林田学監修:薬事法違反事例集

林田学監修:薬事法違反事例集

今までにあった薬事法違反の行政指導事例などを集め検証していきます。

空間除菌効果を謳う「クレベリン」の広告表示に関し、「根拠がない」として今年1月と4月に消費者庁から措置命令を受け、その命令や差止の仮処分を否定した決定について争う姿勢を示していた大幸薬品は5月3日、「一般消費者に対し実際のものよりも著しく優良であると示すものだった」として一転、同社HP上に景表法違反の事実を認める謝罪声明を公表した。措置命令の対象となったのは、同社が販売する「クレベリン」シリーズ計6製品で、そのうち大幸薬品側の反論により東京地裁が一時処分差止を認めていた「置き型」2製品についても、4月の東京高裁で改めて「表示には合理的根拠が認められない」と決定が覆されていた。これを受けて同社は対応を検討していたが、結果的にすべての反論を取り下げ、全面的に謝罪する形となった。なお、今回の対応について大幸薬品側は、「商品の性能自体に問題はなく、新パッケージに変更して販売を続ける」としており、また「製品の返品対応は行わない」という方針も明らかにしている。これについて、一部消費者からは、「コロナに便乗して大儲けしながら返品・返金に応じないのはおかしい」などの批判がSNS上に相次いだ。また、同社の謝罪文が、検索エンジンに引っかからないようにする「nonindex」指定で作成されていたことや、連休初日の5月3日を選んで公開されていたことなどがさらに厳しい批判を呼び、不祥事に対する企業としての姿勢まで問われる結果となった。

【2022.04.28】

『消費者庁、就活サイトの「就職率96%」表示に措置命令』

 

消費者庁は4月27日、自社ウェブサイト及び広告主が成功報酬を支払うアフィリエイトプログラムに参加していた社外アフィリエイターが運用する就活サイト上で、情報を閲覧する就活中の既卒者や第二新卒者等の誤解を招く不当な表示があったとして、人材紹介会社DYM(東京都品川区)に対し措置命令を出した。これらのサイトやYouTubeに投稿された動画などでは、「相談からの就職率96%」「正社員で100%就職に成功させている」「書類選考なしで面接」などと謳っていたが、実際には就職率の数字が同社による独自の方法により算定された一時的な最高値であったり、正社員での就職者数に人材派遣会社との雇用契約分が含まれていたり、さらに面接で書類選考が必要な事例もあったという。また、同社が運営する就活イベントでの出展企業数や求人企業数等についても実態と異なる数値が示されていたとされる。なお、人材事業だけでなく、検索広告やアフィリエイト広告のコンサルティングを行っているとされる同社は、「広告表示における社内体制を見直し、再発防止に努める」とコメントしている。

消費者庁は、2021年に成立した「取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律」(いわゆる「取引DPF法」)における「販売業者等」に関するガイドラインを4月20日付で公表した。同ガイドラインでは、近年、取引DPF上における個人間取引の拡大に伴い、消費者を装った「隠れB」と称される、実質的に「販売業者等」に該当すると思われる者らによる取引が散見されることから、その「販売業者等」への該当性判断のための考え方や一定の判断基準を示すことにより、取引DPF法の適用対象を明確にし、当該取引の適正化や紛争解決について取引DPF事業者の協力を確保することを目的としている。その中で示された考慮要素および具体例として、①(いわゆる情報商材のように)通常は営利の意志をもって商品サービスを「反復継続」して取引を行うもの、②未使用の新品や新古品を相当数販売しているもの、③相当数のブランド品、健康食品、チケットなど特定カテゴリーの商材を販売・提供するもの、などが挙げられている。また、同法第5条の「販売業者等情報の開示請求」の適用については、原則として取引DPFへの「販売事業者の登録時」ではなく、取引DPFを利用して「取引が行われた時点」を基準時とすることも今回明示された。

空気中の菌やウイルス除去を標榜していた「クレベリン」の商品広告で、表示内容に根拠がなく景表法上の優良誤認にあたるとして消費者庁が行った措置命令に対し、製造販売元の大幸薬品(大阪府吹田市)が差し止めを求めていた仮処分の即時抗告審で、東京高裁は4月13日、「表示には合理的根拠が認められない」とする決定を下した。これは先に措置命令を受けたクレベリン6製品のうち、大幸薬品側の反論により「スティック型」や「スプレー型」を除く「置き型」2製品には一定の合理的根拠があるとして、今年1月に処分差し止めを認めていた東京地裁の判断を覆すもの。これを受けて大幸薬品は、「決定を精査して今後の対応を検討する」とコメントした。

 

消費者庁は4月5日、「飲むだけで無理せず痩せられる」などと、根拠のない表示でインスタント味噌汁を販売していた広告会社W-ENDLESS社(大阪市西区)に対し、景表法上の優良誤認にあたるとして、再発防止を求める措置命令を出した。同社は、2021年9月まで自社通販サイトで販売していたインスタント味噌汁「Dr.味噌汁」の広告上、2020年11月から12月にかけて、「飲むだけで痩せる効果がある」「無理な食事制限なし、つらい運動なし」などと標榜していた。これに対し、消費者庁が効果の裏付けとなる根拠の提出を求めたが、同社からは合理的な根拠が示されなかったとしている。消費者庁によると、今回の処置を受けて、同社は「措置命令を真摯に受け止め、コンプライアンスの強化と再発防止に努める」と回答しているという。

