こんにちは。

 

今回はブリーダーズカップ展望後半戦です。1日目はすべて2歳GⅠでしたが、2日目は3歳以上のGⅠが9レース開催されます。

 

有力馬の回避が続出しているのは悲しいですが、それでも豪華メンバーがそろっています。

 

JBCも展望したかったんですけど……全く間に合いませんでした。

 

紹介は時系列順に。早速いってみます。

11/5 3:30 GⅠBCダートマイル(ダ1600)

オフィシャルパートナーはケンタッキー州の機械製造メーカー、ビッグアスファン。工場とかにあるバカでかい空調ファンは大抵ここのものです。
 
スプリント戦では短く、クラシック戦では長い、距離適性を慎重に見極められた馬が出走するダートマイルGⅠの最高峰レースです。ここ数年の優勝馬がアメリカ競馬のトップランナーとなることも少なくなく、3年前の優勝馬「クラッチシューター」ニックスゴーはここで初GⅠを掴んだ後、3つタイトルを上乗せして年度代表馬を獲得しました。
 
フルゲートは12頭。登録は9頭。しかしながら、サンタアニタダービー馬プラクティカルムーヴが調教後に心臓疾患で急死。ゴーロケットライドもそうですし、とにかく今年のアメリカ競馬は故障や訃報など悲しいニュースが多すぎる。チャーチルダウンズ競馬場が開催停止処分を受けた件もそれが原因ですし、なにか馬の負担が大きくなりすぎる要素があったりするのでしょうか。それに加えて唯一の外国馬だったイギリス代表のドバイワールドカップ2着馬アルジールスが脚部不安で回避。アメリカ馬7頭立てのレースとなります。
 
構図は1強+重賞馬4頭。
 
このレースの中心は抜けた1番人気になるであろうカーリン産駒の5歳牡馬、「頑張るコディ―のために」コディーズウィッシュ(ジュニア・アルヴァラード騎手)。今年は4戦3勝、去年から年を跨いでダート7~8ハロンでGⅠ4連勝を達成した本馬は、距離延長で臨んだGⅠホイットニーステークス(サラトガ1800)にてホワイトアバリオとゼンダン(いずれもBCクラシックに出走予定)に敗北。距離を戻した前走のGⅡを貫録勝ちして、万全の状態で連覇に臨みます。
 
ちなみに、馬名意味は「コディーの望み」。難病である遺伝疾患に苦しむ男の子、コディー・ドアマン君からつけられたものです。

 

詳細は上のリンクから。英語のドキュメンタリーですが、比較的わかりやすく、そして競馬の持つポジティブなエネルギーを感じられるものですので是非見てみてください。

 
大本命に対抗する4頭は以下の通り。
 
マニングス産駒の4歳牡馬ゾゾス(フローレン・ジェルー騎手)。
GⅢアックアックステークス(チャーチルダウンズ1600)を制して”Win and You're in"。
 
クオリティロード産駒の3歳牡馬、「秘された国宝」ナショナルトレジャー(フラヴィアン・プラ騎手)。
米国三冠レースであるGⅠプリークネスステークス(ピムリコ1900)を勝利していますが、そこから3戦続けて着外に沈んでいます。
 
タピット産駒の4歳牡馬チャージイット(ジョン・ヴェラスケス騎手)。
7月にGⅡサバーバンステークス(ベルモントパーク2000)を制し重賞2勝目。8ハロンと10ハロンの重賞を1つずつ獲得しました。
 
エグザジュレイター産駒の4歳牡馬スキッピーロングストッキング(タイラー・ガファリオン騎手)。
今シーズンは重賞で3回1番人気を背負い、そのうち2回は人気に応えています。前走GⅡチャールズタウンクラシックステークス(チャールズタウン1800)は5馬身差の圧勝でした。
 

11/5 4:10 GⅠBCフィリー&メアターフ(芝2000)

オフィシャルパートナーはイリノイ州の酒造メーカーであり、サントリーの子会社であるビームサントリー。レース名には同社の販売するウイスキーの銘柄、Maker’s Markが冠されています。

 

牝馬限定の芝中距離レース。”Win and You're in"に当てられたレースがなんと7か国9レースにわたるため、各国から有力馬が集結しやすくなっています。日本では2年前のラヴズオンリーユーの快挙が記憶に新しいところです。

 

