こんにちは。

 

今回は週末競馬振り返りです。

 

・ドゥラっ子

・アルテミスステークス

・スワンステークス

・天皇賞

・コックスプレート

・BC小噺ほか

 

展望はこちらから↓

 

こんなメニューです。ブリーダーズカップ展望を並行して書いているので、少し分量は抑えめに。

 

それではスタート。

ドゥラっ子

今週の勝利馬は3頭。

 

土曜新潟6R、3歳以上1勝クラス(ダ1800)はワイルドベティ(今村聖奈騎手)が番手から圧勝。今村騎手に久々の勝利をもたらしたのはもちろん、9番人気とは思えないようなパフォーマンスで、これからも期待が持てます。

 

日曜京都3R、2歳未勝利(芝1600)はルージュプレジール(浜中俊騎手)が中団外目追走から直線入り口で一気にギアを入れ抜け出し、最後は1番人気馬の猛追を際どくしのぎ切りました。競馬をしっかり覚えて自分の力を素直に出せました。

 

個人的注目は、展望のさいにも少し触れましたが、土曜東京5Rの2歳新馬(芝1600)に出走したショウナンラピダス(戸崎圭太騎手)。スロースタートな今年のドゥラ2歳馬たちにおいて、ようやく大器感のある子がでてきてくれたなと思いました。差し競馬のお手本のようなレースで、エンジンのかかった瞬間はいかにもドゥラっ子という感じの加速を見せていました。来年のダービー馬を見つけた!とはしゃいでしまいましたが、少し譲ってもクラシックの中心的存在になるに違いありません。ドゥラ狂の言葉なので信じるか信じないかはあなた次第。次走は距離延長するそうで、非常に楽しみ。

 

そして飛び込んできたのはドゥーラが屈腱炎を発症したとの報。重賞タイトルを増やせる才能の持ち主が怪我とは、残念無念。幹細胞移植手術を行うとのことで、復帰には1年以上を要します。優駿2022年8月号に掲載されていたデアリングタクトの記事を思い出しました。デアリングタクトは繋靭帯炎発症後、幹細胞移植手術を行いました。手術自体はものの10分でおわるもの。しかしながらそれから長い、本当に長いリハビリ生活が待っています。前例のない治療を乗り越えた馬と人の物語が8ページの大ボリュームで綴られている素晴らしい記事なので、ぜひとも購読してみてください。

 

(CM)

 

ドゥーラも復帰するまで多くの困難が待ち構えているでしょう。けれども、どれだけ時間がかかっても、再び競馬場で走ってくれることを心待ちにしています。

GⅢアルテミスステークス(東京1600)

ラヴスコール6着。大外枠ながらよく頑張りました。最後は伸びていましたし、距離伸びてよさそうなので距離延長でリベンジを。

 

まあしかし、チェルヴィニア(クリストフ・ルメール騎手)が強すぎました。あんなにきれいな横綱競馬ありますか。2歳戦でサンデー×ルメール×有力厩舎は裏切らない。いやしかし、あの6月の新馬戦どれだけレベル高かったんだか。チェッキーノの名牝コースを着実に歩んでいますね。2着がサフィラというのも、やはり競馬は血統が大事なんだなあ(当たり前)と感じさせる結果ではあります。

 

面白かったのは4着のライトバック。見事な獅子舞ぶりを見せつつ「あ、これは沈んだわ」と思わせつつ健闘。血統も大変豪華。キズナ産駒、母父エクシードアンドエクセル、そして特筆すべきはその牝系です。泣く子も黙る世界のマルガレーテン牝系。シンコウエルメスを経由しているのも面白い。同牝系からはトリプティク、ジェネラス、イマジンにブリッシュラックなどなど書き切れないほど名馬が続出しています。日本でもフリオーソ、ディーマジェスティ、ミッキーロケットなどが同牝系。いいとこのお嬢様なのも含めて、アメリカ遠征中のどこかの真面目ちゃんに似てますね。人気出るかも。

 

GⅡスワンステークス(京都1400)

アヴェラーレルガルの敗戦にドゥラ狂は断末魔をあげました。

 

