こんにちは。
ドイツ戦の完勝ぶりに慄いています。すげえなあ。
まあ、他趣味の話はまた別の機会にするとして、今回はシングレ感想編です。
!注意!
ネタバレを含みます。扱う話の範囲のみならず、その先の展開、本誌連載分や史実までネタバレが及ぶ恐れもあります。単行本のみでシングレを追いたい方や、史実の知識を入れないで漫画を楽しんでいる方はブラウザバックを推奨します。
読みながら思いついたことをかなりダラダラ書いていますが、ご了承ください。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
第3R 『信じて良いかも』
扉のキャラ紹介はベルノライト。きれいな栗毛と流星です。元ネタとうわさされるツインビーも栗毛のようで、偶然の一致ですね。写真が見つからなかったので流星があったかどうかは分かりませんが。
本編スタート。
デビュー戦で出遅れたオグリキャップ。足を気にするそぶりをベルノライトだけが見抜きます。
逃げるのは3番サウスヒロイン(ノースヒーロー)。8番セカイトーハー(ニツポンセイハー)を挟んでフジマサマーチ(マーチトウショウ)は3番手の好位につけます。
オグリの視点から先頭が見えない構図は、今年から導入されたジョッキーカメラを見るとよく分かります。確かに、レース中は先頭が見えない。前の馬がどのくらい逃げているか分からないため、後方に馬を待機させるジョッキーは私たちが思っているより胆力がいるのでしょう。
外に膨らんだ6番ウォークダンサー(リードウオーク)に押し出されてしまうオグリキャップ。最悪のレース内容といって差し支えないほど不利が重なります。
ウマ娘名物「無理ぃー!!」を発したサウスヒロインを抜いてフジマサマーチが先頭に。サウスヒロインのかわいさに目覚めそう。
残り200メートルを通過してやっと先頭のマーチを視認したオグリ。北原の教えを思い出して、特訓の日々を思い出して、足首の力を前方への推進力へと変えるべく踏み込みます。川砂の塊が砕け散るほどの迫力で大外一気。レース描写の破壊力がえぐい。
北原の教えで速くなったことを実感したオグリキャップは、「信じて良いかも」とタイトル回収しつつ、ようやくここで北原に対する信頼感を抱きます。レースに出るための存在から、レースを勝たせてくれる存在へと進化を遂げた北原の声援を受け、先頭のマーチとの一騎打ち。オグリは他人と打ち解け合うタイプではありませんが、ひとたび人のことを信頼すると、その信頼を何があっても曲げない素朴な素直さが魅力ですね。
マーチが伸び、オグリが食らいつく、一進一退の攻防。踏み込んだ際に顔をゆがめ、それを見逃さないベルノライト。残り100メートルで第3話は幕引きです。いいタイミングで切るなあ。
おまけ絵はデビュー戦の出走ウマ娘一覧。
サウスヒロイン=ノースヒーロー
セカイトーハー=ニツポンセイハー
ベーテシュガー=ベンテンシヤトー
ジョイメーカー=フエートジヨイ
ウルトライチバン=スーパーイチバン
オーカンメーカー=フエートオーカン
ロイヤルチェリー=チエリーロード
ウォークダンサー=リードウオーク
参考までに、JBISサーチのレース結果を貼っておきます。地方の一新馬戦まできちんと結果が残っているのがすごい。
さきにレース結果貼るのもどうかと思いますけど、どうせあと1話で決着しますし、いいですよね。
当時地方競馬では拗音・撥音の使用が認められていなかったため、すべてカタカナ大文字での表記です。実際、オグリキャップも笠松時代は「オグリキヤツプ」という表記でした。
ウマ娘世界は基本的に現代基準のルール設定となっているため、ローカルシリーズのウマ娘名も制限がありません。まあ、ウマ娘の名付けに関しては、別世界からの啓示でもない限りは思いつかないような名前つけてる感じなので、あまり突っ込んでも行けませんが。女の子に「キング」「ミスター」「ツヨシ」ってつけても違和感がない世界なわけですからね。
第4R 『今度は勝つ』
扉絵はオグリとマーチ。まさにライバルといった構図です。オグリの最初のライバルが芦毛というのも何か感じ入るものがありますね。
さて、本編スタート。残り100メートルを切っての叩きあい。
歯を食いしばり、最後の力を振り絞るマーチの横で、オグリが体勢をくずします。マーチが左のオグリを無言で見たその瞬間がゴール。フジマサマーチがクビ差の勝利を飾りました。マーチ応援隊が歓声を上げる中、呆然とした表情でオグリを睨みつけるマーチ。とても勝者とは思えない描写です。