フルゲートは14頭、登録は12頭でスクラッチは現状ありません。5か国から出走馬が集う国際色豊かなレースとなります。内訳はアメリカ5頭、カナダ1頭、イギリス3頭、アイルランド2頭、そして日本から1頭。

 

芝レースということもあり、中心となるのは欧州馬です。欧州の3頭、米国の2頭、そして日本の1頭を紹介していきます。

 

想定1番人気はイギリス代表の4歳馬、フランケル産駒の「ハリケーン・アイ」インスパイラル(ランフランコ・デットーリ騎手)。欧州マイルGⅠ5勝、ジャックルマロワ賞連覇など圧倒的な実績を持って初の米国遠征・初の10ハロン戦挑戦を敢行しました。BCマイルと登録間違えてない?しかし、このレースを勝利すれば、能力が落ちていないとされ来年の現役続行もほぼ確実となるらしいので、個人的にはかなり応援の感情が強い。いや、でも日本の美女がでるんだよなあ、困ったなあ。

 

想定2番人気はアイルランド代表の3歳馬、ガリレオ産駒の「心情厚誼」ウォームハート(ライアン・ムーア騎手)。古馬混合の牝馬限定GⅠヨークシャーオークスとヴェルメイユ賞を連勝中です。こちらは12ハロン戦で強い馬のため、10ハロンは5月以来の挑戦。階級違いの欧州馬2頭、4歳馬と3歳馬の激突がこのレースの主軸となることは間違いないでしょう。

 

欧州馬の注目はもう一頭、アイルランド代表の3歳馬、サクソンウォリアー産駒のルミエールロック(ディラン・マクモナグル騎手)。サクソンウォリアーというところでピンときた方もいると思いますが、父父ディープインパクトです。欧州牝馬中距離戦で安定した結果を残し続けてきました。悲願のビッグタイトルを獲得する地力は十分あります。

 

これに対抗する地元アメリカ勢も3頭を紹介。

 

推定3番人気はドバウィ産駒の5歳馬、インイタリアン(ジョエル・ロザリオ騎手)。8~9ハロンのアメリカ芝GⅠを4勝しています。フロリダを拠点としているため、西海岸は初遠征。去年のBCフィリー&メアターフ(キーンランド2000)では英オークス馬チューズデーに1馬身差及ばずの2着。欧州馬にはもう負けられないといったところ。

 

推定4番人気はグタイファン産駒の5歳馬、フェヴローヴァー(ハビエル・カステリャーノ騎手​​​​​​)。イギリスからアメリカに移籍後。米加でGⅠ2勝。距離も水も合っている自由の大地にて、故郷で食らった借りを返せるか。父名に聞き覚えがないですが、ダークエンジェル産駒の重賞馬のようです。

 

米国馬の注目はもう一頭、オルペン産駒の5歳馬ディディアヴィンセント・シュミノー騎手)。アルゼンチンで生産され、3歳時は同国で活躍。アルゼンチンGⅠを2勝しアメリカに移籍後もしばらく連勝が止まらず、連対に関しては重賞戦線に参入した後も止まらず、10戦連続で外していません。オルペンに関してはサトノダイヤモンドの母父、ドゥラエレーデの母母父でおなじみですが、日本で見られるアルゼンチンの血統なんてこの馬くらいしかいないのでは。

 

さて、こんな強力な面々に挑む日本馬1頭を最後にご紹介しましょう。

 

「ブロンドの美女」ウインマリリン(クリスチャン・デムーロ騎手)。6歳馬ですが、なんとメンバー最年長。登録馬が多かったら除外されるかもしれませんでしたが、無事出走できてよかった。去年の暮れに掴んだGⅠは異国の地でした。海を越えて花開いた遅咲きは、今年どうにも奮わず。好走が期待できるエリ女を選ばないでBCを選んだその胆力は、さすが手塚先生。さすがウイン。おそらく残り少ない競走生活をより華やかなものにしてほしい。

 

日本馬にこんなこと言うのもどうかと思いますが、少し時計がかかってほしいかな、と。スピード決着になるとインスパイラルがとんでもなく強いと思うので。消耗戦になってウォームハートとの勝負の方がまだ勝機がありそうだな、と適当に予想をしておきます。

11/5 4:50 GⅠBCフィリー&メアスプリント(ダ1400)

オフィシャルパートナーはペンシルバニア州に本拠をおくPNC銀行です。

 

