葉が落ちた冬の森を歩いていると、雪面だけでなく頭上にも面白い痕跡が見えます。
参加者が最も感動するのは「熊棚」と言われる枝で作った座布団です。
ツキノワグマが実を食べる時に、枝を折って食べてはお尻に敷くため、写真のような座布団ができます。
雪面だけでなく樹木の上も観察しながら歩いてみましょう。
さて、ホテル裏の自由散策の森で目立つものがヤドリギです。
鳥の巣と間違う人が多いですが、よく見ると枝先にオレンジ色の実を付けて結構素敵です。
北欧では招福や魔除けとしてクリスマスに玄関に吊し飾る風習があるようで、通行人が実を持って行くんだそうです。
晩秋ごろは薄い黄色ですが3月の今はオレンジ色です。
もし実が採れた時は味見してください。甘い果肉に少々感動します。
次に「種飛ばし」に挑戦です。きっと種は飛ばずに口にぶら下がります。
強くて伸びる糸と種子がしっかり結ばれているからです。本当に不思議で面白いです。
今日、スタッフのく~ちゃんが自由散策コースで、枝にぶら下がるヤドリギの種子を発見してきました。
風でぶらぶら揺れていて、強風時に枝に貼り付くように思います。
実が熟して種子が落ちてきたのかな~と思っていましたら、よく見ると種子が数個つながっています。
ヤドリギの資料を見て驚いたことは、木の実の中には果肉以外にとっても長く伸びるセルロース性の繊維状物質があり、細胞組織でできているようです。
鳥が実を食べても、この糸は消化されず種子と絡まり、鳥の糞として数個がつながって肛門(失礼)にぶら下がるようです。
糞をする場面を見ることは難しいと思いますが、今日はその糞が枝にぶら下がり貼り付いているところを発見したのです。
ヤドリギは定着後5年で写真のような葉を出し、1年で一節ずつ成長するそうです。大きなヤドリギは年代物です。
ヤドリギは他の樹木に寄生しないと命をつなぐことはできません。
鳥に運んでもらい、伸びる糸で種子をぶら下げて、風で樹幹に定着する戦略に驚きました。
何より感動したのが真ん中に座るおじさん。
私は修行中の坊主に見えますが皆さんは何に見えますか。