初めての方プロローグからどうぞ
怖さよりも、
なめられたくなかった思いが
ドアを開けさせた。
ドアを開けた瞬間、
三人の目が俺に集中した。
「おーーー!達也!きたか!来ると思ったよ!」
赤髪がこっちに来いといわんばかりに手招きしてきた。
するとパンチの男が口を開いた。
「アカシ、こいつ誰?」
「こいつじゃねーよ、達也ってんだよ。俺の友達だよ」
俺は一瞬耳を疑ったが、
確かにこの時友達と言われた。
「アカシ、お前小学生と友達なんか?(笑)」
「おー、わりぃか?」
低い声だった。
「わるくねーよ。そぉ怒んなって」
パンチは焦るように返事をしていた。
俺は赤髪に向かって
「アカシ、言われた通り来たんだけど」
と言った。
すぐさまパンチが口を開いた。
「おい、アカシじゃねーだろ?アカシさんだろーが!」
近くの椅子を思い切り蹴飛ばした。
「いいんだよ、ノブオ(笑)達也はこういう奴なんだよ」
赤髪はなだめるような優しい口調になっていた。
「達也、わりぃなぁ、こんなんでよぉ」
散乱する店内を見渡しながら、
とても申し訳なさそうに、
そして優しい目で俺に言った。
俺はなんだか肩透かしをくらったみたいだった。
殴ろうという思いはどこかに消えていた。
「よし!達也!外出ようぜ!」
足元に倒れてる奴を蹴っ飛ばして赤髪は外に出て行ってしまった。
怖い奴なのか優しい奴なのか、さっぱり分からなくなっていた。
スキンヘッドとパンチに
お前も早く外に行けと目で合図され、
俺はそのまま赤髪の後を追った。
◆第八話-魁!丹至塾!(4)◆
へ続く