こんにちは。

 

今回は世界最高賞金額レース、サウジカップを展望します。サウジカップ以外の重賞については一つ前の記事にまとめてありますので是非ご覧ください。

 

2/25 02:40 GⅠサウジカップ(D1800)

なんと「秘剣燕返し」メイショウハリオがスクラッチ……残念……まあ大きな怪我につながる前に無事に帰ってきてくれると思えば、なによりです。
 
1着賞金は1000万アメリカドル(約15億円)。ここを勝つだけで日本馬の総獲得賞金争いに参戦できます。
 
3年前はイギリスのミシュリフが勝利した競走ですが、今年は欧州馬の参戦はありません。構図はアメリカ合衆国vs日本。地元サウジ馬4頭とUAE馬1頭はどこまで健闘できるか。
 
ブックメーカーBEST ODDSのオッズ順に紹介していきましょう。
 
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単勝4.0倍、1番人気はアメリカ総大将です。レースデイ産駒の5歳牡馬、「白き豊穣」ホワイトアバリオ(アイラッド・オルティス・ジュニア騎手)。昨季のエクリプス賞年度代表馬投票では2位でした。とはいえ年度代表馬に輝いた「コディーの願い」コディーズウィッシュを完璧に破っているため、実績面だけ見るとこの馬が年度代表馬であっても全くおかしくはありませんでした。GⅠ3勝、前走はアメリカ勢の有力馬に回避が相次いだBCクラシックを制覇し日本の侵略を阻止。芦毛の馬には厩舎に犬の友達がいます。黒い犬なんですが、その名前は「ブラックアバリオ」。最優秀騎手オルティスJr.騎手とのコンビではGⅠ2連勝中となります。最内枠を引き当てストロングなアメリカ競馬を誇示する準備は万端です。
 
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単勝6.5倍、2番人気は日本のエース。レモンドロップキッド産駒の6歳牡馬、「弾ける爽快感」レモンポップ(坂井瑠星騎手)。昨季のJRA賞最優秀ダートホースです。望みの内枠を確保し、海外での初戴冠に向けすべての下準備は整えられました。フェブラリーSの完勝劇、ドバイでの屈辱的惨敗、南部杯で見せた格の違い、そしてチャンピオンズカップで距離不安を完全に払拭する盤石の勝利。この馬と1年間かけてじっくりと築き上げた坂井瑠星騎手との信頼の手綱はこの馬の最大パフォーマンスの発揮を促すものに他なりません。
 
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単勝7.0倍、3番人気は日本の若武者。マインドユアビスケッツ産駒の4歳牡馬、「驚愕の決まり手」デルマソトガケ(クリストフ・ルメール騎手)。一昨年の全日本2歳優駿を制すると、3歳シーズンは何と全て海外でのレースを選択。日本のダート改革前夜を意識せずにはいられない時代の風雲児は世界最高峰の舞台でも自分のフォームを崩さない精神的な強さを有しています。サウジダービー3着、UAEダービーは圧勝、ケンタッキーダービーは返す返すも出遅れが悔やまれる6着、そして何よりの偉業はBCクラシック2着。全ての能力を最大限に発揮しての2着は悔しい。でも清々しいものでした。今回はホワイトアバリオとの雪辱戦。敵地では負けたけども、中立地なら分かりません。輸送中にトラブルがあったようで心配しましたが、そこは問題ないようです。外枠なのが少し不安。
 
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単勝8.0倍、4番人気は日本代表にして世界王者。オルフェーヴル産駒の7歳牡馬、「金鉱眠る鋭鋒」ウシュバテソーロ(川田将雅騎手)。去年のJRA特別賞を受賞しています。ダートに代わって10戦8勝と圧倒的戦績を誇り、地獄パドックにまるでやる気のない調教とキャラ付けも抜群です。東京大賞典→川崎記念を連勝し、ドバイワールドカップを最後方一気で驚愕の世界制覇。日本テレビ盃を本当に前哨戦としか扱わずに軽く勝利。期待感の高まったBCクラシックではゲートでの駐立に問題を抱えていましたが、なんとか無事に発走。しかしいつもの図太い強さは鳴りを潜め5着敗戦。私は本気で日本馬のワンツーが見られると思っていたので悲嘆に暮れました。しかしながら帰国しての東京大賞典のパフォーマンスが改めて化け物すぎます。その強さは色あせることはありません。レモンポップとの対決は誰もが夢見る日本ダート最強馬決定戦といっていいでしょう。
 
