意識について 2024 上 (2) | ihsotasathoのブログって言うほどでもないのですが

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twitterで書いたことをまとめたりしていましたが、最近は直接ココに書き込んだりしています

物質の結合による記録と記録を操作する仕組み

物質が結合して成長する過程では、下記の様な指標が段階的に評価されて成長すると考えます。

 

 ① ある原子同士の結合や分離の可能性

 ② 結合した時の形

 ③ 結合した時の大きさ

 

これらは「が電磁エネルギー循環構造を安定させる方向に変化する」と付け加えることを想定しています。

電磁エネルギー循環構造が安定に向かうための変分原理が働いた結果として、これらが顕著になると考えます。

顕著になる順番は①、②、③の順かと思いますが、①があって②や③が起こるので当然な気もします。

当然な気もしますが、満遍なく不安定な場所が散在しているなら、結合して拡大すると球に近づきそうなものですが、そうでは無いところが面白いところです。

 

これら①から③のどの場合も、ある結合状態から次の結合状態に移行するまでには「許容されるエネルギーの幅」があり、この「許容範囲が大きい化合物」が、他と比べて残りやすくなるため「記録の役割を担う」と捉えます。(記憶ではなく記録と呼びます)

 

こうした記録を担う化合物を活かし、環境変化への適応も起こるのではないかと考えます。

記録が活かせる時間幅で(時間軸を加えて)安定する条件を探索するよう変分原理を拡張させるのです。

ここでは、①、②、③について時間を跨いだ変遷を考慮し、電磁エネルギー循環構造が「例えば」最短時間で元の化合物に戻せるサイクルを見つけるように働きます。

そのため、この指標は以下のように表現できるのかもしれません。

 

 ④ 変遷するサイクル(循環)の長さ(が電磁エネルギー循環構造を安定させる方向に変化する)

 

もし、①の結合や分離のポテンシャルが取り得る値に限りがあり、候補の結合相手も単純で限りがあれば、②の形も単純となり、③の大きさも小さい間で、循環を見つけられるかもしれません。

一方で、これらと反対の特徴となる場合、その分、循環は複雑になり、長くなるでしょう。

 

④が、①から③で得た結合条件を維持しつつ成立させるために、変遷が記録されている必要があるかもしれません。

この記録は、ある化合物から見たとき、より小さくて構造上安定した化合物により担うことを期待します。

そしてこれらが、④のサイクルのに現れている構造、つまり①から③の範囲で、実現されている可能性があります。

 

①から③のそれぞれの場合で、記録となり得る条件を、以下に模索します。

 

①の結合/分離のポテンシャルで安定性が左右される状況で、記録を担う化合物が生成されるためには、以下の条件を満たす必要があるのではないかと考えます。

 

・相対的に他の化合物から影響を受けにくい

 → 相対的に結合と分離のポテンシャルが低い化合物である

・種類の限られた同形の化合物であり、その連なりから成る

 → 記録として扱いやすい形や単純さがある

 → それらの連なりの「位置」も記録の一部となっている

・記録の化合物に対して書き込み(何らかの化合物を読み取り、記録の化合物を連なりとして生成)や読み込み(記録の化合物を連なりに沿って読み込み他の化合物を生成)できる化合物は、一部の限られた化合物である

・記録を作るための材料(化合物、結晶、原子)が周辺にあって事欠かない

 

②の形が安定性を左右するような状況で、記録を担う化合物が生成されるためには、以下の条件を満たす必要があると考えます。

 

・化合物の組み合わせからなり、形の違いが記録の種類を決める

・①も満たされる

 

③の大きさが安定性を左右するような状況で、記録を担う化合物が生成されるためには、以下の条件を満たす必要があると考えます。

 

・化合物からの集合体からなり、大きさの違いが記録の種類を決める

・②の条件も満たしている

 

生物に詳しい方はこれらから下記を思い浮かべる方がいるかもしれません。

 

記録の書き込み:RNAとRNA依存性DNAポリメラーゼ

記録の読み出し: 転写(DNAからRNA)、翻訳(RNAからタンパク質)

 

 

 

DNAもRNAもタンパク質も化合物にあたります。

(タンパク質からRNAが生成されることはなさそうですので、RNAを起点として記録(DNA)に倒れるか、タンパク質に翻訳され、大きくなって形を作る様になるのか、分かれているのかもしれません)

 

 

 

 