脱力する柴崎に小物臭漂う北原。「ふぅう~…、なんとか…まずは一勝…」という柴崎トレーナーの気持ちは、有力馬を預けられた厩舎の人の気持ちとかぶるものがありそう。
確定した結果が表示されたビジョンをじっと見続けるオグリキャップ。駆け寄るベルノライトに血が出るほど手を握りしめていたことを指摘され、初めて自分の中にある「悔しさ」に気づきます。
そしてレース中、オグリに感じた違和感の正体に気づくベルノライト。それはボロボロの靴でした。地面を砕くかのようなパワーで走るオグリにとって、靴の強度は大切な要素。ここはベルノライトの出番ですね。
馬場を整備するスタッフが怪物の足跡に驚くコマにおいて、足跡の表現がなんか怖い。黒色が怖さを増しているんでしょうか。そりゃまあ、こんな足跡つくなら、シューズも壊れますわ。
さて、場面変わって校長室。マーチ・柴崎を手放しでほめる校長に、謙遜する柴崎でしたが、険しい表情を崩さないマーチからは驚きの一言が飛び出します。
「目標は東海ダービーです。ですがそれは、オグリキャップに勝ってからです」
当然キョトンとする校長ですが、柴崎はどこか心配そうにマーチを見やります。マーチはオグリが最後までフルパフォーマンスを発揮してはいないことを感じ取っており、彼女が他のウマ娘とは違うレベルにあることをデビュー戦で理解しています。東海ダービーを目指すうえで最大の障害となるであろう存在が誰なのか。こればかりは、一緒にレースを走っていないと分からない感覚です。
オグリショッピングをベルノに託す北原。二人が話している間のオグリが「やめれ」とか、「あ、虫」とか、いちいち幼稚園児みたいで可愛い。疑似家族みたいなほっこり感がある。
少し話がそれますけど、シングレ世代ってビジュアル的に家族っぽいですよね。冊子版のうまよんにそんな話が合ったから影響されてますけど、オグリが父、クリークが母、タマモとイナリが子供、みたいな。そうでいて中身はオグリが一番子供っぽいというギャップ。オグリギャップ
はい、話を戻しましょう。
スポーツ用品店「Light」に来店した二人。わんこ?とリボンとハートがモチーフの靴に耳をピコピコさせるオグリですが、ベルノが持ってきた靴はそれと対極のゴツくて渋い逸品。やたら詳しく語りだすベルノライトに、宇宙を背負うオグリキャップ。ベルノライトの実家はスポーツ用品店とはいえ、親の仕事にめちゃくちゃ興味のある子どもだったんですね。「すこし知ってるくらいだけど」だの言うとりますが、もはや継がせたらどうかと思うレベルです。というか、実家のスポーツ用品店が「Light」ってことは、今この状況は社長令嬢が来店しているというとんでもない状況になるわけで。というか、店舗の大きさを見るに、Lightの事業規模かなりデカそう。ベルノライトの実家はかなり太そうです。
さて、ベルノライトの助力を受けて初戦で見つかった課題を一つクリアしたオグリキャップ。友人の助けにやる気もみなぎります。「もう負けられないな…今度は勝つ!!」とタイトル回収をした2週間後、オグリキャップの2戦目が行われる日。¥82,005の領収書を前に表情筋がお亡くなりになるジョー。ベルノライトはオグリに意地悪を仕掛けてきたことのあるノルンエースを警戒します。
そんなノルンエース、何やらミニーザレディの耳打ちにニヤリと嫌な笑み。
うーん、なんか後の展開知ってると新鮮ですね。
おまけ絵は読モとかやってそうなノルン。「イモ出てる、イモ出てる」と後に言われることになるとは想像もつかないほどポーズ決まってますね。陽キャのいじめっ子とか、学校モノに必ずと言っていいほどいますよね。ジェネリック。
第5R『次元が違う』
キャラ紹介は北原穣。誕生日3月28日はモデルの一人と言われる安藤勝己元騎手に準拠。身長185センチとけっこう長身。「昔は尖ってた」という文言は後にエピソードとして出てきます。たしかに尖ってましたが、それ以上に怖い大人が近くにいましたね。
8人でのレースとなっていますが、史実は7頭立て。しかもオグリの新馬戦のメンツからフジマサマーチ(マーチトウショウ)とベーテシュガー(ベンテンシヤトー)、それからオーカンメーカー(フエートオーカン)を抜いただけであとは全く同じメンバー。つまり、ノルンエースは漫画オリジナルキャラであることが確定、そしてオリジナル展開による出走となっています。
扉絵はストリート系の三馬鹿。ルディのギザ歯が好きなんですが、三人の中では一番ノーマルな感じの服装。彼女は根本的には真面目なところが見受けられるので、イメージに合いますね。