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単勝9.0倍、5番人気はアメリカの副将です。クオリティロード産駒の4歳牡馬、「米国の至宝」ナショナルトレジャー(フラヴィアン・プラ騎手)。前走ペガサスワールドカップについての記事は金曜日に書いたのでそちらを見てください。三冠第2戦プリークネスSを制したあと、第3戦ベルモントSおよび真夏のダービートラヴァーズSで同世代とバチバチの争いを見せるも連敗。BCダートマイルでは年度代表馬コディーズウィッシュの2着に敗れ、今季初戦のGⅠペガサスワールドカップで番手から押し切り勝利。GⅠ2勝の実績を引っ提げ、悲劇や引退が多発した同期の分までアメリカ4歳世代の意地を見せつけることが出来るか。
 
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6番人気タイはアメリカ代表、オールウェイズドリーミング産駒の4歳牡馬、「体で名を表せ」サウジクラウン(フローレン・ジェルー騎手)。昨年も非常に優秀な成績を収めたブラッド・コックス厩舎所属です。ペンシルバニアダービーでGⅠ1勝、まさにその距離は9ハロン。芦毛の馬体がサウジの馬場に躍動したとき、その頭上にクラウンが被せられることになるでしょう。
 
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6番人気タイはアメリカ代表、マインシャフト産駒の6歳牡馬、「夢追うスペイン男」セニョールブスカドール(フニオール・アルバラード騎手)。馬名は「ミスタープロスペクター」のスペイン語読みです。GⅠに手が届いてはいませんが、使うたびにレベルアップしており、前走ペガサスワールドカップは豪快な競馬でナショナルトレジャーを追い詰めました。前走の逆転及び悲願の初GⅠを狙います。
 
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8番人気はUAE代表、マークヴァレスキ産駒の6歳牡馬、「孤独のパロディ」アイソレート(ジョエル・ロザリオ騎手)。前年の首GⅡゴドルフィンマイル1着馬でそのレースではバスラットレオンラウダシオンを破っています。メイダンで重賞2連勝してサウジに殴り込み。1800への距離延長は初なので、その対応がカギになります。
 
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9番人気はサウジアラビア代表、クオリティロード産駒の4歳牡馬、「聖地の葡萄酒」カーメルロード(カミロ・オスピナ騎手)。前哨戦を7馬身半差で快勝しています。大外枠に入ってしまった不運を呪いたいところですが、無欲の逃げで一発を狙いたい。
 
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10番人気は日本の善戦マン、リーチザクラウン産駒の5歳牡馬、「王冠継ぐ誇り」クラウンプライド(ジョアン・モレイラ騎手)。GⅠ2着は3回、去年のサウジとドバイでは5着・5着。血統的なロマンも詰まっているのでどこかでGⅠ勝ってほしいんですが……いかんせん走っている相手が強力すぎる。
 
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11番人気はアメリカのGⅠ2勝馬、ダイアルドイン産駒の6歳騙馬、「不破の金庫番」ディファンデッド(ルイス・サエス騎手)。ブックメーカーによってはもう少し人気をしているようです。勝利したGⅠのメンバーレベルがあまり高くなく、実際一線級の馬と激突した前々走パシフィッククラシックは良いところなし。ワールドクラスかと言われると微妙。
 
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12番人気はペガサスワールドカップを暴走気味に飛ばして4着に残した「黄金旗を掲げよ」ホイストザゴールド(ジョン・ヴェラスケス騎手)、13番人気にサウジ代表、前哨戦を半馬身差で辛くも制した「数こそ正義」パワーインナンバーズ(アデル・アルファライディ騎手)、14番人気は繰り上げ出走となった「王子付の特命係」スコットランドヤード(ルイス・モラレス騎手)。
 
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以上14頭のご紹介でした。
 
日本馬を応援するのは勿論なんですが、アメリカが本気を出してサウジカップを取りに来てくれたのでまごうことなき世界頂上決戦が見られるのがとても嬉しいです。ワールドクラスのレースを余すところなく楽しみましょう。
 
それではまた。