体は、RNAのコドンに対応するアミノ酸が連結され、それがさらにペプチド結合などで集まってタンパク質になることで作られていきます。

この時も化学結合で連結されていきます。

アミノ酸は似たような化学式で何十と種類がありますが、電磁エネルギー循環構造の安定性は、想像するに似通っており、基本的には自由な組み合わせが可能なのでしょう。

ただし、記録を担う化合物の影響、つまりDNAやRNAの影響を受けることで、決まった形が作られるように仕向けられます。

このように、対象の化合物や周囲のエネルギーの流れが比較的安定している時、記録の影響を受けやすくなる(文字通り記録として機能しやすくなる)のではないかと考えます。

 

アミノ酸の連なりは、折りたたまれてタンパク質が構成されるのですが、これは化合物として長くなった電磁エネルギー循環構造が、離れた場所をくっつけた方が(折りたたんだ方が)より電磁エネルギー循環構造として安定するから、という理由からこの折りたたみを説明できるのかもしれません。

 

いずれにしても、記録を担う化合物と、それを解釈して別の化合物に置き換える化合物の存在が、生物にとって重要になっています。

 

 

 

 

 

体の一部となる化合物が、DNAやRNAが(転写や翻訳される前の状態で)連結したり、連結しないせずとも細胞核に一緒に格納される様になるなどで、組み合わせが起こり、かなり長い時間をかけ(単細胞が成立するまでも5億年程度時間をかけているかもしれない)複雑な過程を経て統合されていったように思われます。

 

RNA(厳密にはmRNAですが)を適当に繋げたとしても、その翻訳(タンパク質の合成)で形になるのかという点では、同じような電磁エネルギー循環構造のアミノ酸をつなげていくため「よろしく」繋がったものが翻訳されるのでしょう。

ただし、それに意味があるか否かは、環境が決めていくのです。

それぞれの形が、直近の周囲に対して適応的な機能を発現するか否かで、それらが残りやすいか壊れやすいかが線引きされていったと思われます。

 

こうして有機化合物が結合、融合(時に分離され、隔離され)され、環境によって評価され、環境に対して適応した形や大きさで、化合物としての記録と、この記録に対する結合と分離のサイクルを伴いながら、進化したとするのが、今の進化論であると、自分は解釈しています。

そして多細胞となり、大型化した生物は、この物質をサイクルさせる(環境から得て結合させるものと、分離して環境に返すものを含め)より効率的に設計できているか否かで、適応性が環境から評価されていったのでしょう。

 

以降は①から④について、変分原理を適用され得るポイントについて、説明を試みたものです。

 

変分原理は「ある指標で見たとき、最も負担のかからない手段や手順で次の状態を決定すること」と解釈します。

 

①と変分原理

 

物質は、結合と分離の可能性(ポテンシャル)があり、関連する原子間で最も安定する方向に向かって結合と分離を繰り返すと考えました。

変分原理からすると、エネルギーが移動する大きさを指標としたとき、エネルギーの移動が最小になる様に、次の状態が決められると考えられます。

 

また、物質が持つ結合と分離のポテンシャルを指標としたときは、物質間の距離に応じて重み付けし、そのポテンシャルの合計が最も小さくなる様に、次の状態が決められるとも考えられます。

物質は、結合を左右する電磁作用のスケールにおいて、光量子の密度に応じ、結合と分離が安定する条件が変わってくるとしました。

そのため先の話は、結合と分離のポテンシャルに光量子の密度に応じた補正分を加え、物質間の距離に応じて重み付けし、そのポテンシャルの合計が最も小さくなる様に次の状態を決めると考えるべきかもしれません。

(ある化合物において、結合と分離のポテンシャルの差が最小になるとき、その化合物から見たときに、エネルギーの移動も最小になると考えられ、電磁エネルギー循環構造もその時点で最も安定すると考えられます)

 

②と③の変分原理

 

基本的は①の考え方が踏襲されます。

加えて、化合物の構造上、特定の形をとった場合や、拡大した場合の方、が対環境に対し相対的に安定した、結合と分離のポテンシャルの差(電磁エネルギー循環構造の不安定さ)や、エネルギーの移動が小さくなる方向に、変化が進むと考えられます。

 

②であればより単純な形になるよう選択されるのでしょうし、③であればより小さい大きさで安定になることを選択するのでしょう。

 

ここまでは化合物の環境については触れてきませんでしたが、通常、環境は変化します。

そして一方で、常に変化するとはいえ、何らかの傾向を持つかもしれません。

記録を用い、記録に残った過去の状態も考慮し、変分原理を活用する手段が効いてきます。

 

変分原理はある指標で今の状態を観測したときに、次の状態がどうなるかを決めるために用います。

もし次の状態が「今の状態よりも前の状態も考慮されて決められている」=「記録が活かされる」場合、記録を跨いで指標を評価するようになるでしょう。

記録を加えることで、変分原理の「手段や手順の可能性の集合から次の状態を決定すること」に対し、過去に遡った履歴を加えて「手番を最小化する原理」が提供されると解釈します。

