骨転移により股関節置換術を余儀なくされて、急遽手術、そして一ヶ月間の入院となった去年の8月。
手術を終えた二週間後くらいから歩行練習ということでリハビリ室に通うようになりました。 そこで目にした一人の女の子・・・。
歳は恐らく十代後半から二十代前半。 ベンチに座り、横から見るその娘はとても可愛くて、脚もスラ~ッとスタイルも良く、隣に居た、きっと母親と思われる女性と笑顔で楽しそうに話しをしていました。 思わず (おっ! スッゲェ~可愛い娘!) と、自分の歳も省みずに (還暦過ぎ ) 目を奪われたものです。 そして、私が二人の座るベンチ前を通り過ぎるべく前に差しかかると ・・・ (えっ!) ・・・ よく見ると、その可愛い女の娘には左足がありません ・・・ ちょっとビックリでした。
ここはがんセンター・・・・・・、恐らく、悪性の骨腫瘍等で脚の切断となってしまったのでしょう。
それからは何度もその娘とはリハビリ室で一緒になりましたが、笑顔をいつも絶やさず、暗い顔など一切見せることはありませんでした。 心の中で (この歳でこの娘、すごいな・・・) と私はその心の強さに感心させられていて、股関節置換くらいでビッコを引いている自分を情けなく思っていることを、まこと恥ずかしく感じたものです。
そしてもう一件・・・
入院していた整形外科病室の隣が小児科だったのですが、そこでの光景・・・。
小学生低学年くらいでしょうか? 見た目は7~9歳くらいの児童が車椅子に乗せられ、母親に後ろを押されています。 きっと小児がんで入院中なのでしょう・・・。 顔色がとても悪く、どちらかと言うと灰色に近い・・・。 毛髪はほとんどが抜け落ちています。 車椅子に揺られながら下を向き、まったく顔を上げようとしません。 母親も車椅子を押しながら、泣きそうなほどの暗い顔をして歩いています。 この親子とも、入院中は何度となく擦れ違ったものでした。
片足の切断を余儀なくされてしまった少女・・・、そして小児がんに冒され入院中のこの小さな男の子・・・。
私はそんな二つの光景を見るにつけ、その度に思わされたものです・・・
「この世に神様なんかいない!!」
私みたいなジジイやババアなんてどうでもいいんです! この二人だけでなく、これからがある若い人達にだけはこんな病にかかってほしくない!
心から、そう願っています ・・・ 神様!!・・・(?)