格差拡大の要因 - 『なぜ、アメリカ経済は崩壊に向かうのか?信用バブルという怪物』
最近よく目にする、格差という言葉。その原因、いや要因はなんだろうか。
なぜ、アメリカ経済は崩壊に向かうのか―信用バブルという怪物/チャールズ・R. モリス

¥1,890
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格差拡大の原因、と表現すると格差が悪いものだと印象を受けるので違和感がある。格差は必ずしも悪いものとは思わない。「結果の格差」と「機会の格差」では大きく異なる。
いきなり本筋からずれてしまった。話題をもどそう。本書では、デービット・オーター、ローレンス・カッツ、メリッサ・カーニーの共著による学術論文が紹介されている。彼らは、職業の分布、賃金、従業員の教育水準に関するデータベースを構築し分析した。
p196
3人の著者は、二極化が起こった原因について、いくつかの仮説を示している。下層では、格差が安定したのはおそらく、掃除係、美容師、ウエイターなど、自動化が容易でない人的サービスに集中するようになったことで説明できる.中間層で格差が縮小したのは、かつては大卒者が行っていた仕事が自動化されたためであり、上層で所得が急上昇したのは、中間層で格差縮小をもたらした要因が逆に働いたためであろうという.大卒レベルの定型的な仕事が自動化されたため、もっと高級な知的労働に携わる層が、仕事の成果のうち自分たちの取り分を増やしている。
パソコンやデータベースの発達によって、今まで人がやっていた仕事がコンピュータに代替される。意思決定に向けた情報収集の速度は圧倒的にアップしたため、優秀で高給な人間の仕事能力がアップ、それとともに給料もさらにアップしたのだ。
となると、格差はマクロ的な経済や産業のゆがみで発生したのではなく、ゆがみを飛び越えた破壊とIT産業の創造によって発生している。格差拡大は異常事態ではなく、常態化したと言える。上層に属せれば、それによる利益は拡大する。逆に、一度下層に属してしまうと上昇の人間に搾取され続けるというわけだ。
p200
高学歴と高所得の間に密接な関係があることは、所得でみて下半分に入る階層にとって、教育の機会が重要であることを示している。
日本では、教育など湯水のごとく普通に受けられる。少子化によって大学でさえ簡単に入れるようになっている。塾の講師をしていて思うのだが、高校生の中に「どこか大学に入れるだろ」という雰囲気が蔓延しており(入学先を選ばなければ、実際に推薦で簡単に入れる)、それによって勉強へのモチベーションはだださがりである。この状況をグローバリゼーションによる労働者のメガコンペティション(日本人は、自らが提供する労働サービスを日本の中だけで競争するのではなく、世界的に競争しなければならない)を考えると、日本人の仕事力の低下、ひいては日本全体の競争力の低下につながるおそれがある。
少なくとも、私は下層には入らない覚悟である。本当の精神的な豊かさは、金銭的な豊かさの上に成り立つと思っております。
なぜ、アメリカ経済は崩壊に向かうのか―信用バブルという怪物/チャールズ・R. モリス

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格差拡大の原因、と表現すると格差が悪いものだと印象を受けるので違和感がある。格差は必ずしも悪いものとは思わない。「結果の格差」と「機会の格差」では大きく異なる。
いきなり本筋からずれてしまった。話題をもどそう。本書では、デービット・オーター、ローレンス・カッツ、メリッサ・カーニーの共著による学術論文が紹介されている。彼らは、職業の分布、賃金、従業員の教育水準に関するデータベースを構築し分析した。
p196
3人の著者は、二極化が起こった原因について、いくつかの仮説を示している。下層では、格差が安定したのはおそらく、掃除係、美容師、ウエイターなど、自動化が容易でない人的サービスに集中するようになったことで説明できる.中間層で格差が縮小したのは、かつては大卒者が行っていた仕事が自動化されたためであり、上層で所得が急上昇したのは、中間層で格差縮小をもたらした要因が逆に働いたためであろうという.大卒レベルの定型的な仕事が自動化されたため、もっと高級な知的労働に携わる層が、仕事の成果のうち自分たちの取り分を増やしている。
パソコンやデータベースの発達によって、今まで人がやっていた仕事がコンピュータに代替される。意思決定に向けた情報収集の速度は圧倒的にアップしたため、優秀で高給な人間の仕事能力がアップ、それとともに給料もさらにアップしたのだ。
