こんにちは。

 

今回はサウジカップと同日開催のサラブレッド重賞5レースも簡単に紹介します。開催順にやっていきます。それでは行きましょう。本当はサウジカップも同じ記事に統合するはずだったんですが、時間的にも量的にも都合が悪く、続けて別記事で投稿します。悪しからず。

 

※発走時刻は日本時間、すべてキングアブドゥルアジーズ競馬場での開催

 

2/24 23:00 GⅢサウジダービー(D1600)

毎年日本馬の好走が見られる3歳ダート戦です。今年も期待の3頭が出走します。

 

単勝1.8倍、圧倒的1番人気に押されているのはリアルスティール産駒の「はじまりの日」フォーエバーヤング(坂井瑠星騎手)。世界のYAHAGIとその愛弟子がのる若駒は3戦3勝でJBC2歳優駿と全日本2歳優駿を完勝し、ここまでパーフェクト。完成度は誰よりも高く、ここを勝利すればアメリカ三冠が射程圏に入るでしょう。藤田社長の馬だし、ここからウマ娘化+アメリカのレース場実装まで見えますね。期待しておきましょう。

 

3番人気はデクラレーションオブウォー産駒の「緻密な計略家」セットアップ(横山武史騎手)。まずは、武史騎手が大事に至らず復帰できることがなにより良かった。まさかサウジで復帰とは思いませんでしたが。すごい時代になったものです。同騎手とのコンビで4戦2勝、GⅢ札幌2歳ステークスを勝利しています。前走GⅠ朝日杯FSはシュトラウスの暴走に巻き込まれる不運もあり7着に敗戦。日本のマイル戦よりタフな舞台に適性があるからこその挑戦と見て良いでしょう。一昔前だと騒がれていた(そもそも一昔前にはサウジダービー自体ありませんけども)ローテでしょうが、今はもう誰も驚かなくなってしまいました。誰のせいやろなあ……

 

5番人気はヘニーヒューズ産駒の「不撓不屈の炎」サトノフェニックス(ジョアン・モレイラ騎手)。4戦2勝で前々走兵庫ジュニアグランプリは「舞い上がる黒鷲」イーグルノワールにハナ差の2着。全日本2歳優駿は5着。Mリーグを見ている私にとっては、この馬が大舞台に出てきてくれるだけで嬉しい。勝利したらモレイラ騎手のフェニックスポーズが見られるかもしれないってことですか?ちょっと外枠なのが不安。

 

この3頭に対抗する外国馬は有力どころ3頭を紹介します。

 

2番人気はアメリカ代表、ブッケロ産駒の騙馬ブッケンダノ(アイラッド・オルティス・ジュニア騎手)。馬名は10年代にアメリカで放送されていたドラマ、HAWAII FIVE-0の中のセリフ、「ぶち込んどけ、ダノ」に由来するっぽいです。今度見てみよっと。3戦2勝、前走の条件戦は12馬身半差で勝利しました。唯一の2着敗戦は前々走のリステッド8ハロン、勝利したのは6~7ハロン。若干の距離不安があります。

 

4番人気はアメリカ代表、ヴァリアントミニスター産駒のベントルナート(ルイス・サエス騎手)。馬名はイタリア語で「お帰りなさい」。ガルフストリームパークで5戦4勝の実績を引っ提げ競馬場どころか国まで飛び出してしまいました。敗戦は距離延長で8.5ハロンに挑戦したことが響いたものであり、8ハロンは果たしてどうか。

 

6番人気はUAE代表、アジアティックボーイ産駒のオアシスボーイ(クリストフ・スミヨン騎手)。元はおそらくアルゼンチンの馬で、UAEへと移籍をしたと思われます。アルゼンチンでGⅡクラシコ・プレミオ・ミゲル・カネー(パレルモD8F)を勝利して、ドバイ緒戦のGⅢUAE2000ギニー(メイダンD8F)に挑みましたが5着に大敗。世界レベルにはまだ及ばないといった印象です。

 

この6頭が上位人気の六傑。レースは12頭立てです。

 

2/24 23:40 GⅢリヤドダートスプリント(D1200)