牝馬限定のダート短距離レース。ディスタフ(ダ1800)だと長い馬がこちらに回ってきます。路線が限定されすぎていて、正直出走馬についてはよく分からないことも多いです。

 

フルゲートは14頭、登録は9頭。スクラッチは現状ありません。日本馬1頭がアメリカ馬8頭に挑みます。

 

注目馬は3頭。

 

圧倒的本命は前年の覇者、ゴーストザッパー産駒の5歳馬グッドナイトオリーヴ(イラッド・オルティス・ジュニア騎手)。アメリカダート7ハロンのGⅠを3勝している、この条件限定の絶対女王と言って差し支えないでしょう。ライバルのエコーズールーとの決戦が見たかった気持ちもありますが、残念ながら骨折で回避。好敵手がいないレースでは負けられない。

 

さて、アメリカの馬をもう1頭紹介するのですが、この馬は日本にかなり関係があります。シャックルフォード産駒の4歳馬ユウギリ(リカルド・サンタナ・ジュニア騎手)。名前からして日本の風が漂うのですが、馬主にご注目。Tsunebumi & Sekie Yoshihara……吉原毎文&吉原世紀恵……そう、「エア」の人です。日本だと「ラッキーフィールド」名義ですね。ラッキーフィールドも吉=ラッキー、原=フィールドだったりするんですけど。母ユヅルも吉原夫妻の持ち馬です。重賞含む2連勝の勢いをかって参戦です。

 

そして、日本から参戦するのは「真面目に獅子舞」メイケイエール。初ダート、初のアメリカ、5連敗中、いつ爆発するかわからない気性などなど、懸念材料はてんこ盛りですが、それでも期待せずにいられない魅力を放っているのがアイドルホースたるゆえん。勝利するときの圧倒的パフォーマンスは何かがハマれば発揮できるはず。心のパートナー池添騎手とともに、苦心し続ける陣営とともに、名古屋娘の挑戦は続きます。

11/5 5:30 GⅠBCマイル(芝1600)

オフィシャルパートナーはオンラインベッティング事業を展開するアメリカのファンデュエルです。

 

芝のマイルレースということで、5か国から牡牝問わず有力馬が集結したビッグレースです。過去の優勝馬も国際色豊か。古くはルアーミエスク、最近だとフランスのゴルディコヴァ、アメリカのワイズダン、イギリスのモダンゲームズなどが有名でしょうか。エクリプス賞(アメリカ競馬の年度表彰)にも直結するレースです。

 

フルゲートは14頭、登録は14頭。現状スクラッチはアメリカ馬エグゾルテッド1頭。アメリカ6頭、カナダ2頭、イギリス2頭、フランス1頭、日本2頭の13頭立てとなります。

 

ひいき目なしでも2強対決と見て良いでしょう。欧州の女傑と日本の女傑による世界戦です。

 

僅差の想定1番人気はイギリス代表の3歳牝馬、エクシードアンドエクセル産駒の「理想の波乗り」モージ(オイシン・マーフィー騎手)。当ブログはずっとモージュと記載していましたが、JRAの表記がモージなので合わせます。英米でGⅠ2連勝中。英1000ギニーで「ショート・シスター」タヒーラを破り、その後のコロネーションステークスを回避。先日引退したタヒーラとの再戦はかないませんでした。秋はBCマイルに目標を絞り、アメリカ遠征初戦のGⅠクイーンエリザベス2世チャレンジカップ(キーンランド1800)を半馬身差勝利。調整過程は完璧です。

 

迫る想定2番人気は日本代表の5歳牝馬、キズナ産駒の「府中の歌姫」ソングライン(戸崎圭太騎手)。去年は回避せざるをえなかったレースに1年の時を経て参戦です。左回りのマイルというだけで日本史上最強クラスに強い彼女は、サウジ遠征の経験もあり、好走のみならず頂点を狙える存在です。今季存分に見せつけている日本競馬のレベルの高さを再度刻み付けてくれると信じています。

 

大外に放り込まれる悪夢に見舞われたのがイギリス代表の5歳騙馬、ドバウィ産駒のマスターオブザシーズ(ウィリアム・ビュイック騎手)。2年前の英2000ギニー2着馬は今秋の北米遠征が吉と出て、カナダの地で初GⅠ制覇をつかみ取りました。前走GⅠクールモアターフマイル(キーンランド1600)ではアメリカ馬アップトゥザマークのハナ差2着。勝ち馬はBCターフに向かうため、このレースに出走する馬の中でアメリカ芝マイル戦線での一番の実績馬はこの馬と言っても差し支えないでしょう。

