稼働が追い風となった。

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