綺麗なスタート切ったレースですが、何かを企むノルンエース。ミニーザレディの口からその内容が語られます。
スパートをかける瞬間にかかとを踏むというかなり陰湿な嫌がらせ。一回見ただけのオグリの走りをしっかり分析したうえで計画を立てているのが、ある意味ミニーのすごさだったりするのですが。
嫌がらせの計画に一貫してドン引きしているルディ。思い返してみれば、彼女がオグリにしたことといえば、オグリを「泥ウサギ」と呼び、オグリに話しかけたときに無視されキレたことくらい。呼び方はまあ悪意がないこともないですが、「話しかけてんだから返事くらいしろや!」はある意味当然の反応です。その他、ミニーとノルンの言動に冷静なツッコミを入れたりと、かなり常識人だと分かります。
実際、二人のいたずらに同調することはあまりありません。オグリの靴紐をミニーがほどいた件でも、「それはお前…ダメだろ!」と言っていますし、今回もそんなかんじです。三馬鹿とまとめるのも可哀そうかも。
オグリの後ろにつくノルンですが、オグリの放つオーラに気圧されます。今日も元気なサウスヒロインちゃんが逃げの手を打ち、残り200メートル。オグリに対して「出る杭は打ちたい」という種の気持ちを抱くノルン。狭いコミュニティで生きていくとなると、そういう人間も一定数いますし、なにより半スポーツパーソン的な暗部が見え隠れするのもローカルシリーズならではといった感じ。
そもそも連載当時は笠松競馬がもっとやばいことになってた時期ですしね!
一般的な美少女擬人化モノだったらそんなところまで描写しなくてもいいようなものを、プリティーの冠が外れたのをいいことに地方の泥臭さ、史実の悲しさを感じさせるシングレ、そりゃまあ、深みも出てくるってもんですわな。
ともあれ、オグリのかかとを踏む寸前にオグリは土を蹴り上げスパート。砂をかけられ激高しかけるノルンでしたが、目に飛び込んできたのはその一瞬で遠く離れたオグリの背中。
一緒にレースを走ったものでないと分からない、彼女のすごさに当てられ座り込んでしまったノルンエースは頬を紅潮させ「すげぇ…」と呟く。
オグリキャップの初勝利は史実だと4馬身差。意気消沈するノルンエースを気遣うオグリがもう、イケメンすぎて。競技者としての格も、人間性(ウマ娘性?)の格も自分よりはるかに高いオグリに罰の悪い表情を浮かべるノルン。ウマ娘オグリキャップの魅力として、一つのレースで評価を覆し、何気ない行動がイケメンムーヴなこと。要するに主人公ってことですね。
さて、お待ちかねのウイニングライブ。「ライブの練習全然やってねぇ…」と爆弾発言の北原ですが、大丈夫なわけがない。
ルディとミニーにオグリのやばさを語るノルンの顔はずっとひきつっており、体の震えも止まりません。
ルディの第一声が気遣いの発言なのは彼女の優しさを表していますし、ミニーの第一声がいたずらに関しての発言なのは彼女の狡猾さを表現しています。キャラがぶれてないのいいですね。
「あんな脚力…もし踏んだとしても私が吹っ飛んでた。一緒に走ったから分かる…アイツ…次元が違う」
一緒に走ったから分かる、というのはウマ娘コンテンツに共通する大きなテーマ。「次元が違う」とタイトル回収もはさみつつ、シリアスな雰囲気でウイニングライブに突入。さぞカッコいいパフォーマンスを…
〽
ハァ~踊れ踊れやカサマツ音頭♪
濃尾平野を踏み鳴らし~♪
猿の尾を引きゃ木曽川止まる♪
ア ヨイショ!![]()
ハァ~雨降り鎗降り♪
明日の天気は流れ星~♪
今日も踊れや♪カサマツ音頭~♪
真顔で踊るなや。
シリアスな雰囲気をぶち壊されたノルンは思わず吹き出してしまい、いい笑顔で「ダンス、教えてやるか」。オグリの魅力に落ちたな、こいつ。
おまけ絵は可愛いサウスヒロインちゃん。
「あ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!ま゛た゛負゛け゛た゛ぁ゛あ゛!!!」
うん、かわいい。彼女は作中これが最後の出番になると思われますが、さすが逃げ馬といわんばかりの強烈なインパクトを残してくれました。史実馬ノースヒーローは笠松、名古屋、金沢、高知の4場で走り、8歳で引退。通算成績は91戦12勝と立派な成績を残しました。芦毛の怪物から逃げたという稀有な経験がその後に生きたのかもしれませんね。
今回はここまで。次回で1巻の感想は完結させる予定です。少し間が空くかもしれないので、気長にお待ちください。
それではまた。