まあどちらも敗因ははっきりしており、むしろ能力があるからこそ7着と4着に突っ込んできました。そうポジティヴに捉えられるレースでした。フルゲートの短距離戦だと、どうしても難しいレースになることはあります。今回みたいにエンジンがかかった瞬間に外からかぶされたり、スタート悪かったりすると、それだけで勝利が遠のいてしまう奥深さ。アヴェラーレに関してはやはりマイルが適距離なのを確認できた機会でもありました。マイルCSで本命にします。

 

レースはしっかり荒れ模様。ウイングレイテスト(松岡正海騎手)お見事でした。番手競馬で押し切りましたが、抑えつつポジションを取り、綺麗に抜出す素晴らしい騎乗でした。ロータスランドは岩田父の本領発揮といったところ。久々にきれいなイン突きが見られたきがします。

 

GⅠ天皇賞(秋)(東京2000)

レース前、武豊騎手の負傷に混乱しました。当初詳細な情報が全くなく、もし重傷だったりしたら……と最悪な想像をしてしまいました。全治1か月もかからないみたいで本当に良かった。本当に命の危険と隣り合わせの危険な職業ですから、見ているこちらも気が気でない。

 

軽傷だと分かった後は、やはり残念だという感情が湧きました。戸崎騎手がどうこうではなく、武豊騎手でないと引き出せないドウデュースの真価が見たかった。リベンジに期待しましょう。

 

そして、天覧競馬の素晴らしい雰囲気で盛り上がった気分の先に待ち受けていたのは、ほとんど恐怖映像でした。これまで積み上げてきた競馬の常識を粉々にされました。「えぇ……(ドン引き)」という声を幾度となく漏らしてしまいました。本当に、なんなんですか、あれは。

 

勝利したのは「世界の天才」イクイノックス(クリストフ・ルメール騎手)。まさかの超ハイペースとなったなか、3番手を追走し、最後は全てを置き去りにしてしまいました。時計は1分55秒2。

 

トーセンジョーダンのレコードの際はシルポートが刻んだ56秒5という常識外のペースが後押しになりました。そのときはハイペース戦の「常識通り」に前の馬が総崩れ。3番手追走から6着となったエイシンフラッシュ(何の因果か鞍上ルメール)にはむしろよく惨敗しなかったなと感じるほど。

 

このレースも1着馬を除けば「常識」にかなってはいます。ハイペース戦の前崩れ。2着「万里の宮殿」ジャスティンパレスも3着「大成の予知」プログノーシスも最後方からやってきています。時計だって従来のレコードを遥かに更新しているのですから、キャリア最高のパフォーマンスと言っても過言ではない。

 

ただ、1頭だけ規格外の馬がいた。57秒7のペースで流れた10ハロンのレースが最後57秒5でまとまるのは競馬の常識にありません。あるはずがない。あれで負けないならどうやったら負けるのか想像がつかない。

 

スターズオンアースがいたらどうなっていたんだろう、という空想も少しばかりよぎりましたが、そういうIFをレース後すぐに言うのは無粋すぎるのでやめておきます。ジャパンカップに期待しましょう。

 

世間の反応的に、ジャックドールの鞍上藤岡佑介騎手に対しての意見が面白かった。おそらく、「やってほしいことを精一杯やってくれた」という反応が多数派だと思うのですが、私はあまり賛同できない。

 

もし藤岡佑騎手にあのような競馬を期待していたのだとすれば、それは騎手の腕を全く信頼していないことの裏返しだと思います。逃げさせさえすれば満足、という思考停止は騎手を成長させない。ジャックドールのような馬に騎乗するならばなおさらです。

 

ジャックドールの一番の武器は何か。それを考えたときに、57秒7の大逃げがそれに該当するかというと全く違うでしょう。佑介騎手にはもっとジャックドールの良さを信じてあげてほしかった。2ハロン目で加速させ、そのあとにしっかり落とし、ペースを完璧に管理するジャックの真骨頂を発揮してほしかった。

 