去年の1,2着はBCスプリントでもワンツーを決めた「強大な権力者」エリートパワーガナイト。去年はアメリカ勢の本気度が段違いでしたが、今年はそれに比べるとまだましな方です。

 

単勝3.0倍、1番人気は日本代表、ラニ産駒の5歳牡馬、「温故知新」リメイク(川田将雅騎手)。日韓で重賞を3勝しています。前年も同じレースに参戦し、福永祐一現調教師の騎手引退レースのパートナーとして、アメリカの一線級2頭に食い下がり3着に入りました。前走JBCスプリント2着。ここを勝利してドバイゴールデンシャヒーンで悲願の初GⅠを掴むのが大目標でしょう。

 

2番人気はアメリカ代表、プラクティカルジョーク産駒の5歳騙馬、スケリー(リカルド・サンタナ・ジュニア騎手)。12戦8勝、現在7連勝中です。去年の4月に米GⅢカウント・フリート・スプリント・ハンデキャップ(オークローンD6F)で重賞初制覇を成し遂げました。海外初挑戦です。

 

3番人気はUAE代表、オクスボウ産駒の7歳騙馬、タズ(タイグ・オシェア騎手)。ロシアからUAEに移籍してきた変わり種で、露GⅡオータムステークス(ピャチゴルスクP1600)、首GⅢアルシンダガスプリント(メイダンD1200)、首GⅢドバウィステークス(メイダンD1200)と重賞3勝の実績馬です。

 

4番人気タイに日本代表、エスポワールシチー産駒の7歳牡馬、「長閑な釣り人」ケイアイドリー(クリストフ・ルメール騎手)。去年のJpnⅢ北海道スプリントカップを制していますが、それより上のカテゴリーでは苦戦が続いています。かなり驚きの海外挑戦となりましたが、お父さんもめでたくウマ娘になったことですし、ここらで一つ祝賀ムードを盛り上げてほしい。

 

残る日本馬は6番人気、フロステッド産駒の5歳牡馬、「碧玉の王冠」ジャスパークローネ(団野大成騎手)。CBC賞と北九州記念を圧巻の逃げ切りで連勝し、上り馬として臨んだ初GⅠスプリンターズSでは4着と大健闘。その後はアメリカと香港に遠征し、遠征3か国目は初ダートを選択。チャレンジングなアメリカ産馬は、土の上でもその快速を見せつけることができるかどうか。

 

以上、12頭立てのレースの内5頭の注目馬を紹介しました。

2/25 00:25 GⅡ 1351ターフスプリント(T1351)

過去2年は「府中の歌姫」ソングラインに「神出鬼没の獅子」バスラットレオンと日本馬が連覇している競争です。1351メートルという距離はサウジアラビアの建国年がイスラム歴1351年(西暦1932年)であることに由来します。

 

今年からGⅡに昇格。出走馬はフルゲート14頭。うち日本馬4頭と注目の外国馬3頭、併せて7頭を紹介します。

 

日本馬の人気最上位は2番人気、カラヴァッジオ産駒の5歳牡馬、「レジェンドレーサー」アグリ(クリストフ・ルメール騎手)。重賞1勝馬ですが、毎回健闘しているため意外でした。ノリさんが切り拓いた後方からの競馬でその高い能力を最大限に発揮できるか。安田隆行調教師は定年まであと2週間を切りました。短距離王国の最後の花として、華やかな海外重賞があれば申し分ないのですが……

 

3番人気はキズナ産駒の6歳牡馬、「神出鬼没の獅子」バスラットレオン(坂井瑠星騎手)。世界のYAHAGIが世に贈る俊英は、「大海への逃亡」パンサラッサに引きずられて遠征しているのかと思いきや、全くそんなことはなく独力で世界中をめぐり、芝ダート不問、中央四場+札幌・中京に地方競馬の大井と浦和、イギリス、フランス、サウジ、UAE、韓国と旅行鞄のステッカーがにぎやかになる一方です。去年の勝利とか、NHKマイルカップでの落馬とかがもはや記憶の彼方にいってしまっています。

 

6番人気はスクリーンヒーロー産駒の7歳牡馬、「最大級の勝利」ウイングレイテスト(松岡正海騎手)。松岡騎手にウインの勝負服、素晴らしき様式美。前々走スワンSで一撃必殺の重賞初制覇を決め、初めての海外遠征に踏み切りました。ウインカーネリアンとマイルで一緒に走っている姿が見たいと思うのですが、安田記念当たりで叶ったりしませんかね?

