・第七話
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~第八話~
「あ、ビーケン?おせーよ。あ?うん。あのさぁ、また焼いて欲しいもんがあるんだけど。ああ。マズい系」
信永が「また」と言ったのには訳がある。
実は、ビーケンに『マズい系』の物を焼いてもらうのはこれが初めてではなかった。
「ああ、じゃあこれから行くわ」信永はそう言って電話を切った。
ビーケンとの話がうまくまとまったようだった。
信永はタバコを咥え直して、目で「火を貸せ」と催促してきた。
俺は自分のライターを信永に投げ渡した。
信永はタバコに火をつけるとライターを自分のポケットにしまった。
「コラ。パクってんじゃねーよ」
「いいじゃん別に」
「うるせぇ。返せ早く」
見た目はただの百円ライターだったが、俺にとっては少々ワケありの物だった。
俺が手を出して催促すると、信永は不思議そうな顔をして俺にライターを戻した。
信永からしたら、物に無頓着な俺がライター程度に執着しているのがよく理解できなかったようだ。
「さ、行くか」信永が言った。
やる事が増えたので、急がなければなからなかった。
まずはビーケンの工場へ行って耳を処分してもらう。
そして、人助けの依頼をしてきた女と会う。
待ち合わせまで三十分もない。
それまでに耳を処分して、喫茶店ロッカーズカフェに戻らなければならない。
「時間ねーからさ、お前が耳持ってけよ、シン」
「おめーが持ってけよ」
二手に分かれてそれぞれをこなそうと思ったが、お互いに耳を一人で運ぶのは気が乗らなかった。
「揉めてる時間ねぇな…。行くぞコラ」俺が言った。
信永は耳が入った小箱をコンビニの袋に入れた。
そして信永は静かに玄関のドアを開け、辺りを見回した。
「誰もいねぇよ。時間ねーって言ってんだろ。早く行くぞ」
俺はボロボロのスクーター、信永は松田優作に憧れて買ったベスパにまたがり、ビーケンの工場へと向かった。
井口達也
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登場人物
井口達也(信永から仕事を貰っている暇人)
上布田信永(通称:シン。何でも屋の若社長)
諸星謙太(通称:ビーケン。スクラップ工場の息子)
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