第2話 happy チョコレート(5) | 一乗寺浩詩のブログ小説の世界

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小説『天国のチョコレート/Heaven』

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第2話 happy チョコレート(5)

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「ええ、わたしが元々は



パテシエの仕事がやりたかったもので、



店を辞めて独立すると洋菓子店を始めました。」






川辺は“ええ”というのが口癖のよう





で何度も“ええ”という言葉が出るたびに




都村は笑いを堪えるのに必死だった。





「ええ、その時前の店で働いていた人間が



付いて来てくれましてね。




安田もその中の一人でした。」







「店をはじめたのはいいが




お客はさっぱり来ませんでした。」





「そんな時、安田が言ったんですよ。




やるならチョコレート専門店をやったほうがいいってね。」





「ええ、それでワラをもすがる思いで



店の一部に何種類かのチョコレートを並べたんですよ。」



「安田に店の一部を任せてチョコレートを置いたら、


これが大ヒットしましてね。」


「ここらじゃ、何十種類のチョコーレートを





置いてある店は他にないし、


それにあの味です。」




「安田は何にでも研究熱心で味覚に




すぐれていたものだから大ヒットしたんです。」





「それで思い切って安田の言うとおり



チョコレート専門店に変えたんです。」




「その時に撮った写真がこの写真です。」




川辺は写真を見ながら





当時を懐かしむように安田の話をした。





「この時の安田君 痩せてますね。」


都村は言った。






「ええ、痩せてたでしょ。




痩せてたんですよね。




研究熱心でチョコレートの食べすぎで




ブクブク太っちゃって。」







「変わり果てた姿ですわ。」






都村と川辺は声を出して笑った。





チョコレートのほのかな甘い香り






都村を誘惑した。

 



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第1話 エリート集団の憂鬱

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