 

不気味に牙を研ぐのがフランス代表の3歳牝馬、フランケル産駒の「受け継ぎし金冠」ケリナ(マキシム・ギュイヨン騎手)。こちらもケリーナ表記をJRAの表記にあわせています。驚きのフォレ賞制覇からこれまた驚きのBC参戦。オーナーブリーダーのヴェルメテール兄弟は過去にBCマイル3連覇を達成したゴルディコヴァを所有。レース適性の見極めや遠征のノウハウは完璧にそろっています。ここでも伏兵に甘んじるようなら、一発があった時に皆が手痛い思いをするでしょう。

 

地元アメリカ勢の筆頭はジミークリード産駒の7歳牡馬カサクリード(ルイス・サエス騎手)。33戦のキャリアは伊達ではなく、アメリカの芝GⅠ4勝を誇っています。今季はサウジのGⅢ1351ターフスプリント(キングアブドゥルアジーズ1351)から始動し、バスラットレオンのアタマ差2着。10着ソングラインが本調子ではなかったとはいえ、彼女には遥かに先着しています。その後国内でGⅠ2着、GⅢ1着、GⅠ1着と絶好調。自らの適距離をやっと見つけたベテランの真価が発揮されるかどうか。

 

最後に日本からもう1頭参戦馬をご紹介。スクリーンヒーロー産駒の6歳牡馬ウインカーネリアン(三浦皇成騎手)です。まさか三浦騎手の初GⅠ制覇はここだったりして……?先行力のある彼の走りはアメリカ競馬にはぴったりですし、血統も父父グラスワンダー、母父マイネルラヴのあたりが胸熱です。

11/5 6:10 GⅠBCディスタフ(ダ1800)

オフィシャルパートナーはスイスの時計メーカーであるロンジン。競馬ファンにはおなじみの名前ですね。

 

牝馬限定のダート9ハロン戦。ニューヨーク牝馬三冠出走組が中心になります。このブログはどうしてもアメリカの牝馬路線を軽視しがちなので、実はあまりなじみがない名前が多く、他のレースより熱量が薄い。出走はすべてアメリカ馬です。少し箸休めぎみに、簡単に5頭を紹介。

 

古馬勢は東のイディオマティック(フローレン・ジェルー騎手)と西のアデアマナー(ジュアン・ヘルナンデス騎手)が中心。前者はパーソナルエンスンSスピンスターSで9ハロンのGⅠ連勝中。後者はGⅠクレメントLハーシュSなど重賞4つを含む5連勝中。

 

3歳勢はニューヨーク牝馬三冠レースの勝馬が中心。エイコーンS勝者のプリティミスチヴァス(タイラー・ガファリオン騎手)、CCAオークス勝者のウェットポイント(フラヴィアン・プラ騎手)、アラバマS勝者のランダマイズド(ホセ・オルティス騎手)に注目です。

11/5 6:50 GⅠBCターフ(芝2400)

オフィシャルパートナーはロンジン。

至高の5か国決戦。フルゲート14頭に登録13頭、スクラッチ1頭で12頭立てとなりました。

 

中心的存在は欧州馬。今年の欧州中距離GⅠウィナーは3頭参戦しています。

 

「衝撃の彫刻家」オーギュストロダン(ライアン・ムーア騎手)は実績で他を圧倒。英フューチュリティT、英ダービー、愛ダービー、愛チャンピオンSでGⅠ4勝。欧州をゆるがすディープインパクトのラストクロップは、ついに大西洋を越えその名を轟かせんとしています。懸念点は、負けたレース全てが飛行機輸送だったこと。今回ももちろん飛行機輸送のため、精神面での調整がどこまでうまくいっているのかは未知数です。

 

「シャドウェルのスナイパー」モスターダフ(ジム・クローリー騎手)は重馬場を嫌って英チャンピオンSをスクラッチ。プリンスオブウェールズSと英インターナショナルSと連勝中の本馬に土をつけまいと、次の舞台に米国を選びました。ただ、あまりに速い時計への対応は疑問符がつきます。

 

