こんにちは!
愛群生殖医療センターです。
このブログで一番人気のある記事は、2021年12月に投稿した「8種類の子宮の形」と言う記事です。
今回は8種類の子宮の形をより掘り下げてみようと思います。
ご自身の子宮がどんな形をしているかご存知ですか?
体調が悪かったり、妊娠準備期間、もしくは妊娠中に検査を行った際に、自分の子宮の形がどんな形なのかを知る方も多いかもしれません。
子宮の構造が少し違ったり、一般的でなかったりする事を「子宮奇形」と言います。
子宮奇形は先天性のものが多いのですが、目に見えないため、トラブル(流産、早産、排尿障害など)が起きてから初めて子宮奇形がわかることが多いのです。
では子宮奇形の頻度はどれくらいでみられるのでしょうか。
子宮奇形が見られる割合は、全女性の5%と言われ、決して稀なものではありません。
不妊症では約8%、流産経験のある女性では約10~14%となっています。
子宮奇形の代表的なものは、二重子宮、子宮中隔、双角子宮などが一般的で、大半は特に治療を行わなくても、生活には支障はなく、発育不全はそれほど多くはありません。
ここでは、8種類の子宮形状のそれぞれの特徴と、妊娠への影響についてお話しいたします。
タイプ1. 正常な子宮
女性の生殖器官は、子宮、2つの卵巣、卵管から構成されています。
子宮は胚胎の発育時期にミュラー管という2本の管が正中方向へ伸展、徐々に癒合して出来上がります。
この癒合が上手くいけば正常な子宮が形成され、そうでない場合が子宮奇形の原因であると考えられています。
タイプ2. 重複子宮
重複子宮は、2つの膣と2つの子宮頸部を持つタイプと、1つの膣と1つの子宮頸部を持つタイプに分けられます。
重複子宮は通常、卵管の詰まりがなければ、妊娠は可能です。しかし、早産や胎位の異常の割合は高くなります。
当院の患者さんで、重複子宮の方が体外受精に踏み切り、胚を大きい方の子宮腔に移植した事例があります。
この患者さんは子宮内妊娠と子宮外妊娠を同時にしてしまいました。 幸い早期に発見されたため、子宮外妊娠の部分に緊急手術が行われ、子宮内妊娠の胎児は救われました。その後は全過程で大きな問題もなく、帝王切開にて正期産で出産されました
タイプ3. 中隔子宮
子宮奇形による流産の原因で最も多いのが子宮中隔です。 子宮腔が二つに分離しているため胚の発育に影響を及ぼすもので、部分型と完全型に分けられます。
どちらのタイプも妊娠中の流産につながる可能性があります。
通常中隔が見つかった場合は、通常子宮鏡手術によって中隔を取り除く必要があります。
タイプ4. 双角子宮
双角子宮は、子宮の上部が2つの角に分かれている点では重複子宮に似ていますが、子宮の下部はつながっていて分離していません。
双角子宮でも通常は妊娠しますが、胚が子宮腔内で発育できるかどうかは双角子宮の程度によります。通常、早産や胎位の異常の発生率は高くなります。
タイプ5. 弓状子宮
子宮腔の上部は弓のような形をしており、ハート型子宮とも呼ばれています。
子宮の機能が正常であれば、特別な治療は必要ありません。
タイプ6. 子宮の発育不全
通常、卵巣、卵管、膣などの他の臓器に関連しています。(乳児性子宮とも呼ばれます)。 思春期になっても月経が来ないことがあり、検査をして初めて子宮が発育不全がわかります。この場合は子宮の成長を補助するために性腺刺戟ホルモンを投与する必要があります。
タイプ7. 単角子宮
正常な子宮口は逆三角形のような形をしており、上の2つの角が卵管の開口部につながっています。 単角子宮であっても、卵管に詰まりがない場合は、自然に妊娠することもあります。
しかしながら、早産や妊娠20週目を迎えられない割合が高いです。
単角子宮の発生率は高くはありませんが、腎臓の発育異常も併発することがあるため、腎臓の検査も同時に行う事をお勧めします。
タイプ8. T字型子宮(DES服用による子宮奇形)
この症状は最近ではあまり見られなくなりました。
その理由は、母親が妊娠中にジエチルスチルベストロール(DES)という薬を服用していた為に起こると考えられており、この薬は何年も前から使用されていません。
流産予防のために服用していた母親が、重度の子宮異常、さらには膣異常を持つ赤ちゃんを出産し、がんのリスクも高まり、これらの子宮異常を伴う早期流産や子宮外妊娠の発生率が増加したためです。
母親と製薬会社の間で訴訟が行われたこともあります。
今現在はこの薬は使われなくなっている為、この症状も少なくなっています。
子宮の形も良好な妊娠と密接な関係がありますので、次回の超音波検査の際には、医師に自分の子宮の形を聞いてみてください。
子宮の形を調べるには超音波検査か卵管検査が有効的です。
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