となると、格差はマクロ的な経済や産業のゆがみで発生したのではなく、ゆがみを飛び越えた破壊とIT産業の創造によって発生している。格差拡大は異常事態ではなく、常態化したと言える。上層に属せれば、それによる利益は拡大する。逆に、一度下層に属してしまうと上昇の人間に搾取され続けるというわけだ。
p200
高学歴と高所得の間に密接な関係があることは、所得でみて下半分に入る階層にとって、教育の機会が重要であることを示している。
日本では、教育など湯水のごとく普通に受けられる。少子化によって大学でさえ簡単に入れるようになっている。塾の講師をしていて思うのだが、高校生の中に「どこか大学に入れるだろ」という雰囲気が蔓延しており(入学先を選ばなければ、実際に推薦で簡単に入れる)、それによって勉強へのモチベーションはだださがりである。この状況をグローバリゼーションによる労働者のメガコンペティション(日本人は、自らが提供する労働サービスを日本の中だけで競争するのではなく、世界的に競争しなければならない)を考えると、日本人の仕事力の低下、ひいては日本全体の競争力の低下につながるおそれがある。
少なくとも、私は下層には入らない覚悟である。本当の精神的な豊かさは、金銭的な豊かさの上に成り立つと思っております。
革命家チェゲバラ
『チェゲバラ 28歳の革命』という映画を観てきた。彼についてもっと知りたくなった。
チェ・ゲバラことエルネスト・ラファエル・ゲバラ・デ・ラ・セルナは、アルゼンチン生まれの医師、マルクス主義革命家で、キューバのゲリラ指導者。(by Wikipedia)
個人的にマルクス主義は好きではない。「弱者救済」という単に人々の感情に訴えかけ、煽動しようとする人々も好きではない。しかし、彼のカリスマ性と不可能を可能にした信念はのちのち身につけたいところ。今の私では、ノミのごとくである。
戦地では、強盗、略奪、虐殺、強姦などが日常的に起こる。もちろん倫理的に許されるものではないが、生か死かない極限状態では人間どうなるかわからない。理性などきかなくなるのかもしれない。
チェはメンバーがそのような行動をとることを厳しく戒めた。ある兵士が、捕虜が所有していた高級外車を略奪、仲間とともに乗っていた。それをみたチェは、「これはお前のものではないだろう」と、車の返却のためにわざわざもとの街まで戻るように指示していた。
誰もが許してしまいそうなことを決して見逃さない。仲間が過ちを犯したら、それを迎合するのではなく戒める。簡単なようだが、ものすごく難しい。誰だって人に嫌われるのは好きではない。反自分勢力が出てしまうかもしれない。そのようなことは脳裏によぎることは用意に想像できる。
カリスマというと、神のような存在で物事を超越したものと感じる。しかし、カリスマというのは案外普通のことを普通に遂行できる人間がなるのかもしれない。
★★ブログ移行中★★
http://tadeki.blog14.fc2.com
チェ・ゲバラことエルネスト・ラファエル・ゲバラ・デ・ラ・セルナは、アルゼンチン生まれの医師、マルクス主義革命家で、キューバのゲリラ指導者。(by Wikipedia)
個人的にマルクス主義は好きではない。「弱者救済」という単に人々の感情に訴えかけ、煽動しようとする人々も好きではない。しかし、彼のカリスマ性と不可能を可能にした信念はのちのち身につけたいところ。今の私では、ノミのごとくである。
戦地では、強盗、略奪、虐殺、強姦などが日常的に起こる。もちろん倫理的に許されるものではないが、生か死かない極限状態では人間どうなるかわからない。理性などきかなくなるのかもしれない。
チェはメンバーがそのような行動をとることを厳しく戒めた。ある兵士が、捕虜が所有していた高級外車を略奪、仲間とともに乗っていた。それをみたチェは、「これはお前のものではないだろう」と、車の返却のためにわざわざもとの街まで戻るように指示していた。
誰もが許してしまいそうなことを決して見逃さない。仲間が過ちを犯したら、それを迎合するのではなく戒める。簡単なようだが、ものすごく難しい。誰だって人に嫌われるのは好きではない。反自分勢力が出てしまうかもしれない。そのようなことは脳裏によぎることは用意に想像できる。
カリスマというと、神のような存在で物事を超越したものと感じる。しかし、カリスマというのは案外普通のことを普通に遂行できる人間がなるのかもしれない。
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「わからない」ことの価値 - 『なぜ、アメリカ経済は崩壊に向かうのか』