「因縁の鋼鉄王」キングオブスティール(ランフランコ・デットーリ騎手)はオーギュストロダンのライバルと呼んで差し支えないでしょう。通算先着回数は1勝3敗。ライバルが不在の英チャンピオンSにてデットーリのアスコットフェアウェルライドを綺麗に飾ってみせました。異国の地で因縁の同期との決戦に挑みます。

 

地元アメリカ勢の中心はGⅠ3勝馬の2頭。

 

「気分上々」アップトゥザマーク(イラッド・オルティス・ジュニア騎手)はGⅠ3連勝中。ただ、12ハロンへの距離延長は初となります。「戦女神」ウォーライクゴッデス(ジュニア・アルヴァラード騎手)は牝馬ながらにアメリカ芝中距離路線を引っ張る存在。一昨年はBCフィリー&メアターフ3着、昨年はBCターフ3着とこの舞台では惜敗が続いています。

 

日本から挑むはダービー馬、「偉大なる王」シャフリヤール(クリスチャン・デムーロ騎手)。最内枠を引き当てました。昨年のドバイシーマ以来5連敗を喫しており、評価は右肩下がり。とはいえ、アメリカで快挙達成となればそれらの雑音は一気に消え去るでしょう。3歳時に日本ダービー、4歳時にドバイシーマ、5歳時にBCターフを制するとなれば、名馬以外の何物でもない。オーギュストロダンとのディープインパクト産駒対決にも注目です。まさか米国の地で日本調教馬と愛国調教馬という形で実現するとは。すごい時代になったものです。

 

11/5 7:40 GⅠBCクラシック(ダ2000)

オフィシャルパートナーはロンジン。

ダート強豪国アメリカに日本の王者たちが挑む、世界最高峰の舞台です。

 

去年はまさに最高レベルのレースでした。最強馬フライトラインを捨て身で崩しに行ったライフイズグッドに胸を熱くした人は多いはず。フライトラインが引退せずにドバイ遠征していたらどうなっていたのか、見てみたいところでもありますが。

 

今年はアメリカ側の回避馬が続出して、当初の想定より層は薄め。ケンタッキーダービー馬メイジは熱発。ベルモントステークスとトラヴァーズステークスを制して3歳の頂点にたっていたアルカンジェロは故障で引退。ハスケルステークスの勝者ゴーロケットライドに至っては調教中に骨折し、懸命の治療むなしく安楽死となってしまいました。合掌。

 

今年のアメリカ競馬は薄気味悪いくらいに事故が多発しています。管理に問題があるのか何なのか。人馬とも無事に競馬が行われてほしい。

 

アメリカ総大将は3歳馬。「千夜一夜物語」アレイビアンナイト(フラヴィアン・プラ騎手)。GⅠパシフィッククラシックを逃げ切り勝ち。キャリアが4戦しかないので能力の底がわかりません。ゴーロケットライドとは1勝1敗のライバルで、この舞台で改めて決着をつけるはずでした。亡きライバルの想いも背負い、アメリカ中の想いも背負い、夢叶う舞台に挑みます。

 

というか、今更気が付いたんですけど、BCターフにシャフリヤール、BCクラシックにアレイビアンナイト(アラビアンナイト)が出走するの、すごい奇跡なのでは。サイン馬券としていかがでしょう。

 

他にも強力な古馬勢も健在。GⅠで1-2-3-1の安定感を誇る「残弾数なし」ゼンダン(ランフランコ・デットーリ騎手)。デットーリ騎手は9年ぶりのBCクラシック騎乗となります。さらに前走ホイットニーステークスを6馬身差で圧勝したGⅠ2勝馬「白き豊穣」ホワイトアバリオ(イラッド・オルティス・ジュニア騎手)。厩舎ではブラックアバリオという黒猫と仲良しです。

 

ペンシルバニアダービーのワンツーサウジクラウン(フローレン・ジェルー騎手)とドリームライク(ホセ・オルティス騎手)、ジョッキークラブ金杯のワンツーブライトフューチャー(ジョン・ヴェラスケス騎手)とプロクシー(ジョエル・ロザリオ騎手)なども有力です。

 

要するに、みんな強い。

 

けれども、現地においても日本馬は侮られてはいません。それほど実力が認められているということ。

 

日本の古馬代表は「金鉱眠る鋭鋒」ウシュバテソーロ(川田将雅騎手)。調教で出入り口を探して一目散に帰ろうとして、「ほかの馬もみんな頑張ってるよ」と幼稚園児みたいな扱われ方をする6歳馬。地獄パドックはやる気がないわけではなく、激しい気性が爆発寸前であるからなどなど、関係者によってその生態が盛大にばらされてきたここまでのアメリカ遠征。ネタが豊富でなおかつとてつもなく強いなんて、誰の子なんやろうなあ?