 

8番人気はミッキーアイル産駒の6歳牝馬、「オペラ座のソプラニスタ」ララクリスティーヌ(クリスチャン・デムーロ騎手)。なんで菅原君じゃないんですか!と言いたいところですが、デム弟もなかなか日本で見る機会がなかったので久々な気分。前々走、前走とウイングレイテストとはレース選択が三戦連続で被りました。新たなカップリングを見出してもよろしいか?

 

続いて海外馬を紹介します。

 

単勝3.75倍の1番人気はUAE代表、ダークエンジェル産駒の4歳騙馬ミステリアスナイト(ウィリアム・ビュイック騎手)。2年前に加GⅠサマーステークス(ウッドバインT8F)を制しています。去年は去勢し、12月からはメイダンで3戦しての5着1着1着。前走首GⅡアルファイディフォート(メイダンT7F)を番手押し切りで勝利。ゴドルフィンブルーの大エースが大きな壁となって日本勢に立ちはだかります。

 

4番人気はアイルランド代表、スーネーション産駒の4歳牝馬マチルダピコット(オイシン・マーフィー騎手)。去年の英GⅠイギリス1000ギニー(ニューマーケットT8F)にて、「理想の波乗り」モージと「ショート・シスター」タヒーラの異次元の叩きあいをはるか後方の3着で見送り悔しさを味わった少女は、9月に英GⅢJRAセプターフィリーズステークス(ドンカスターT7F)、10月に英GⅡTIEAチャレンジステークス(ニューマーケットT7F)を連勝しています。高松宮記念にも予備登録があります。ぜひ来てください!!!

 

5番人気はイギリス代表、ダークエンジェル産駒の7歳騙馬、「白銀の筆致」アートパワー(デイヴィッド・アラン騎手)。長いキャリアに裏打ちされる重賞6勝の輝きは出走馬中唯一無二です。前走英GⅠイギリスチャンピオンズスプリントステークス(アスコットT6F)を13番人気から制してGⅠ初制覇を達成しました。アメリカ遠征や香港遠征のプランは立ち消えになっていましたが、まさか今季復帰戦がここになるとは。

 

その他、高松宮記念に予備登録しているアナフ(ロッサ・ライアン騎手)などかなりの有力馬が揃った楽しみなレースになっています。

2/25 01:10 GⅡネオムターフカップ(T2100)

今年からGⅡに昇格した芝の中距離戦。一昨年には日本のオーソリティが、昨年は「シャドウェルのスナイパー」モスターダフが制しました。

 

出走馬は13頭、紹介するのは日本馬3頭と海外の有力馬2頭です。

 

3番人気タイにハーツクライ産駒の4歳牡馬「心の協奏曲」ハーツコンチェルト(ジョアン・モレイラ騎手)。日本ダービー3着馬は優等生な競馬で大崩れはしませんが勝利からは見放されています。このままでは「最強の1勝馬」の称号すら手にしてしまうかもしれません。ハーツ産駒なのでいかにも晩成っぽいし、明け4歳で変わり身を見せてくれるとよいのですが。

 

3番人気タイのもう一頭はディープインパクト産駒の5歳牡馬、「漆黒のキラー」キラーアビリティ(クリスチャン・デムーロ騎手)。3年前のホープフルS、そして2年前の中日新聞杯を勝利も、その後は安定感を欠き苦戦。活路を見出しに海外挑戦となりました。

 

9番人気、ハービンジャー産駒の6歳牡馬、「廃墟に佇む修道士」スタッドリー(ウィリアム・ビュイック騎手)。本当に申し訳ないんですが、怪物大戦争のジャパンカップにお祭り気分でやってきた奴という印象が先に来ます。どういう経緯でビュイック騎手が乗ることになったんだか。と思ったら鞍上がかなりのサイコロ具合です。エレーデよりすごそう。

 

続いて外国馬の紹介です。

 