わからないことは、わからないものを創造する者にとって非常に価値がある。
なぜ、アメリカ経済は崩壊に向かうのか―信用バブルという怪物/チャールズ・R. モリス

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1980年、90年代。仕組み金融市場の誕生、金融派生商品市場の大幅な拡大、証券取引のコンピュータ化がなされた。当時、そしてついこの間まで金融工学の技術は、神懸かり的な信用を生み出し、金融市場を肥大化させた。その後、自滅したことは誰もが知っていることだろう。
今日の世界を混乱させる発端となったサブプライムローン。これを裏付けとした債券は証券化され、ばらばらになって世界中に飛んでいった。購入する機関投資家も、証券に信任を与える格付け機関も、高度な数学を駆使して開発された証券化商品はよくわからなかったのだ。数学に基づいている以上、主観は極力排除されているものの高度な数学ほど厳しい前提を内在しているもの。「正しいのだろう」という仮定のもと、過剰流動性のクッションとして世界が買った。
証券化商品を作る方は、とにかく商品を作り出し、とにかく売却する。商品がデフォルトするかどうかはそれほど重要ではない。なんたって手数料ビジネス。その商品は危険なものかどうかわからないから、売れる。
なぜ、そんなものが売れたのか。一つは「わからない」ということがポイント。商品について隅々まで知ることができれば、そのあやうさを感じる人は少なくなかったはず。ただ、わからない方にとってもそれは幸せだったのかもしれない。
現金を持っているなら、運用に迫られる。運用対象が万が一危ないものであっても、自分も理解できないだけでなく、周囲も理解できないから購入してもせめられることはない。運が悪くなければ、それなりの成績は残せる。
最終的には、「わからないこと」は単にそれを作るものだけがその恩恵に預かれるという結論ではなくなってしまった。どうやら、全員理解できないものは、全員理解したものとして扱われるという不思議な状況が起こるようだ。わからないことの価値を自分の利益にできる人は意外に多いらしい。
情報は、それを「わかっている」人が少ないほど価値が大きくなる。
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なぜ、アメリカ経済は崩壊に向かうのか―信用バブルという怪物/チャールズ・R. モリス

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1980年、90年代。仕組み金融市場の誕生、金融派生商品市場の大幅な拡大、証券取引のコンピュータ化がなされた。当時、そしてついこの間まで金融工学の技術は、神懸かり的な信用を生み出し、金融市場を肥大化させた。その後、自滅したことは誰もが知っていることだろう。
今日の世界を混乱させる発端となったサブプライムローン。これを裏付けとした債券は証券化され、ばらばらになって世界中に飛んでいった。購入する機関投資家も、証券に信任を与える格付け機関も、高度な数学を駆使して開発された証券化商品はよくわからなかったのだ。数学に基づいている以上、主観は極力排除されているものの高度な数学ほど厳しい前提を内在しているもの。「正しいのだろう」という仮定のもと、過剰流動性のクッションとして世界が買った。
証券化商品を作る方は、とにかく商品を作り出し、とにかく売却する。商品がデフォルトするかどうかはそれほど重要ではない。なんたって手数料ビジネス。その商品は危険なものかどうかわからないから、売れる。
なぜ、そんなものが売れたのか。一つは「わからない」ということがポイント。商品について隅々まで知ることができれば、そのあやうさを感じる人は少なくなかったはず。ただ、わからない方にとってもそれは幸せだったのかもしれない。
現金を持っているなら、運用に迫られる。運用対象が万が一危ないものであっても、自分も理解できないだけでなく、周囲も理解できないから購入してもせめられることはない。運が悪くなければ、それなりの成績は残せる。
最終的には、「わからないこと」は単にそれを作るものだけがその恩恵に預かれるという結論ではなくなってしまった。どうやら、全員理解できないものは、全員理解したものとして扱われるという不思議な状況が起こるようだ。わからないことの価値を自分の利益にできる人は意外に多いらしい。
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