もちろん、佑介騎手の気持ちが全く分からないわけでもないのが、いっそうもどかしい。おそらくああしなければ一部のファンから「日和った」「弱気」という声が投げかけられることは必定でしたし、それが私の考えるジャックの競馬と合わないだけなのかもしれない。イクイノックスに勝つための乾坤一擲の勝負騎乗だったのかもしれない。思っていたペースよりただ早くなってしまっただけなのかもしれない。

 

でも、ジャックドールのあの破滅逃げは、私にとってはすがすがしいものには映りませんでした。それが少し残念です。

 

以上、素人のぼやきでした。お目汚し失礼しました。

 

さて、ジャパンカップにてどうイクイノックス&クリストフ・ルメールを迎え撃とうか。それを考えるのが楽しい。世界どころが宇宙から襲来してきた感のある絶対王者は、まさに国際競争のラスボスとしてふさわしい存在です。対する日本代表はドゥラ産駒の3頭が筆頭となるでしょう。

 

「天に掲げる至上の栄冠」タイトルホルダーと横山和生。

「天に届ける地上の星光」スターズオンアースとミルコ・デムーロ。

「三冠を贈る自由の令嬢」リバティアイランドと川田将雅。

 

キタサンブラックから出でた怪物を倒すため、ドゥラの薫陶を受けた3頭が立ち向かう。こんな面白いことが実現するなんて。父の代と構図が真逆なことも面白い。なんかイクイノックスが悪役みたいに言っていますが、強すぎると悪役っぽくなるのはある程度仕方ない。ドゥラ狂からすればそういう構図になるのも仕方ない。

 

なんかアイルランドから来てくれるコンティニュアスが霞んでないですか?すごい胸熱なのに。

 

GⅠコックスプレート(ムーニーバレー2000)

えぇ、ロマンチックウォリアー(ジェームズ・マクドナルド騎手)勝っちゃったよ。香港勢による快挙がなされましたね。

 

香港馬による豪GⅠ制覇はケープオブグッドホープ以来。スプリンターズステークスにも来てくれた馬ですね。青嶋実況が耳に残っています。

 

豪GⅠ馬ミスターブライトサイドアリゲーターブラッドとの激戦があまりに面白かった。誰が勝ったか分からないくらいの大混戦でした。

 

オーストラリアの名手にして、世界最高の騎手と評されるマクドナルド騎手の勝負騎乗も光りました。本人の回顧によると、残り1200メートルで馬を下げるというギャンブルをしたとのこと。直線が異様に短いあのコースで馬を下げるというのは並大抵の神経がないとできないことですから、やっぱりすごい。

 

秋天来る予定もあったんやけどなあ(遠い目)。

 

BC小噺ほか

ロワイヤルオーク賞にてダイワメジャー産駒ダブルメジャーが勝利してましたね。サンデー系の血が猛威を振るう今年の欧州戦線の異様さを印象付けるしめくくりとなったのではないでしょうか。

 

さて、BCについては回避馬続出の報に胸を痛めております。

 

「魔法学者」メイジ回避!「白銀の聖夜」アルカンジェロ回避!

 

アルカンジェロに関しては数日前から脚に熱感があったようで調教をパスしていました。アントヌッチ調教師が「問題ない」と述べていたとの情報もありましたが……無念。そのまま引退してアロゲートの血を繋いでいくようです。お疲れさまでした。

 

BCクラシック出走馬で今年のケンタッキーダービーを走った馬が何と1頭しかいなくなりました。

 

デルマソトガケしか。なんで日本馬しか残ってへんねん。

 

あと、日本馬エコロネオもBCジュベナイル出走取り消し。理由はまだわかりません。まあ、ジャスパークローネの帯同馬として選ばれ、未勝利馬なのにいきなりハイレベルな舞台を走らされるのも酷だったと思うので、まずは日本に無事に帰ってきてほしい。8月には競走馬取り違え事件の被害馬になるなどとことん運がないエコロネオ君は稀代の不憫枠におさまりつつあります。

 

ウシュバテソーロの追い切り(笑)とゲート嫌々事件で勝利を確信して、そろそろお開きにしたいと思います。

 

次回はブリーダーズカップ展望を二回に分けてお届けします。ウマ娘感想挟むかも。

 

それではまた。