 

BCクラシック→ドバイWCというように年を跨いで勝った馬はシガーインヴァソールの2頭(多分)。同年のドバイWC→BCクラシック制覇は前例がありません(多分)。

 

日本の3歳代表は「驚愕の決まり手」デルマソトガケ(クリストフ・ルメール騎手)。なんと今年のケンタッキーダービー出走馬でBCクラシックに出走する馬はこの馬しかいません。ドバイでの優勝は言わずもがな、ケンタッキーダービーもゲートの出遅れが致命的だっただけで力負けではまったくありません。日本テレビ杯回避で成長度が図れなかったのは残念でしたが、マインドユアビスケッツ産駒の一番槍として、父が惨敗した舞台でリベンジを果たしたいところ。

 

これ、勝てるのでは(小並感)?勝てるどころかワンツーあるのでは(楽観)?

11/5 8:25 GⅠBCターフスプリント(芝1000)

例年はBCクラシックが最終レースになることが多い気がするんですけど、今年は違うんですね。

 

芝短距離戦、フルゲートは12頭、登録は16頭、スクラッチは現状3頭。アメリカ馬レーンウェイが除外対象です。米英愛日の4か国決戦です。

 

キングズスタンドステークスを勝利したGⅠ馬「カクテルキング」ブラッドセルが回避し、有力馬が一頭不在の格好。

 

推定1番人気はイギリス代表の4歳騙馬、プリンスオブリル産駒の「我が世の秋」リヴインザドリーム(スィーン・キレーン騎手)。前々走ナンソープステークスにて「走りまくる王女様」ハイフィールドプリンセスと「カクテルキング」ブラッドセルを破り初GⅠをとりました。前走の米国遠征初戦は4着に負けたものの、一叩きして調子は上がっているはずです。

 

GⅠ馬はもう1頭、アメリカ代表の6歳牝馬、ミズンマスト産駒のカラヴェル(タイラー・ガファリオン騎手)。3走前にジャイプールステークスを制しましたが、実は5ハロンへの距離短縮は久々となります。なんかクラヴェルと馬名にてるな。

 

日本から参戦するのはジャスパークローネ(川田将雅)。アメリカ生産の外国産馬なので、ある意味里帰り。父フロステッドはごりごりのアメリカダート馬。実績という面では一枚劣りますが、絶対的な存在がいないスプリント戦はえてして荒れるもの。サンタアニタに翻らせる日本国旗の数をできるだけ増やしてほしい。

11/5 9:00 GⅠBCスプリント(ダ1200)

オフィシャルパートナーはカタールの王族が所有し、イギリスに本拠を構えるレーシングクラブ、カタールレーシング。

 

ダート短距離戦、フルゲートは14頭、登録は9頭、スクラッチは1頭。すべてアメリカ馬で8頭立てのレースとなります。

 

外枠3頭が人気をしています。2頭のGⅠ馬でライバル関係にあるエリートパワー(イラッド・オルティス・ジュニア騎手)とガナイト(タイラー・ガファリオン騎手)、それに重賞ウィナーのスピードボートビーチ(マイク・スミス騎手)。

 

名前が面白いのは最内枠のナカトミ(ルイス・サエス騎手)。鎌足ですか?馬主も生産も母馬もなにもかも日本と関係ない。まあ、ユウギリなら日本人がつけた馬名だなと思うんですが、ナカトミだのヒトツだのは外国人がつけた日本風の名前なんだろうなあ、と思わなくもない。

 

最後の方は明らかに息切れしてしまいました。あとから加筆するかもしれませんが、とりあえずこの辺で。

 

これ書いていたら、JBC終わっちゃったし。アイコンテーラーのレース展望したかったのに。今夜は国内の競馬の振り返りと展望を書きます。どうせBC見るために変な睡眠のとり方になるでしょうから、日曜の朝に投稿できれば御の字ということで。

 

それではまた。