安比川流域の漆器文化の紹介 | 安比高原自然学校のブログ

安比高原自然学校のブログ

ブログの説明を入力します。

早いもので今日は送り盆です。

ここ旧安代町は14日から今日まで三日間、お墓に「松あかし」に行きます。

お墓はとても賑やかで、都会から戻ってきた親戚兄弟は、子供や孫を連れて拝みに来ています。

普段寂しい各集落も、この三日間は一年で最も明るく賑やかです。

普段は寂しくなった安比川流域の集落ですが、昔は鹿角市と三戸をつなぐ鹿角街道として栄えたそうです。

特に江戸時代からは多くの漆器を生産した地域だったことが少しずつ分かってきました。

今回は2年前の調査をもとに、安比川流域の漆文化の今昔をホテル内の自然学校に展示しましたのでご覧ください。

学校内.jpg

安比川流域の旧安代町と旧浄法寺町は、江戸時代から昭和30年頃まで一貫した漆器生産地として有名で、南部藩の頃は八戸市の櫛引八幡宮まで行って販売したとの記録があります。

buna.jpg

また生産地域は30㎞以上の広域で行われていました。

安比高原山麓では「畑地域」の木地師たちが、安比高原のブナを木地に加工し、下流の浅沢地域や間崎地域の塗り師に販売していたようです。

その塗り師は下流の浄法寺の漆掻きから、生漆を購入して漆器を生産していたとの記録があります。

kizi.jpg

urusitennzi.jpg

つまり安比川流域は、100%地元の自然から漆器を生産していた国内最大級の地域だったことが分かりはじめてきました。

今回は、漆器職人の佐々木ちはやさんが、郷土の文化を学ぶツアーの教材として調査研究した「漆器の歴史を訪ねる安比川の旅」の冊子を差し上げています。

展示は少ないですが、冊子には「木地」「塗り」「漆掻き」の一貫生産していた地域の歴史と文化を紹介していますのでご覧ください。

展示全景.jpg

現在浄法寺で収集される生漆は国産漆の70%~を占め、品質の高さも含め日本一の漆の里として有名になっています。

その浄法寺漆 はチューブで通信販売もされています。

また漆器は安比塗 浄法寺塗 として販売もしています。

こうちょう