第1話 エリート集団の憂鬱(7) | 一乗寺浩詩のブログ小説の世界

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小説『天国のチョコレート/Heaven』

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第1話 エリート集団の憂鬱(7)

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安田の死後、

その彼女と会う機会が会ったので


喫茶店で話しをていた時、


彼女からその時の話しを聞いた。



原因は安田がコンビニ弁当を食べようとして

拒食症になったということだった。


安田は毎晩夕食にコンビニ弁当を買って食べていた。


ある日コンビニ弁当だけではなく、

食べ物すべてを安田の体が拒否して



何も食べられなくなった。


その安田の症状をコーヒーを飲みながら

彼女から聞いていた都村は凍りついた。


彼女から安田の人柄やその症状を聞いていくうちに


なんと安田は都村自身にそっくりなんだろう。


安田は学生時代



レストランでアルバイトしていて

料理を作るのが好きだった。


「いつか料理の仕事をプロデュースして人の喜ぶ仕事がしたい。」

と言っていた。


気味が悪いほど何から何まで都村にそっくりだった。


生きてるときは無口な男で


都村とはプライベートな話をする機会などなかった。




「だけどこんな身近な場所に同じ考えを持つ者がいたとは、」


「亡くなった安田とはいい友達になれたのではないか。」


今の都村にとって安田の死はとても残念な出来事に思われた。



もしかしたら都村も拒食症になって

安田のように死んでいたかもしれない。


そう思ったらとても他人事とは思えなかった。


今となっては相談にも乗れなかった

同僚の安田に送る言葉は何もないけれども。


都村の胸には、


安心な料理を腹いっぱい食べてもらえる


そんないいお店をいつかきっと作ることで


死んだ安田に喜んでもらいたい。



都村の心の奥底で食文化への挑戦。


その気持ちが熱い血潮の中に流れ出した。


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