初めての方プロローグからどうぞ

再会1話はこちら から


入ったら

ソファーが並んだ

待合室になっているのだが、

そこに皆居た。


こてっちゃん。

信男、そして

狛江愚連隊総長代行の美咲。


駆け込んできた俺に気付いて

三人とも一斉に振り向いた。


そして三人とも俺を見るなり、


「ププー(笑)あっはっはっは(笑)」


俺を指差して笑った。


恥ずかしさで俺は

今すぐこのリーゼントを

洗い流したいと思った。


俺がムスっとした顔をすると、

すぐに美咲が


「達也ぁ!似合うよ」


と言ってくれたのが

せめてもの救いか。


「どうしたんだよその頭ぁ!」


こてっちゃんが聞いてきたので俺は答えた。


「ワン公がやれって…」


「達也ぁ!おまえかっこいいよ!」


「もうぜってーやらねー」


「笑って悪かったよ(笑)」


そうは言いながらも

こてっちゃんは腹をかかえて

まだ笑っていた。


「そんな事よりアカシは!?」


そう言うとこてっちゃんは

笑うのを止めて、

寂しい顔をしながら首を横に振った。


「え!?」


死という文字が頭をよぎった。


「大丈夫だよ。ただ寝てるだけだよ」


「まだ…意識戻らない?」


「ああ」


その場は沈黙に包まれた。



沈黙を破るように

美咲が俺に話しかけてきた。


「達也ぁ、お前の気持ち、アカシに届いてるよ」


俺はそう言われて嬉しかったが、

美咲のバッチリとキマった

リーゼントを見ると、

どうしても自分の
グシャグシャのリーゼントと
比べてしまって、
また少し恥ずかしくなった。

するとワン公が
俺をつんつんと突いた。
ああそうだ…
紹介するの忘れてた。

俺はワン公をぐっと掴み、
美咲の前に出した。

「これ、俺のダチの山崎秀樹」

「は、初めまして秀樹です!」

ワン公はガチガチに緊張していた。
すると昨日のような
怖い表情からは
想像も出来ない優しい目で

「君がワン公君ね。私は美咲。よろしく」

そう言ってワン公の手を取って握手した。

「ヒョ、ヒョーーー!」

舞い上がったワン公の奇声が
笑いを呼び起こし、
その場の重い空気を振り払った。

俺はそれよりも美咲が気になった。

頭は赤髪のリーゼントで奇抜だが、
体は小さいし、
顔はまだ
あどけなさも残る
少女のような容姿だった。

ただ、やる事なす事が
男勝りな美咲は、
俺からみたらまるで女版アカシだった。

「っていうかよぉ、達也ぁ、お前学校どうしたんだよ?」

信男が口を開いた。

「休んだよ」

「行けっつったじゃん」

「信男も学校じゃん」

「俺はいいんだよ」

「なんでだよ」

「アカシのダチだからよ」

「俺もだよ」

信男はやれやれと言った顔で
舌打ちをした。


そんな時、
アカシのお母さんが
少しやつれた顔でやってきた。