 

この原理は、同じ様な状況が何度も訪れる場合、有効に働きます。

常に追従するのではなく、ある程度時間の幅を見たうえで、無駄なやり取りを減らし、総合的に最善な手段や手順を実践します。

 

記録は、先にも述べた通り①から③のどの化合物の原理上存在し得ます。

①の場合は、光量子が交換されるスケールに相当します。

ここでの記録は、次のエネルギー準位に達しない限り状態が変わらない「許容範囲」や「閾値」に対応します。

 

②や③は、原子や化合物のスケールですが、結合と分離のポテンシャルが結合状態を変えない(反応しない)「許容範囲」を示しています。

これらの許容範囲で、エネルギーが作用しようとしている間は、その大きさや形状を変えず維持され、化合物は今の化合物のまま残ります。

 

この記録と記録を活かす構造(記録を構成する要素より大きい要素)が階層構造を成し、化合物全体の形を維持しながらも、先の①のポテンシャル最小化、②の形の単純さと安定さ、③の大きさの極小化と安定さが働き、それぞれが優位になるスケールで、記録の役割をになう化合物に過去の状態を反映し、絶えず変わる外部に対して④の極力短いサイクルで安定するよう変化することで、全体としてはエネルギーの移動が最も安定する循環の組み合わせへ進行すると考えます。

もちろん、記録が正しく形成されていなければこの試みは失敗します。

 

生物には、様々な「機能」が発現しています。

例えば神経細胞を見ると、軸索上の信号を高速にするため髄鞘化という構造を持ってしまったり、次の神経細胞に伝えるためにシナプス小胞を設けてそこから神経伝達物質を飛ばす様に成ってしまったり、神経伝達物質を受け取らないとチャネルが開かない様になってしまったりと、数えあれげばきりがないくらいどうしてそうなったのか説明のつかない機能が組み合わさってできています。

 

先の①から④の原理を丁寧に組み合わせたら色々と説明できるかもしれませんが、物質が取り得る構成の組み合わせと、①から④の組み合わせを順列組み合わせで検証していく必要があり、とてもすぐにはできないため、これ以上は詳しくは控えます。

 

ただ、物理的に離れた場所間を繋ぐ記録(変わりにくい原子、結晶、化合物で例えば、酸素、ホルモン、伝達物質)が、離れた場所同士で連動する仕組みが循環により実現されることにより(循環器系、呼吸器系、神経系、消化器系、免疫系→それぞれには循環させる記録に対応する原子、結晶、化合物があり、それらを受け取ったり流したりする受容体、チャネルが存在する)がより大きな構成(つまり体)を支えていると想像できます。

 

そして、何億年というスケールで、様々な記録(ここの記録はDNAやRNA)と化合物(体を構成する様々な化合物、結晶、原子)が残る様になった中で、それらが組み合わさっては破棄され、トライアル&エラーやスクラップ&ビルドが繰り返され、より残りやすい循環を獲得した組み合わせ=適応的な組み合わせを持った生物が、残るようになったのだろうとは想像します。

物質の記録と意識される記憶の関係について考察

神経細胞もたくさんの原子の結合からなります。

生物の場合、細胞内外で様々な物質の関係性が動的平衡状態であり、結合と分離が繰り返されています。

その中には、結合ポテンシャルが高いまま、結合していない状態のままのものもたくさんあります。

細胞に関わる結合と分離には、生物が活動を維持するための代謝も含まれており、化学反応が継続しています。

こうした生物としての動的平衡では、先に述べた①から④に相当する原理が、環境との関わりの中で、なるべく安定させる方向に動き、全体を維持させようとしていると捉えます。

 

 

神経細胞に信号が流れたからといって、細胞がバラバラになってしまうことはありません。

神経細胞間を接合して信号を連絡するシナプス前後の部分は、特定の条件で太くなったり、消失したりするようですし、歳を取れば神経細胞は徐々に数を減らしていくようですが、利用されている神経細胞は長らく維持されるようです。

 

神経細胞を流れる信号は、金属に流れる自由電子とは異なる電磁作用で実現されています。

それは、神経伝達物質(セロトニン、ドーパミン、GABAなどと呼ばれるもの)であったり、プラス電荷のイオン(カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)の移動だったりします。

 

 

これらの物質やイオンの移動で電磁作用が伴います。

それなりの流量になると、その影響が脳外にも染み出します。

脳波や脳磁図としてその影響を測定できます。

 

 