単勝2.25倍の1番人気はアイルランド代表、キャメロット産駒の5歳牡馬、「不屈の愛国王」ルクセンブルク(ライアン・ムーア騎手)。一年に一つずつGⅠを勝ってGⅠ3勝です。去年は私的ベストレースの愛GⅠアイリッシュチャンピオンステークス(レパーズタウンT10F)の4頭大激戦の構成メンバーの1頭で、結果は「衝撃の彫刻家」オーギュストロダンの2着。昨季最終戦は香GⅠ香港ヴァーズ(シャティンT2000)で香港の10ハロン最強馬ロマンチックウォリアーと堂々渡り合い惜敗の2着。クールモアのエースは5歳も現役続行と、私にとっては応援したい要素があまりに詰まりすぎています。何も大外枠に放り込まなくても……

 

2番人気にイギリス代表、チャーチル産駒の4歳牡馬ザフォクシーズ(オイシン・マーフィー騎手)。ダンテステークス1着からの裏道で英ダービーに参戦もオーギュストロダンの5着に敗戦。続いてアメリカ遠征を敢行し、欧州総大将としてベルモントダービー(ベルモントパークT2000)に挑むも現地の雄ファーブリッジの前に2着敗戦。前走英インターナショナルステークスも最下位に敗れ、GⅠ戦線に踏みとどまるにはより一層の成長が求められる今季初戦に挑みます。

 

その他、重賞2勝の実績を誇るイギリスの2頭、スピリットダンサージャックダーシーなどにも注目です。

2/25 01:50 GⅢレッドシーターフハンデキャップ(T3000)

最近はもはや別競技と化している長距離芝重賞ですが、GⅢに昇格して以後の2戦は「常識を疑え」ステイフーリッシュと「芦毛の暴走特急」シルヴァーソニックと日本馬が連覇しており、ここからの飛躍も望める一戦です。

 

出走馬は14頭。欧州の長距離重賞で聞いた名前は何頭かいますが、如何せん去年の「主観論者」サブジェクティヴィストのように名の売れたGⅠ馬はいません(多分)し、ここは日本馬4頭だけの紹介にさせてください。

 

3番人気、オルフェーヴル産駒の7歳牡馬、「鋼鉄の長距離砲」アイアンバローズ(クリスチャン・デムーロ騎手)。なんか一瞬ネオムターフのほうにも登録していたように記憶しているのですが、曖昧なので触れないことにしておきましょう。ステイヤーズステークスを幻惑逃げで快勝した良血は、世界の舞台でこそ輝く金色の暴君の血統です。出来ればバシシュー続投が良かったんですけど……多分クリスチャンでも逃げの戦法を取ると思うんですが、果たして。

 

6番人気タイ、ノヴェリスト産駒の6歳牡馬、「破天の極光」ブレークアップ(ジョアン・モレイラ騎手)。去年の阪神大賞典で示した長距離適性は私的にかなり驚きでした。昨秋に挑戦した豪州遠征では苦汁を呑みましたが、23頭立ての3200メートルなどという経験をした馬はそうそういる物ではありません。ここの結果次第では、再度の豪州挑戦もあり得るかもしれない。

 

6番人気タイ、キズナ産駒の4歳牡馬、「宇宙発電機」リビアングラス(坂井瑠星騎手)。世界のYAHAGI(以下略。菊花賞はドゥレッツァに翻弄されながら4着に残していますから、長距離適性はある方だとは思います。

 

10番人気タイ、ルーラーシップ産駒の7歳牡馬、「正真正銘」エヒト(川田将雅騎手)。正直何故ここにいるのかよくわかりません。去年小倉記念の勝利を生観戦した馬がなんでサウジアラビアで3000メートルも走るんですか。それでいて、えてしてそういう馬が勝利したりするのが競馬なので何とも言えませんが。去年の7着が経験として生きるのかどうか。

 

そして、このレースに共通するのは日本基準で軒並みいじめのような斤量を背負うことです。トップハンデはイギリス馬ジャヴェロットの62キロ。日本馬4頭も60~61.5キロ。くれぐれも怪我だけはしないようにお願いいたします。

 

流石に最後は集中が切れてきましたが、サウジカップ発送までにはメインディッシュを書き上げて投稿したい。できるかな?とりあえず今回はこの辺で一旦切ります。

 

それではまたすぐに。