昨年末に発表となった新しい診療報酬体制の一環として、令和4年度より「リフィル処方箋制度」が発足した。リフィル処方箋とは、従来の処方箋では医師が処方する日数分の薬しか購入できなかったものを、同じ処方箋を使って同じ薬を一定期間内、診療を受けることなく計3回まで反復購入できるもの。すでに欧米諸国では一般的な制度だが、医療機関や患者の負担軽減及び医療費の抑制などを目指し、我が国では今回初めて導入された。これにより、高齢者など慢性疾患等で長期通院を余儀なくされる患者の負担が大きく軽減されるメリットがあるものの、診療回数の減少により病状の悪化が見過ごされるリスクや、主に外来診療に依存する医療機関の経営悪化に対する懸念、さらに投薬管理を行う調剤薬局や薬剤師側の業務及び管理責任の領域が拡大することなど、今後も慎重に経過を見守るべき課題もあるとされる。

 

消費者庁は3月31日、ネット広告において認知機能に係る機能性を標榜する機能性表示食品に対し、届出後の事後チェックとして、景表法(優良誤認)及び健増法(虚偽・誇大表示)の観点から表示の適正化を求める改善指導を行うとともに、SNSを通じて一般消費者に向けて注意喚起を行った。これは令和4年2月末時点で販売されていた計223商品のネット広告に対し、景表法および健増法の観点から一斉監視を行った結果、対象者の範囲や認知機能の作用領域に関する表示内容がわかりづらいものや、認知症や物忘れの予防・改善効果を誤認させる恐れがあるものとして、112事業者の計128商品に対し改善指導を行ったもの。なお、今回改善指導の対象となった表示としては、「物忘れや認知症の治療又は予防効果等の医薬品的効果が得られるかのような表示」や、例えば「認知機能の一部である記憶力を維持する」という届出表示の時に、「認知機能が気になる方へ」などと「表示の一部を切り出して強調することで、届け出た機能性の範囲を逸脱する表示」などが含まれる。消費者庁は、改善指導を行った事業者がオンライン・ショッピングモールに出店している場合には、当該モールの運営事業者に対しても情報提供を行った。

消費者庁は3月31日、令和4年2月28日までの国及び都道府県等の景品表示法に基づく法的措置件数の推移と措置事件の概要を公表した。なお、措置命令の件数は全国で37件、うち、自治体が2(埼玉1、静岡1)件であった。なお、3月末までの令和3年度合計では全国で44件、うち、自治体が4(東京2、埼玉1、静岡1)件となる見込み。
公表資料へのリンク(消費者庁サイト)
https://www.caa.go.jp/notice/assets/information_other_220331_0001.pdf

消費者庁は3月30日、食品添加物の不使用表示に関するガイドラインを新たに策定し、商品パッケージ上などで「無添加」や「不使用」などと記載する場合のルールを厳格化する旨発表した。これまで食品表示法は、パンやソーセージなどの加工食品に保存料、着色料、香料などの添加物を使用した場合、商品の包装上にそれらの使用を明記するよう義務付けてきた。だが、一方で添加物を使用しなかった場合は、「無添加」や「不使用」などと表示するためのガイドラインが存在しなかったため、虚偽でない限り、その表示の是非は販売者側の判断に委ねられてきた。ところが、「無添加」や「不使用」と表示することで、当該食品があたかも無害で安全・安心かのような誤認を招く恐れがあるとの指摘もあり、今回消費者庁は新たなガイドラインを策定することで同種の表示に対する規制に乗り出した。なお、このガイドラインでは、約2年間の経過措置終了後、「何を添加していないのか不明確な表示」「無添加あるいは不使用を健康や安全の用語と関連付ける表示」「無添加や不使用の文字などが過度に強調されている表示」を対象に、罰金などの厳しい罰則が科される可能性もある。しかし、このルールを厳密に適用した場合、パッケージ上に多数の添加物をすべて列記しなければ無添加や不使用の表示ができなくなり、逆に消費者にとって商品を選ぶためのわかりやすさや利便性が損なわれるという食品業界側からの強い反発も出ている。

消費者庁は3月29日、自社が販売するまつげ用美容液の広告上で、根拠なく「まつげが伸びる」と謳っていた化粧品販売会社ハウワイ(大阪市中央区)に対し、景表法上の優良誤認にあたるとして、課徴金500万円の支払いを命じた。同庁表示対策課によれば、同社は自社ウェブサイトでまつ毛用美容液「エターナルアイラッシュ」販売するにあたり、まつ毛の長さを比較する写真を掲載し、「2週間で2mmも伸びる」「ボロボロまつ毛を理想のまつ毛に」など、あたかも短期間で顕著な育毛効果が期待できるかのように表示。また、製品の含有成分についても、「人幹細胞培養液×ナノキューブ×フムスエキスと三つのエキスが入っています」と、各成分の効果について紹介していたという。消費者庁は、今回の措置に先立ち、効果を実証する資料の提出がされなかったとして、昨年6月に措置命令を出していた。