これらの神経伝達物質やイオンは、流れに加担した後、回収されたり、元の場所に戻されるなどして、再び次の信号の流れに備えます。

この繰り返し利用可能にしている仕組みで、化合物の変化が起こっています。

例えば、神経伝達物質を仕舞った小胞から伝達物質を放出する時や、細胞外から伝達物質回収して小胞に収める時です。

また、細胞膜内外の電位差から駆動するチャネルが神経細胞では多いですが、化学反応をきっかけに駆動するチャネル(リガンド依存性イオンチャネル受容体と連動するチャネル)もあります。

いずれにしても、細胞自体を変えるまでのことは起こっていません。

(参考)シナプス可塑性

 

それでは、意識される記録、つまり記憶は結局どこに、どの様な形で残り得るのでしょう。

次にそれを考えます。

 

物質が素粒子の集まりからなり、化合物となり、生物となり、その中で記録を担う構造が各スケールで現れたことを踏まえ、意識される記憶もそれらを踏まえて存在する点、あるいは、それらと影響しない形で存在できる点の、双方から説明すべきかもしれないと思っています。

今回はそうした視点も踏まえつつ、記憶の場所について探ります。

 

われわれは、外部と接点のある受容器(目や耳など、五感に代表される様な器官)からその刺激を受け取っていなくても、睡眠中に全く新しい内容の視覚的意識を夢という形で持つことがあります。

これらは、夢の中で意識される内容が神経細胞に残っており、何らかの形で呼び出され、組み合わさって作られると考えられるのですが、それがどこでどの様な形で残っているのかわかっていません。

 

形や動き(色は除く)はその内容に応じて違う脳経路を経ること(形は背後から側面にかけて、動きは背後から頭頂にかけて)が知られており、どの経路を辿ったかから説明されることがあります。

そのため、それらの細胞のどこかには、その内容が残っているということになるのでしょう。

 

 

 

また、脳は常に先読みするための予測、推測が前頭葉中心に行われており、それらが注意や意識の内容に影響します。

 

(参照)デフォルトモードネットワークの機能的異質性

 

例えば、暑い日の就寝時、その暑さを(屁理屈として)説明するため、なんらか焦っているとするような夢を見ることなんてことはないでしょうか。

これは、夢の影響のみを受けて汗をかいているわけではなく、「焦っているため汗をかく」と、「暑くて汗をかく理由を探す」が、双方影響し合っていると思われます。

 

ここからは、こうした脳の成り立ちを加味し、記憶について推測していきます。

 

まず、光量子をやり取りする単位よりも大きい単位(光量子以上のエネルギー量で交換されるエネルギーは全て)で、記憶は残らないとすべきかもしれません。

神経細胞の大きさや形は、光量子の助けを借りて構成された化合物、結晶、原子の集合体である一方で、そこを流れる信号は、これらを変える勢いのある信号ではありません。

それでも信号の内容が何らか神経細胞に残るわけですから、そのような作用があると考えてみる必要があります。

 

加えて、化合物には常に、次にどの様な形に結合すべきか方針を決めており、それは電磁エネルギー循環構造により決められており、その結合までに許容範囲(ある程度エネルギーを受け取る大きさがないと結合しない)が存在していると「推測」しました。

この許容範囲を超えない範囲でエネルギーを与えたとしても、作用や影響が何らかの形で残ることを説明できれば、この意識される記憶について、その可能性を証明できるかもしれません。

 

電磁エネルギー循環構造自体は、化合物を構成する原子の組み合わせから様々なエネルギー準位を持ち、少なくともその分内部状態の違いを刻むことができるでしょうが、ここでは、そのエネルギー準位の粒度に留まらない、さらに細かい粒度も、この循環構造に刻めるのと考える点が、今一歩踏み込んだところです。

  • 補足
    ひょっとしたら、次に結合する相手がいくつも重ね合わさった状態が今の化合物であり、結合によってその可能性が削られていくという解釈が、あるのかもしれません。

物質の形状を変える時、量子(光量子の単位)の移動が少なくとも求められています。

そこでのやり取りは、連続的な値を取らずある単位毎の、飛びとびの値を取ります。

しかしこうなっているからこそ、この量子より小さい単位の出来事は「壊されずに残り続ける」のではないかと考えます。

もし、化合物の構成を決める、電磁エネルギー循環構造のエネルギーの刻み方が、無限の粒度で交換可能となっている場合、物質の構成調整のためだけに全てのエネルギーの状態が利用され、それ以外の状態は保たれない=意識される記憶として何も残らないと考えられます。

 

こうような考察から、意識されるべき記録は、光量子の単位未満に刻まれるエネルギー状態の違いではないかと「推測」します。

 

こうして考えてくると、その記憶として最も溜まりやすい場所は、構造を変えづらい場所であることから、神経細胞の中でも代謝を通じて変わりにくい部分が全て候補になり得ます。

 

2024年6月 意識について 2024 上 (2)